月: 2013年3月
《気になる》森林飽和—国土の変貌を考える
日本では森林が飽和している? 考えたこともありませんでした。
花粉症の人がここまで増えたのは、杉の木ばかりを植えすぎたせいだ、という意見があります。しかし猿や熊の人里への出没と森林飽和に関連があるとは。森林が少なくなったせいだとばかり思っていました。
森林飽和が原因で、海辺の道路が脅かされる「砂浜消失」が起きている、ともあります。しかし一方で森を豊かにすることで、その森を源流とする川の注ぐ海を豊かにする、という考え方もあります。並列に考えることはできないとは思いますが、わたしには両者は正反対の考えのようにも感じます。
森林に対して自分が抱いていたものと正反対の考えが書かれているこの本、気になります。
NHK出版
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《気になる》銀座並木通り 池波正太郎初期戯曲集
池波正太郎はエッセイは読んでいますが、小説は読んだことがありません。また戯曲を多く書いていることは知っていましたが、これも読んだことも、上演を見たこともありません。どんな戯曲を書いていたのでしょう。
やはり池波正太郎だと時代劇なんだろうか、と思ってしまうのですが、この戯曲集に収録されているのは現代劇ですね。意外でした。
戯曲を読む楽しみももちろんあるのですが、もし機会があれば、上演されたものを見たいです。芝居の魅力は、他の表現からは一種独立したものだと思うから。
《気になる》なぜねこは幸せに見えるの?─子どものための哲学のおはなし
猫は確かに幸せそうです。実家にいた猫を思い出してもそう思うし、友人が飼っている猫でもそう。
「猫みたいに生きられたら」なんて思ったこともあります。
わたしは猫派ですが、こちらのことを気にしつつ、でも「あんたはあんた、自分は自分」という姿勢を取るところが好きなのかもしれません。
本当に猫のように生きるのは難しいと思うけど、猫の処世術を身につけられたら色々なことが少し楽になるかもしれません。
この本は子供向けの哲学の本ですが、猫と一緒に哲学を考えられるのが楽しそうです。
講談社
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余談
わたしが知っている、猫に関する言葉です。どちらもかなり昔に本で読んだものなので、出典は失念しました
- 猫はブスほどかわいい
- 「犬は人につき猫は家につく」と言うけれど、実際には猫は待遇につくんだ
《気になる》すき焼き SUKIYAKI
すき焼きはずいぶん長いこと食べていません。自宅で鍋物をすることはそれなりにありますが、すき焼きはやりません。だいたいすき焼き鍋がない。
すき焼きに使う牛肉。そこに来るまでには非常に長い時間がかかっています。牛が生まれ育ち、食肉処理されて、そして食卓にやってくる。
食用の牛がどうやって誕生し、どうやって肉になるかは「いのちの食べかた」で見ていますが、これとはまた違った視点で肉の来し方を見つめられそうなのが興味深いです。
すき焼きは長いこと食べていませんが、嫌いなのではありません。あれば喜んで食べます。誰かご馳走してくれないかなw
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訳わからんけど面白かった〜青い脂
第3回Twitter文学賞・海外部門第1位になったこの小説。正直言って訳がわからなかったです。でもむやみと面白かった。
Twitterの投票で選ばれたこの本が面白い!!ー第3回Twitter文学賞まとめ – NAVER まとめ
お下劣お下品満載でグロも結構あるので、読む人を選ぶと思います。グロさで何度か「うへぇっ」ってなってしまいましたが、それでも面白くて読み進めていけました。
「青い脂」というのは、未来のロシアにある研究所で文学クローンに小説を書かせて生産される謎の物質…なんですが、結局これがなんなのか、最後までわかりませんでした。
文学クローンはトルストイ4号・チェーホフ3号・ナボコフ7号・パステルナーク1号・ドストエフスキー2号・アフマートワ2号・プラトーノフ3号。そしてその文学クローンが書いた作品も掲載されているのですが、これも訳がわからない。それぞれの作家の作品のパロディなので、ロシア文学に詳しかったらもっと楽しめたかもしれません。
そして後半はスターリンにフルシチョフなどなどが登場し、グロくてドロドロの世界が広がります。こちらの方が話としてはまだわかりやすかった。
一番印象的ですごいと思ったのは、短い挿話「水中人文字」です。これは松明を持って川に入り、その松明で人文字を作る兵士の話です。人文字は人々を扇動する文句を何キロ何時間にもわたって表現します。その泳者の一人、ロシア語文の重要パートを任される非常に有能な兵士の話なのですが、これが妙に心に刺さりました。
この話自体もあっと驚く方法というか状況で書かれています。
