月: 2017年12月

2017年に読んだ本、これはよかった #mybooks2017

2017年は昨日までに82冊の本を読みました。自分としては結構読みましたね。
特に印象的だった本を紹介します。今年はあえてコメントはつけません。
並べた順序に深い意味はありません。

 

 

ことばについて考えさせられた本

『日本語のために (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 30) 』

日本語のために (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 30)
河出書房新社
売り上げランキング: 151,627

 

 

社会の「根底」「暗部」について考えさせられた本

ブレイディみかこ『子どもたちの階級闘争』

子どもたちの階級闘争——ブロークン・ブリテンの無料託児所から
ブレイディ みかこ
みすず書房
売り上げランキング: 7,101

 

笙野頼子『ひょうすべの国』

ひょうすべの国——植民人喰い条約
笙野 頼子
河出書房新社
売り上げランキング: 354,501

 

 

仕事について新しい視点を得られた本

辻山良雄『本屋、はじめました』

本屋、はじめました—新刊書店Title開業の記録
辻山 良雄
苦楽堂
売り上げランキング: 57,256

 

オーレ=トシュテンセン『あるノルウェーの大工の日記』

あるノルウェーの大工の日記
オーレ・トシュテンセン
エクスナレッジ (2017-09-29)
売り上げランキング: 11,981

 

 

歴史についての印象が変わった本

三木 亘『悪としての世界史』

悪としての世界史 (文春学藝ライブラリー)
三木 亘
文藝春秋
売り上げランキング: 319,612

 

 

アメリカを知るために役立った本

タナハシ=コーツ『世界と僕のあいだに』

世界と僕のあいだに
世界と僕のあいだに

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タナハシ・コーツ Ta-Nehisi Coates
慶應義塾大学出版会
売り上げランキング: 21,685

 

渡辺由佳里『トランプがはじめた21世紀の南北戦争』

トランプがはじめた21世紀の南北戦争: アメリカ大統領選2016
渡辺 由佳里
晶文社
売り上げランキング: 331,525

 

J.D.ヴァンス『ヒルビリー・エレジー』

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち
J.D.ヴァンス
光文社
売り上げランキング: 8,366

 

 

〆切の力を見せつけられた本

左右社編『〆切本』『〆切本2』

〆切本
〆切本

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夏目漱石 江戸川乱歩 星新一 村上春樹 藤子不二雄Ⓐ 野坂昭如など全90人
左右社 (2016-08-30)
売り上げランキング: 4,074

 

〆切本2
〆切本2

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森鷗外 二葉亭四迷 武者小路実篤 北原白秋 石川啄木 芥川龍之介 横溝正史 小林多喜二 丸山眞男 水木しげる 山崎豊子 田辺聖子 赤塚不二夫 高橋留美子 穂村弘 福沢諭吉 源氏鶏太 山本有三 ドストエフスキー 夢野久作 石川淳 山本周五郎 太宰治 松本清張 梅棹忠夫 安岡章太郎 井上ひさし 宮尾登美子 向田邦子 川上弘美 リリーフランキー 川上未映子 町田康 萩原朔太郎 滝井孝作 深沢七郎 五味康祐 小川国夫 吉村昭 校條剛 團伊玖磨 河野多惠子 五木寛之 片岡義男 堀辰雄
左右社 (2017-10-07)
売り上げランキング: 16,324

 

 

 

来年も、たくさんのいい本に出会えるといいな。

2017年はずいぶんと映画を見た

今年は昨日までに44本の映画を見ました。2016年は27本でした。
なんでこんなに見たんでしょうね。10日に1本以上見てますね。

その中で特に印象的だったものをご紹介します。

 

彼らが本気で編むときは、
見終わった後にこれほど複雑な感情に襲われた映画は、過去にありません。
そこに否定的なものは全く含まれないのですが、表現のしようのないものばかりが残りました。

 

エル ELLE
イザベル=ユペールを初めて見たのは「アスファルト」というフランス映画ででした。
彼女についてなんの予備知識もなく見て、ただ「この女優いいなあ」と思い、また出演作が公開されたら見に行こうと思うようになりました。
それで今年は「未来よ、こんにちは」も「エル ELLE」も見たのですが、とにかく「エル ELLE」は強烈だった。「こんな女性を演じられるなんて、すげぇ」しかない。

余談ですが、「エル ELLE」と「女神の見えざる手」って、主人公の造形に関する基本思想が同じであるように感じます。

 

