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《気になる》サッカロマイセスセレビシエ
「サッカロマイセスセレビシエ」とはまるで呪文ですが、出芽酵母のことらしいです。そしてパン職人がパンを焼くときにおまじないとして唱えることもあるようです。
おいしいパンに出会うと嬉しくなります。こだわる人は素材などを気にするのかもしれませんが、わたしは単純に「おいしい」って思えればいいのです。
「お気に入りのパン屋は?」と聞かれたら、三河の2件、名古屋の1件の名前を挙げます。
この本は名店から町のパン屋まで、東京のパン屋200件をひたすら取材して歩いた記録です。
上京する機会もなかなかありませんが、行けたらパン屋にも立ち寄りたいと思っています。そのガイドブックとして役立ちそうだし、なによりパン職人が日々どういう思いでパンを焼いているのかのドキュメンタリーとして面白そうです。
同じ著者による「パンラボ」も気になります。
《気になる》ファッションフード、あります。: はやりの食べ物クロニクル1970-2010
この本のタイトルを見てぱっと思い浮かんだのがティラミス。おそらく自分が初めて認識した「はやりの食べ物」がこれだったのだと思います。食事ならイタリア料理。今は完全な定番ですが、もともとは流行の料理というイメージがあります。
実際には、はやっていることを知らずに食べていたものも多いと思います。はやりから、最終的に定番化したものも。
どこかで「日本人がバランスのとれた食事ができるようになったのは1960年代に入ってからだ」と聞いたことがあります。この本は1970年からの「はやりの食べ物」を取り上げていますが、2つの年代にはなんらかの関連があるのでしょうか。
かつてどんな食べ物がはやっていたのか、と同時に、食環境の変化がどれくらい関わっているのか。その辺りが気になります。
紀伊國屋書店
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豚ってなんなんだろう〜愛と憎しみの豚
豚は非常にありふれた食材です。ありふれているが故に、普段特別意識されることもない存在だと思います。また豚を忌み嫌う人々もたくさんいます。
タイトルにもある通り、愛されると同時に憎まれる豚の存在を追いかけたこの本。
自分は豚についてほとんど何も知らなかったことがわかりました。
豚肉を食べないというとまずイスラム教教徒を思い浮かべますが、ユダヤ教徒も食べないことは知りませんでした。
しかしイスラム社会でもかつて豚を食べていたらしいのです。それが「なぜ豚肉を食べてはいけないのか」になったのか、わかっている人は少ないようです。それはユダヤ教でも同じらしい。
直接豚に関わらない部分でも、この本で知ったことがいくつかあります。
例えば「ジャスミン革命」は、欧米人の勝手なネーミングに過ぎないこと。チュニジアではこのネーミングを「馬鹿にしている」と思う人々がいること。
1991年のソ連崩壊前後に、ロシア地域から100万人の移民がイスラエルにやってきたのですが、その中にはユダヤ人に加えてソ連からただ逃げ出したかっただけの「なんちゃってユダヤ人」もいたこと。
ユダヤ人とユダヤ教の関わり。血筋的にはユダヤ人でも非宗教的な人も多いこと。「(自分の) ユダヤ人としての立ち位置は、日本人が持つ宗教との距離に少し似ている」と語るユダヤ人が登場します。
チャウシェスクがいた時代のルーマニアと現在のルーマニアで、何が違っているか。共産主義が崩壊したとき、ルーマニアには対外債務がなかったのだそうです。これは国際社会では珍しいケースとのこと。しかし現在は借金まみれになってしまった。
この本の中で特に印象的だった言葉を紹介します。
世界各国の兵士たちが、同じ釜の飯を食べる時代がやってきたのだ。
(p324「終章 素足の豚—シベリア『チタ』」)
そしてもうひとつ、
「どんな手がかり、小さなことでも構いません。養豚、農業、何でも構いません。私は豚を追っています。豚にまつわる何かを、見つけ出さなくてはいけません。それなのに、では豚の何が知りたいのかと訊かれても、きちんと説明できない。でも、追っている。なぜ豚を追っているのか、本当のところでは私自身にも分かっていません。でも、追わなければいけない」
(p304「終章 素足の豚—シベリア『チタ』」)
著者はなぜ豚を取材しているのかについて、こんな風に語っています。
