タグ: 読書術

松岡正剛さん出演「嵐にしやがれ」を見た

相変わらず周回遅れですが、BUSHIDOUさんに教えていただいた、2月19日放送、セイゴオさん出演の「嵐にしやがれ」を見ました。

続きを読む

タグ :

「つながる」読書は楽しい〜多読術

BUSHIDOUさんが貸してくださった本。ちょうど松丸本舗を訪れた直後だったので、タイムリーでした。
いつもお世話になりっぱなしです。ありがとうございますm(__)m
本読み (という言い方もどうかと思いますが) として雲の上の方ですが、セイゴオさんがいかに本を読んでいるか、わくわくしながら読むことができました。

続きを読む

タグ :

めざせ!会社の星「ワンランクアップの読書術」を見た

周回遅れですが、NHKめざせ!会社の星の「ワンランクアップの読書術」を見ました。

正直に書きます。見て「うーーーん」という言葉しか出てきませんでした。
内容がつまらないというのではなく、取り上げられている読書と自分がしている読書がかけ離れていたからです。

続きを読む

タグ :

読書マラソン「東海道八十次」

先日岡崎市立中央図書館 (注: 音が出ます) に行ったら、こんな紙が置いてありました。
国際読書年にちなむ読書推進企画のようです。

80冊になった根拠はなんだろうと思ったけど、ここに書いてあるように五十三次と二十七曲の数字がすべてなんでしょうな。
80冊という分量は週に1.5冊で約1年間かかりますが、普段本をあまり読まない人にとっては結構なボリュームですね。自分は読むのが早くないので、週に1.5冊だとややハイペースに感じる。特に期間は決められていないようなので、自分のペースで読めばいいようです。夏休みのラジオ体操のカード (って今でもあるのか?) と同じで、埋めていく楽しみがあるし。
自分はこれではなくてメディアマーカーで記録取ってますが。

表の下に

ゴールのころには、本の中にある世界の半分を手に入れられるかも。

と書いてありました。いろんな解釈が可能な言葉ですが、自分がこれで連想したのが齋藤孝「読書力」のこと。齋藤氏は「思考活動における素地を作るための読書」について言及していましたが、この「志向の素地」と「本の中にある世界の半分を手に入れ」ることが、どこかでつながっているような気がしたのです。
もちろん本の内容によりますが、その本に書かれた内容すべてをわかるというのは、なかなかできることではありませんからね。
ちなみに自分の今年の目標冊数が80冊です。なかなか難しそうではあるけど、気にしつつもとらわれずに読書を続けていきます。

タグ :

《書評》読書の効用を人に伝えるのは案外難しい〜読書力

齋藤孝氏の本を読んだのは初めてです。齋藤氏は「『○○力』という名前のベストセラーをたくさん出している、テレビにもよ く出ている大学の先生」という認識しかありませんでした。

この本における読書とは 「多少とも精神の緊張を伴う読書」「思考活動における素地を作るための読書」のことです。
読書力があることの目安とし て「文庫100冊・新書50冊」を読んでいることをあげています。「文庫」は「新潮文庫の100冊」にあるようなラインナップ(齋 藤氏の考える読書力は「文学を全く排除したものではあり得ない」)。新書は昔の岩波新書や中公新書のような、ある程度質の高い知識情報がコンパクトにまと まったもの。文庫と新書があるのは、文庫と新書では要求される読書力が違うから、だそうです。

齋藤氏は「本を読むことの意味は何か」という、案外答えにくい問いに対して、「読書によって…の力がつく」という形式で答えて います。
大まかには、各章のタイトルにある「自分をつくる—自己形成としての読書」「自分を鍛える—読書はスポーツだ」「自分を広げる—読書はコミュニケーション力の基礎だ」の3つ。
「自分を広げ る」では、ただ一人で読むだけでなく、読書会などで本を介して人とコミュニケーションをとるやり方にも言及されています。複数の人間で紙にキーワードを書 き込んでいくなど、面白そうな手法も紹介されています。

この本自体、岩波新書とし てはかなり読みやすい本だと思います。それほど時間をかけずに読めます。全体的に読書について熱く語られていて、齋藤氏の思い入れの深さが伝わってきます。彼自身が相当の読書家であり、自 己形成において読書から大きな影響を受けたという自覚、多くの読書に裏打ちされた知識があるからこその熱さだと思います。
そしてわかりやすい。語り口が明瞭で例えがうまく、説得力もある。これを「素晴らしい」と思うか、逆に「うさんくさい」と思うかは人によって分かれるところでしょう。

わたし自身は、読書は農業における「土作り」と同じで はないか、と思っています。そういう点では、読書に対する考えは齋藤氏に近いかもしれません。ただ、自分は古典をあまり読まずにここまで来てしまった、齋藤氏言う読書力の目安に到達してるとはいえないかも、という自覚があるので、偉そうなことは言えませんが。