ドリーム
困難な状況を描いても悲壮な感じがせず、明るくしなやかで、それぞれの立場で信念を持ってできることやり、周囲を巻き込んで成功をつかんでいく。
サクセスストーリーはいくつもあるけど、こんな作品は滅多にない気がする。
個人的には、これから社会に出る、あるいは出たばかりの若い人に勧めたいと思います。
もちろん、いま社会の最前線で働いている人たちにも。

 

わたしたち
自分の身近でも過去にあったような小学生のいじめがテーマで、正直見ていてしんどい場面もありました。
でも、登場する子どもたちの様子がとても繊細に描かれていて、最後に光を感じることができて、非常によかった。

 

2018年の手帳には、見たい映画を着々とメモしています。。
これからも、可能な限り映画館に行きます。

2017年・印象に残った言葉

今年も本や映画で、印象的な言葉に出会いました。
そのうちのいくつかをご紹介します。

 

「母さんは幸せ?」
「そんなの人に聞くもんじゃない。幸せかなんて考えたら、うつになる」
☞ 映画「20センチュリー・ウーマン

幸せって強烈な言葉よ
☞ 映画「ありがとう、トニ・エルドマン

どちらも最初は「うーん、どうかな」と思ったものの、ラストでは見てよかったと思った映画です。
「20センチュリー・ウーマン」は母と息子の、「ありがとう、トニ・エルドマン」は父と娘の映画ですが、どちらにも幸せに関する言及があったのが印象的でした。
特に「20センチュリー・ウーマン」は、このやりとりに出会えただけでも映画館に見に行った甲斐はあったと思います。

 

一日だけ幸せでいたいならば、床屋に行け。
一週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。
一ヶ月だけ幸せでいたいなら、結婚しろ。
一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。
一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。
☞ 西洋のことわざ・教えてもらったのは名言コツコツ

このことわざ自体はずいぶん前から知っていますが、最近特に「一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。」は、その通りだと痛烈に感じます。
ずっと正直で居続けるのは難しいけど、それでも自分を見失わないようにしたいものです。

 

年をとるということは、楽しみの幅が広まっていくこと、深まっていくことを実感できるということ。素敵だわ。
☞ 高山真のよしなしごと「徐々に徐々に

先日職場で30代前半の男性社員に「わたしだって四捨五入したら50だよ」と言ったら、えらく動揺されました。
それはともかく、この年齢になって以前より素直に様々なことを楽しめるようになったと思います。がつがつせず、のんびりと、ただ流されていくだけではない。
その点は年を取ってよかったと思います。

 

辛い時に辛い顔をするのはね、他人にその辛さを評価して欲しいからさ。そんなものを評価してもらってどうするんだい。辛い思いをしているからといって偉くなるわけでもなし。
☞ ブレイディみかこ「花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION」p247

辛さをわかってほしい、評価してほしいという気持ちは起きがちだけど、それに自分は何を求めているのか。心に刺さりました。

 

…計画できる固定客に背を向けた「王立」の企画は、やはり一種の蛮勇に違いない。
だが、そうした“蛮勇”がなければ新しいものはなにも生まれない。この単純な真理を身を以て証明したのが「王立宇宙軍」であり、「新世紀エヴァンゲリオン」だった。
宇宙に行くことに現実的な意味がなにひとつなくても、宇宙に行くことによってしか見えない景色がある。「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は、つまりそういう映画なのである。
☞ 大森望「10年を経ても“いまの映画”であり続ける理由」(DVD「王立宇宙軍 オネアミスの翼」解説)

「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は何度見たからわからない映画です。これまで見たアニメ映画のベストと言っていいかもしれない。
先日久々に見て、この解説に改めて納得しました。
蛮勇が必要な時って、やっぱりあるんですよね。

 

 

「名前をつけるって重要だな」と思ったツイート。
SNSを利用している限り、不用意に精神的ダメージを負ってしまうことは避けられないでしょう。いざそういうときに「これは○○なんだ」って言えることで、気持ちが収まることもありますしね。

 

来年もまた、たくさんの言葉に出会えますように。

 

 

花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION (ちくま文庫)
ブレイディみかこ
筑摩書房
売り上げランキング: 20,320

 

王立宇宙軍 オネアミスの翼 [Royal Space Force−The Wings of Honneamise] [Blu-ray]
バンダイビジュアル (2008-07-25)
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