最初から最後まで訳がわからなかったけど、まあ別にいいか面白かったし、という気分です。
《気になる》ヘタウマ文化論
わたしが「ヘタウマ」という言葉初めて聞いたのは、20数年前です。その頃ヘタウマと呼ばれるイラストレーターが多く登場した記憶があります。
なのでヘタウマ自体は新しい概念だと思っていたのですが、実は江戸庶民文化にも遡れるとは驚きです。文化の中にどんな風にヘタウマが生きてきたのか、興味深いです。
わたしが「ヘタウマ」でまず思い出すのが沢野ひとしさんです。
ヘタウマ絵を見て「これくらいなら自分でも描ける」と思ったとしても、実際には描けないものです。わたしは絵がまったくと言っていいほど描けないので、そういう絵を描く人を尊敬してしまいます。
もちろん「文句なくうまい人」も尊敬しています。しかし文句なくうまい人のようにはどうやったって描けないけど、描けそうに見えてやっぱり描けない絵を描けることは、やはりすごいと思うのです。
《気になる》たたかわない生き方
ファッションの世界には疎いですが、評論家として長く第一線で活躍している大内さんのことは知っています。
最近「勝つための」とか「生き残るための」という言葉が本などにあふれている中、「たたかわない」という言葉が光って見えました。
生きていくためには戦わなくてはならないこともあるでしょう。しかし戦ってばかりの人生は疲れるし、なんだか寂しい。
戦うには強さが必要だけど、戦わないためにも強くなくては。言葉では同じ「強い」でも、あり方はかなり違うでしょう。
あえて戦わない選択をして、しなやかに生きていくためのヒントに出会えそうです。
《気になる》気になる科学 (調べて、悩んで、考える)
著者は確か毎日新聞「理系白書」のキャップをしていた方です。現在は科学環境部のデスクになっているのですね。
理系白書は新聞連載時にwebで読んだ記憶があります。多分全部は読んでいません。
Amazonのこの本の紹介文に
これを読んだら、もう理科は苦手、理系嫌い、なんて言えなくなります。
とありました。ここがとても気になります。
最初科学の最新トピックをざざざっと知るにはよさそうだなと思ったのですが、理科嫌いと言えなくするための強力な何かがあるのでしょうか。
毎日新聞社
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余談
2004年に日本科学未来館で開催された「理系白書シンポジウム」を見に行きました。
このとき著者もパネラーとして登壇していました。
著者は高校で文転したそうですが、理系科目がなぜ嫌いになったかについて「(理系科目そのものではなく) 授業が嫌いだった」という趣旨の発言をなさっていました。
確かに文系理系問わず、科目そのものではなく授業または先生が嫌いで、結果としてその科目が嫌いになった人って多いかもしれません。
《気になる》名作うしろ読み
名作のラストを集めた文学案内です。「いきなり最終回」の文学版と言えるでしょうか。
書き出しが有名な小説でぱっと思い浮かんだのは、ポール=ニザン「アデン、アラビア」。確かにラストよりは書き出しの方が印象に残りやすいし話題になりやすいと思います。
ラストはやはりネタバレと隣り合わせになるから、話題になりにくいのでしょうか。
小説の書かれ方はいくつもあるでしょう。まず書き出しの1文が思い浮かんで進められるもの、ラストシーンが先にあって、そこに向かって書き進められるもの。
この書き方が正しいとか優れているというのはありませんが、もしラストシーンが先にあったのなら、なぜそのシーンなのか、そこに向かうために作者はどうあがいたのか、それを追いかけるのも楽しい読み方のひとつだと思います。
JICC出版局
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河出書房新社
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「豆乳飲料健康ラムネ」を飲んでみた
先日スーパーで衝動買いをしてしまいました。買ったのは紀文の「豆乳飲料 健康ラムネ」。
わたしは普段豆乳を飲みません。このときはブリックパックの野菜ジュースを買おうとしていたのですが、視界の端にこれが引っかかり、つい買ってしまいました。
なぜ豆乳でラムネなのか。全然わかりません。
実際に飲んでみると、確かにラムネの味がします。飲んだ感じは乳酸菌飲料に近い。おいしいと思いました。でもラムネとも乳酸院飲料とも豆乳とも違う、なんとも形容しがたい味です。
これをきっかけに豆乳を飲むようには…きっとならない。
以前同じく紀文のバニラアイス味の豆乳を飲んだことがありますが、これもバニラアイスの味がするのに舌触りがバニラアイスじゃない、おいしいけど妙な飲み物でした。
紀文のサイトを見ると、豆乳だけでもいろんな味があるんですね。大部分は味の想像がつきません。