営業に対する見方が変わる〜奇跡の営業

保険の営業というと、とにかく毎日走り回り、自分の親戚や友人知人に声をかけまくり、頭を下げて入ってもらう、というイメージががあります。「保険の営業をすると友達なくすよ」なんて言っている人を見たこともあります。いずれも偏見だとは思います。

「奇跡の営業」の著者、山本正明さんは保険の営業マンですが、正反対のスタイルを持つ人です。保険契約したお客さんから人を紹介してもらうスタイルで、4,000人いるソニー生命の営業マンのトップに立っています。しかも紹介はアンケートを軸にしてとっているとのこと。

 

奇跡の営業
奇跡の営業

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山本正明
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※レビュープラスさんより献本いただきました。ありがとうございます。

 

しかしにわかには信じられない話です。客がそんな簡単に営業マンに友人知人を紹介するものか? と。
いくら営業の人にいい商品 = 保険を紹介してもらったから、あるいは保険が長期間にわたるつきあいになる商品とはいえ、「友人知人を紹介して」といきなり言ったのでは「知らんがな」「なぜ一介の保険営業に友人知人を紹介せねばならんのか」で終わってしまう可能性が高いわけです。お金が絡むところで人を紹介するのは、客からすれば結構ハードルの高いことだと思います。

ではどうやって紹介を引き出すか。
著者は紹介してもらうために、様々な伏線を張っています。もちろんそれは最終的に新規契約を手に入れる=自分のためではあるのだけど、顧客に対して「人に教えたくなる」ものをたくさん提供しています。それは保険の話だけでなく、教育、住宅ローン、貯金、相続、転職など、保険とは直接関係ないけれど役に立つ話です。さらに「こういう話に興味がありそうな人はいませんか」「あとからで構わないので、その方々を紹介してください」と続きます。
そして紹介することが、契約した客自身にとってもプラスになる、というのです。
契約後にお客さんにアンケートを書いてもらい、そこで紹介をもらいます。客はアンケートを書くことで商談の良かったところを振り返ることで「この商品を買ってよかった」「この人と契約してよかった」という満足感を感じ、それが紹介につながる、というわけです。
これは目からウロコでした。確かにいい買い物をしたとき、周囲の人に「これはよかった」と伝えたくなるもの。保険も商品である以上、お客さんが「いい買い物をした」と思ってくれれば、人に紹介したくなるかもしれない。
巻末に山本さんが使っているアンケートがあるのですが、「紹介したい人を各欄がある以外は、よくあるアンケート」に見えます。しかし山本さんの営業スタイルを知り、アンケートの解説を読むと、試行錯誤の結果が凝縮されたものだとわかります。
山本さんは、人から「これをやるとよい」と聞いたものはすぐに試しています。アンケートもその一つです。いいと聞いた物はすぐに試す、一種の素直さが強みでもあります。

そしてもう一つ。すごいと思ったのが、紹介を依頼する際に「生活を安定させ、この仕事を長く続けることで、一人でも多くのお客様を守り続けていくためにお願いします」ということを本音で伝えていることです。
よく「何よりもお客様が大事」と言う営業マンがいますが、買う側としては「どうせ成績のためにそう言ってるんだろう」という疑念が生じます。疑念があると、どんなにいい物でも「この人から買っていいのか」と思われる可能性があります。
けれど「まずは生活のため、そして自分の生活が安定することが客のプラスにもなる」ときちんと伝えられれば、その人に対する信頼度が変わってくると思います。

わたしの職場には30人ほど営業がいるのですが、彼ら彼女らを間近に見ていて、成績上位者には共通点があると感じます。それは、やり方は人それぞれでも「自分が動かなくても依頼がくる仕組みを作っている」ということ。この流れも紹介の一種といえるかもしれません。
著者の方法は究極の「自分に依頼が来る仕組み」のような気がしてなりません。自分に依頼がくるように、多くの種をまいている感じです。

営業成績のいい人は口が達者で押しが強い人、というイメージあるかもしれません。
「奇跡の営業」は、それを見事に覆してくれます。
著者が扱う商品は、やや特殊かもしれません。でも一般的な営業職の人でも役立つヒントがたくさんあると思います。

レビュープラスさん、ありがとうございました。

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