三重県出身の著者にとって「肉=牛肉」でした。牛肉文化の中で生きてきた著者が20代の頃に豚肉を愛する人たちに出会い、豚に対する認識が変わったことが、この本に至る旅のきっかけといえます。
この本の一番の読みどころは、小さなきっかけから自分が知りたいと思ったことを追いかけ、何ヶ月もかけて世界を走り回り、シベリアの果てまでたどり着いた著者のフットワークかもしれません。
「豚とは何か」という結論はこの本には書かれていません。ただ、豚と人間との関わりの深さ、豚を中心とした食と社会・歴史の関わりの深さがわかります。
食は人間にはなくてはならないものだからこそ、歴史・政治・宗教との関わりが深くなる。その深さが顕著に表れるのが豚なのかも。
愛されるのも憎まれるのも、人間との関わりの長さ深さ故なんでしょうね。
この本で取り上げられている国・地域はチュニジア、イスラエル、日本、リトアニア、バルト三国、ルーマニア、モルドバ、ウクライナ、シベリア。日本以外のアジアやアフリカ、南北アメリカのエピソードも、読んでみたかった。
余談
わたしにとっても「肉=牛肉」です。実家ではカレー・肉じゃが・野菜炒め、全部牛肉でした。牛肉でなければ鶏肉。豚肉はたまに使われるくらいでした。豚肉を日常的に食べるようになったのは、大学進学を機に上京してからです。
実家で食べていた数少ない豚肉料理をご紹介します。
材料
- 豚肉薄切り・プロセスチーズ
- 小麦粉・卵・パン粉
作り方
- プロセスチーズを拍子木切りにする
- 切ったチーズを豚肉で巻く。巻いたら楊枝で肉を止める
- 小麦粉・卵・パン粉をつけて揚げる
非常に簡単だけどおいしい。これは豚肉で作らなきゃだめです。
《気になる》アンソロジー カレーライス!!
カレーはいいですね。外食でも「はずれ」がかなり少ない食べ物だし、自宅でも「献立に困ったらカレー」で結構何とかなる。
作るのも凝り出したら際限がないですが、適当でもそれなりに食べられる味になる。なんて素晴らしい食べ物。
この本はカレーに関する話だけを集めたアンソロジーです。空腹時には絶対読んでいけない本ですね。
「国民食」というと最近はラーメンになりそうですが、でもやっぱりみんなカレーも好きなんですね。元祖国民食なだけはある。
余談
おいしいカレーで思い出したのが、昔勤めていた会社の社員食堂のカレーです。
社員食堂のカレーとしては高かったのですが、ごろっとした牛肉がたくさん入っていて濃いめの味でおいしかったのです。
パルコ
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《気になる》調理もできちゃうランチボックス! スープジャーレシピ
これから買おうと思っているもののひとつにスープジャーがあります。
これがあったらおでんや自分が作ったスープをお弁当に持って行けるし、職場で温める手間も減る。近々買おうと思っていたところで、この本を発見しました。
スープジャーで調理するという発想はなかった。でも考えてみたら、これは超小型シャトルシェフでもあるんですね。
あらかじめ作った温かい料理を持って行くために使うだけでなく、朝材料を入れて昼になったらスープなどができている、っていうのも楽しそう。
シャトルシェフは10年以上使っています。これは本当に便利。時間がかかる煮込み料理も、ずっと火にかけてなくてもできるのはありがたい。牛すじも手間なくとろとろにできます。
辰巳出版 (2013-02-20)
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《気になる》すき焼き SUKIYAKI
すき焼きはずいぶん長いこと食べていません。自宅で鍋物をすることはそれなりにありますが、すき焼きはやりません。だいたいすき焼き鍋がない。
すき焼きに使う牛肉。そこに来るまでには非常に長い時間がかかっています。牛が生まれ育ち、食肉処理されて、そして食卓にやってくる。
食用の牛がどうやって誕生し、どうやって肉になるかは「いのちの食べかた」で見ていますが、これとはまた違った視点で肉の来し方を見つめられそうなのが興味深いです。
すき焼きは長いこと食べていませんが、嫌いなのではありません。あれば喜んで食べます。誰かご馳走してくれないかなw
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「豆乳飲料健康ラムネ」を飲んでみた
先日スーパーで衝動買いをしてしまいました。買ったのは紀文の「豆乳飲料 健康ラムネ」。
