2017年・印象に残った言葉
今年も本や映画で、印象的な言葉に出会いました。
そのうちのいくつかをご紹介します。
「母さんは幸せ?」
「そんなの人に聞くもんじゃない。幸せかなんて考えたら、うつになる」
☞ 映画「20センチュリー・ウーマン」
幸せって強烈な言葉よ
☞ 映画「ありがとう、トニ・エルドマン」
どちらも最初は「うーん、どうかな」と思ったものの、ラストでは見てよかったと思った映画です。
「20センチュリー・ウーマン」は母と息子の、「ありがとう、トニ・エルドマン」は父と娘の映画ですが、どちらにも幸せに関する言及があったのが印象的でした。
特に「20センチュリー・ウーマン」は、このやりとりに出会えただけでも映画館に見に行った甲斐はあったと思います。
一日だけ幸せでいたいならば、床屋に行け。
一週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。
一ヶ月だけ幸せでいたいなら、結婚しろ。
一年だけ幸せでいたいなら、家を買え。
一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。
☞ 西洋のことわざ・教えてもらったのは名言コツコツ
このことわざ自体はずいぶん前から知っていますが、最近特に「一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。」は、その通りだと痛烈に感じます。
ずっと正直で居続けるのは難しいけど、それでも自分を見失わないようにしたいものです。
年をとるということは、楽しみの幅が広まっていくこと、深まっていくことを実感できるということ。素敵だわ。
☞ 高山真のよしなしごと「徐々に徐々に」
先日職場で30代前半の男性社員に「わたしだって四捨五入したら50だよ」と言ったら、えらく動揺されました。
それはともかく、この年齢になって以前より素直に様々なことを楽しめるようになったと思います。がつがつせず、のんびりと、ただ流されていくだけではない。
その点は年を取ってよかったと思います。
辛い時に辛い顔をするのはね、他人にその辛さを評価して欲しいからさ。そんなものを評価してもらってどうするんだい。辛い思いをしているからといって偉くなるわけでもなし。
☞ ブレイディみかこ「花の命はノー・フューチャー: DELUXE EDITION」p247
辛さをわかってほしい、評価してほしいという気持ちは起きがちだけど、それに自分は何を求めているのか。心に刺さりました。
…計画できる固定客に背を向けた「王立」の企画は、やはり一種の蛮勇に違いない。
だが、そうした“蛮勇”がなければ新しいものはなにも生まれない。この単純な真理を身を以て証明したのが「王立宇宙軍」であり、「新世紀エヴァンゲリオン」だった。
宇宙に行くことに現実的な意味がなにひとつなくても、宇宙に行くことによってしか見えない景色がある。「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は、つまりそういう映画なのである。
☞ 大森望「10年を経ても“いまの映画”であり続ける理由」(DVD「王立宇宙軍 オネアミスの翼」解説)
「王立宇宙軍 オネアミスの翼」は何度見たからわからない映画です。これまで見たアニメ映画のベストと言っていいかもしれない。
先日久々に見て、この解説に改めて納得しました。
蛮勇が必要な時って、やっぱりあるんですよね。
SNSで自分が読んじゃいけないタイプの投稿を読んで、勝手に精神的なダメージを受ける事を「ソーシャル自損事故」と命名しましたから、皆さんお使いください。誰も悪くないの。運が悪いだけなの。
— MoritsuguKeiko(森次慶子) (@W_Fei_hung) 2017年8月14日
「名前をつけるって重要だな」と思ったツイート。
SNSを利用している限り、不用意に精神的ダメージを負ってしまうことは避けられないでしょう。いざそういうときに「これは○○なんだ」って言えることで、気持ちが収まることもありますしね。
来年もまた、たくさんの言葉に出会えますように。
筑摩書房
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