実は今の職場で、「本を読んだ方がいいですか」という質問を二度受けてい ます。一度は入社2年目の男性社員から、一度は幼稚園児の娘がいるパート女性から(子どもに読ませた方がいいか、という質問)。どちらも「読んだ(読ませた)方がいいです」と答えたのですが、なぜ読んだほうがいいのか、はなかなかうまく伝えられないのです。「本を読んだ方がいいか」という質問の答えとし て、この本を薦めるのはありかもしれない、と思いました。
もちろん、齋藤氏の提唱する読書法が絶対ではないし、本の読み方は人それぞれ。読み方に正解はないと思います。でも、本を読むことの効用は非常に明快に書いてあるので、読んだ方がいい のか、と思っている人にとっては、分かりやすい指針になると思います。

読書力 (岩波新書)
読書力 (岩波新書)

posted with amazlet at 10.03.27
斎藤 孝
岩波書店
売り上げランキング: 6788
タグ :

《書評》本との向き合い方の1つのモデル〜読書と社会科学

社会科学では、概念という装置を使って物事の本質を見極めようとします。自前の「概念装置」をどのように獲得するか、そのためにはどう本を読むべきか、という話が中心にあります。
この本の後半は、大学で実際に社会科学を学んでいる学生向けの講義をベースにしているせいか、わたしには難しいと感じられました。しかしこの本全体を通して出てくる「本をいかに読むべきか」という提言や、前半の読書会に関する記述はとても興味深かったです。
これは読書会をめぐる2つの問題「本をどう読むか」「どうすれば実りのある、持続的で楽しい場にすることができるか」について、著者が実際にとある読書会で講演した内容をベース再構成したものです。

読書会が楽しく育ってゆくかどうかの鍵は「聴くこと」にある。上手に聴くこと、一人一人がどの程度聴き上手か。
皆が下手に「話し上手」になって、結果として話し下手の人の口ごもりながらの発言を圧倒するようなことは避けなければならない。
これでも思い出したのが、現在自分が参加している名古屋ライフハック研究会。ここは「読書会」ではないのだけど、読書に関する関わりは深いと思う。ここでたくさんのいい本に出会っているからであり、1つの本を何人かで読み、お互いに付箋を貼り付けたりして読みの違いを確認する、という新たな楽しみを発見したからです。
この会は、「聴く」ことがよくできている場だと個人的には思います。本に対する評価は人それぞれだし、「とてもよい」といわれて借りた本が自分に合わなかった、と言うことは当然あり得るわけです。それでも、お互いの評価をちゃんと聴く姿勢があるから、次に本を薦められても手にとって読んでみよう、と思える。
わたしは単なる参加者に過ぎないので「楽しい」と言っているだけで済みますが、実際に運営しているスタッフの皆さんの苦労はいかばかりかと思います。すばらしい場を運営しているスタッフの皆さんにお礼申し上げます。

話を戻して。
この本の中に出てきたキーワードで、気になったものを挙げます。

「本は読むべし読まれるべからず」
本は読まなきゃ損。いい本は、上手に読めば、読んだだけの甲斐があったと思わせるだけのものがある。本でモノが読めるように、そのように本を読む。それが「本を読む」ということの本当の意味である。

「情報として読む」「古典として読む」
「情報として読む」は、文字通り新しい情報を取り入れるために本を読む読み方。「古典として読む」は、情報を見る眼の構造を変え、情報の受け取り方、自分にとって有益なものの考え方、求め方を変えていく読み方、すなわち
「情報を受取る眼を養うための読書」。
「情報」「古典」とありますが、一般的に言われる「情報」「古典」がそのまま当てはまるわけではない。「古典として読まれる雑誌(例として「暮しの手帖」が挙げられている)」「(案内という意味での)情報を得るために古典を読む」もあり得るわけです。

「信じて疑う」
本を読むときには、仮説的に信じて読む。信じなければ内容に踏みこめず、適当にしか読めない。信じて読むからこそ、解くべき問題や新たな創造につながる疑いを見つけることができる。しかしだからといって著者を盲信してはいけない。自分の読みに対する信念がなければ精読はできない。
本をよく選んで、一度選んだからには、そのときの自分の読みと本そのものを仮説的に信じて、本文を大切に、踏み込んで深く読む。
いい加減に読むくらいなら読まない方がいい。

「みだりに感想文を書くな」「感想にまとめやすい形で読むべきものじゃない」
本をていねいに読むためには、読みっぱなしにせずに書くことで感想をまとめておくことが大切。自分が読んだことを他人に伝えられる「独立した文章」にまとめあげる努力を通じて、初めて自分にもはっきり分かることがある。
しかし、感想を狙いに本を読んではいけない。最初から
「まとめやすい形」での感想を求めて掬い読みをしてしまうと、せっかく古典を読んでも、もっともいいところを取り逃がしてしまう。

著者は読書の対象として経済学 (やその他社会科学) の専門書が念頭にあるのだと思います。
しかしここに取り上げた教訓は、ビジネス書や自己啓発書を読むときの姿勢にも当てはまるものでしょう。
そもそも自分は「読むこと自体が楽しいから」読書をしているし、ビジネス書の類はあまり読まないんだけど、読むときの一つの指針になるかなと思う。
そして「概念装置」という言葉、学問上の話ではあるけれど、学問から離れたところでも自前の「概念装置」を持つことは重要だと思う。それを手に入れるためにすべきことの指針になると思います。

読書と社会科学 (岩波新書 黄版 288)
内田 義彦
岩波書店
売り上げランキング: 32790
タグ :