わたしは普段豆乳を飲みません。このときはブリックパックの野菜ジュースを買おうとしていたのですが、視界の端にこれが引っかかり、つい買ってしまいました。
なぜ豆乳でラムネなのか。全然わかりません。
実際に飲んでみると、確かにラムネの味がします。飲んだ感じは乳酸菌飲料に近い。おいしいと思いました。でもラムネとも乳酸院飲料とも豆乳とも違う、なんとも形容しがたい味です。
これをきっかけに豆乳を飲むようには…きっとならない。
以前同じく紀文のバニラアイス味の豆乳を飲んだことがありますが、これもバニラアイスの味がするのに舌触りがバニラアイスじゃない、おいしいけど妙な飲み物でした。
紀文のサイトを見ると、豆乳だけでもいろんな味があるんですね。大部分は味の想像がつきません。
《気になる》愛と憎しみの豚
子供の頃、同じ保育園にいた女の子の家で子豚が生まれたので、みんなで見に行ったことがあります。実家は農村地帯で、農業の傍ら牛や豚を飼っている家も珍しくありませんでした。
豚は食料として欠かせない、人間にもっとも近い動物の一種でありながら、豚にちなむ言葉は否定的なものが多い。身近であり非常に「役立つ」動物なのに、どうしてなのでしょう。確かに不思議です。
豚に限った話ではありませんが、身近な食べものでそのルーツがわからないものは意外と多いのかもしれません。
余談ですが、単に「肉」と聞いたときに何肉を思い浮かべるかは結構地域差があるらしいですね。わたしは肉と聞いたら牛肉を思い浮かべます。豚肉も鶏肉も好きですが。
《気になる》手づくりしたいほかほか中華まん
この本を見つけて、最近中華まんをほとんど食べていないことに気づきました。つまりそれだけコンビニに行く回数が減っているんですね。普段はお弁当を作って仕事に行きますが、たまにそれを休んでお昼をコンビニで買うとなると、この時期はまず最初に中華まんに目が行きます。あつあつの中華まんと食べるとほっとします。
「過去に蒸しパンは作ったことがある」というレベルで手作りするのは結構難しそうです。皮や具を作るのもそうだけど、「包む」「(おいしく)蒸す」が難関。でも手作り・できたての中華まんはとてもおいしそうです。手作りなら具も好きなものを入れられるし。
ちなみにわたしが一番食べているのはあんまんです。「温かくて甘いおやつ」が食べたくなったら買います。
今年もいい本に出会えた〜2012年の5冊
2012年も、いい本に出会いました。今年読んだ本から、特によかった5冊を紹介します。
半分のぼった黄色い太陽
2段組で厚さ3cm超あり、読むのに1ヶ月かかるかと思ったけれど、引き込まれて1週間で読了。「読まされてしまう力」のある小説だと思いました。ビアフラ戦争の悲惨さと壮大なラブストーリーを両立させた、すごい小説です。
河出書房新社
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オスカー・ワオの短く凄まじい人生
TRPGやSF、カリブ海の呪い、英語とスペイン語がない交ぜになった、むちゃくちゃ面白い小説でした。家族、友人、色々な人生と歴史が折り重なる、大きなうねりに身を任せる楽しさ。表紙も内容にぴったり。
新潮社
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アライバル
ショーン=タンが日本で広く知られるようになったきっかけの1冊。わたしは洋書で読みました。息をのむほどの絵の美しさ、新天地に到着した人々への視線の優しさ。つらい気持ちをふわりと解いてくれるような絵本です。
屍者の帝国
伊藤計劃の「新作長編」が読めたことと、わずかなプロローグからこれだけの物語を紡ぎ出した円城塔に拍手を送りたい。世界を股にかけた大冒険小説。とても楽しく読めました。
そして可能なら、ぜひ続きを書いてもらいたい。物語の最後で目を開いたフライデーのその後が読みたい。
ナチスのキッチン
第1次大戦後からナチス時代の、ドイツの台所・食事の変遷を追った研究書で、非常に興味深いものでした。台所という場の変遷、食べることの意味の変遷。台所というありふれた場所の持つ意味が、この本を読むことで変わります。「ナチスのキッチン」は、現代日本と無縁な場所ではありません。食に関心がある人はぜひどうぞ。
去年くらいから古典・外国文学・SFを中心に読んでいこうと思い、これらを中心に探してきました。その中でも外国文学の面白さに触れることができた1年だったと思います。
今年はあまり古典を読まなかったので、来年は読むようにしたいです。