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《気になる》江戸の風評被害

風評被害はマスメディアが発達した現代ならではの現象だと思っていましたが、江戸時代にもあったようですね。
風評被害がなぜ起きるのか、を単純に決めつけることはできないと思いますが、不確かな情報によって、自分が損をしたり害を被るかもしれない、と思う人が多数現れることによって起きると言えるかもしれません。
その不確かな情報は意図して流されれば風説の流布とか業務妨害になるでしょう。

現代よりずっと人口が少なかったとはいえ、情報伝達が格段に遅かった時代には、どんな風評被害があったのでしょう。そしてそれはどんな風に伝わり、どんな風に世の中が反応したのか、気になります。

 

江戸の風評被害 (筑摩選書)
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《気になる》江戸時代の科学

江戸時代の科学というと、和算くらいしか思い浮かびません。あとは科学というより医学ですが、華岡青洲や杉田玄白あたりでしょうか。
和算の発達は目を見張るものがありましたが、実際にはそれ以外にも様々な科学の発展があったのでしょう。近代化されていない生活でも、科学が生活を下支えするものであることには変わりないから。
いわゆる「おばあちゃんの知恵」とか「○○な時には**を食べろ」といった言い伝えにも、調べると科学的にちゃんと説明がつくものが多いといいます。
「江戸時代の科学=和算」という狭い見識を破る世界に出会えそうです。

 

江戸時代の科学
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東京科学博物館
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《気になる》でぶ大全

これはタイトルにやられました。なんとまあストレートな。
肥満の人間が現れたのは農耕が始まって以降だ、と何かで聞いたことがあります。農耕のおかげで食べものがいつでも手に入るようになっても、好きなときに好きなだけ食べられる人は多くはなかったでしょう。だからこそ太っていることが豊かさの象徴とかあこがれの対象になったんではないかと思います。

太ることが憎まれるようになったのは、多くの人がいつでも必要以上に食べることができるようになったからだろうか、と勝手に思ったりします。根拠は何もありません。

 

でぶ大全
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《気になる》そのとき、本が生まれた

今自分が読んでいる本。それはいつどこでできたのでしょう。答えは「本とは何か」の解釈によって違ってくるかもしれません。
現在の本が成り立つためには、活版印刷の発明は不可欠だったでしょう。でもそれだけなのでしょうか。
本は「形」と「中身」の両方があって初めて成り立つものです。聖書から始まって、現在のありとあらゆる種類の書物ができるまでどんなことがあったのか。
この本のタイトルは、かなりぐっときます。本が生まれた場所で、一体何があったのか。その世界にどっぷりつかってみたいです。

 

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《気になる》犬の伊勢参り

伊勢神宮は一度しか行ったことがありません。でもとてもいいところだと思います。
この辺からだと、国道23号を突っ走っていけば着きます。終点が伊勢神宮です。
式年遷宮の効果か、ここ数年は参拝する人が増えているようですね。

この本のタイトルを見て「なんじゃそりゃ」と思ってしまいました。
お伊勢参りのブームは過去何度も起きていますが、犬まで伊勢参りをしていたんですか。
本当に犬が伊勢参りをしたのか? 一体どうやって? なぜその犬が伊勢参りをしたとわかったのでしょう?
謎は尽きません。

 

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《気になる》吉祥寺が『いま一番住みたい街』になった理由

東京に住んでいたとき、吉祥寺には何度も行きました。しかし町のことはほとんど知りません。というのは、吉祥寺はライブハウスに行くために訪れる町だったので、駅とその周辺のごく限られた範囲、そしてライブハウスまでの道しか知らないのです。

かつての同僚に吉祥寺住人がいましたが、彼女はこの町を「武蔵野マダムとフリーターが同居する町」と評していました。
吉祥寺が「いま一番住みたい街」になるからには、それだけ魅力がある場所だと思います。商業施設が発達し、大きな公園もあり、高級住宅街でもある。
かつては農村だった場所に、これだけの町がどうやって形作られてきたのでしょう。通った割になじみが薄い町ですが、気になります。

 

余談
名古屋で住みたい町の第一位は藤が丘のようです。ここは地下鉄東山線からリニモに乗り換えるために通過したことがあるきりで、どんな町かはまったくわかりません。
栄も名駅も乗り換えなしで行けるし、東名高速名古屋インターも近いから便利な場所だとは思いますが。

 

吉祥寺が『いま一番住みたい街』になった理由
斉藤 徹
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《気になる》鉄条網の歴史 ~自然・人間・戦争を変貌させた負の大発明

確か中学の社会科教科書に、どこかの国境の写真がありました。二重の鉄条網で仕切られている国境です。
わたしが持つ鉄条網のイメージは、この写真に由来している気がします。
そこまで頑丈な鉄条網はさすがに見たことはありませんが、有刺鉄線やそれに類するものを使った仕切りは、自分の周囲にも多く存在します。
鉄条網は構造自体は非常に簡単です。そして他者の侵入を防ぐ効果も高い。だからこそ広く使われるようになったのだろうし、社会そのものや戦争にまで変化をもたらしたのですね。鉄条網がいったいどんな歴史をたどってきたのか、気になります。

人間の社会は「仕切られる」ことによって成り立っていることが多いんだな、と改めて思いました。その究極が国境かもしれませんね。

 

鉄条網の歴史 ~自然・人間・戦争を変貌させた負の大発明
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《気になる》100のモノが語る世界の歴史

自分の身の回りには様々なモノがあります。その一つ一つに作られた理由があります。過去に作られたモノでも、これから作られるであろうモノでも、作られた (る) 理由があることには変わりありません。
「なぜそれが作られたのか」を見ていくと、確かにそれだけで「人に求められたことの歴史」をたどることになりますね。1つのモノが人に求められることによって歴史全体の流れが変わったこともあるでしょう。
一般的な歴史書とは違った視点から眺めるこの本は、歴史にあまり詳しくないわたしでも楽しめて勉強になりそうです。

 

100のモノが語る世界の歴史1: 文明の誕生 (筑摩選書)
ニール マクレガー
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100のモノが語る世界の歴史2: 帝国の興亡 (筑摩選書)
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100のモノが語る世界の歴史3: 近代への道 (筑摩選書)
ニール マクレガー
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今年もいい本に出会えた〜2012年の5冊

2012年も、いい本に出会いました。今年読んだ本から、特によかった5冊を紹介します。

半分のぼった黄色い太陽
2段組で厚さ3cm超あり、読むのに1ヶ月かかるかと思ったけれど、引き込まれて1週間で読了。「読まされてしまう力」のある小説だと思いました。ビアフラ戦争の悲惨さと壮大なラブストーリーを両立させた、すごい小説です。

半分のぼった黄色い太陽
チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ
河出書房新社
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オスカー・ワオの短く凄まじい人生
TRPGやSF、カリブ海の呪い、英語とスペイン語がない交ぜになった、むちゃくちゃ面白い小説でした。家族、友人、色々な人生と歴史が折り重なる、大きなうねりに身を任せる楽しさ。表紙も内容にぴったり。

オスカー・ワオの短く凄まじい人生 (新潮クレスト・ブックス)
ジュノ ディアス
新潮社
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アライバル
ショーン=タンが日本で広く知られるようになったきっかけの1冊。わたしは洋書で読みました。息をのむほどの絵の美しさ、新天地に到着した人々への視線の優しさ。つらい気持ちをふわりと解いてくれるような絵本です。

アライバル
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ショーン・タン
河出書房新社
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屍者の帝国
伊藤計劃の「新作長編」が読めたことと、わずかなプロローグからこれだけの物語を紡ぎ出した円城塔に拍手を送りたい。世界を股にかけた大冒険小説。とても楽しく読めました。
そして可能なら、ぜひ続きを書いてもらいたい。物語の最後で目を開いたフライデーのその後が読みたい。

屍者の帝国
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伊藤 計劃 円城 塔
河出書房新社
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ナチスのキッチン
第1次大戦後からナチス時代の、ドイツの台所・食事の変遷を追った研究書で、非常に興味深いものでした。台所という場の変遷、食べることの意味の変遷。台所というありふれた場所の持つ意味が、この本を読むことで変わります。「ナチスのキッチン」は、現代日本と無縁な場所ではありません。食に関心がある人はぜひどうぞ。

ナチスのキッチン
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藤原 辰史
水声社
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去年くらいから古典・外国文学・SFを中心に読んでいこうと思い、これらを中心に探してきました。その中でも外国文学の面白さに触れることができた1年だったと思います。
今年はあまり古典を読まなかったので、来年は読むようにしたいです。

 

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《気になる》古事記 いのちと勇気の湧く神話

最近古事記の解説本をよく見かけます。やはり編纂1300年を迎えたからでしょうか。
古事記に出てくる物語は、絵本か何かで読んだり、教科書に出てきたり、あるいは家族から聞いたりしていくつか知っていますが、それらはみんな断片的なものだったりします。
もしかすると、古事記由来と知らない物語もあるかもしれません。

古典に関しては解説書や入門書ではなく、できるだけ原典に当たりたいと思います。あらかじめ誰かが解説・解釈したものよりも、原典の方が楽しみも得られるものも「濃い」と思うから。
そうではあるのですが、この本は古事記をネタにしたエッセイとして、軽く楽しむのによさそうです。

古事記だけでなく旧約聖書も読んでみたいと思います。どちらも歴史や宗教などと離れたところで、壮大な物語として興味があります。

 

古事記 いのちと勇気の湧く神話 (中公新書ラクレ)
大塚 ひかり
中央公論新社
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