月: 2014年1月

[share] よいこと わるいこと (はじめての哲学)

「よいこと」「わるいこと」とは何か。非常に難しい問いです。どちらも確かに存在するけれど、基準が明確なわけではない。いつの間にか良し悪しが逆転することも、珍しいことではありません。
だからこそ、何がよくて何が悪いかは、自分で考えて決めていかなくてはならないのでしょう。大変な行いではありますが、それを考える過程こそが哲学の初歩と言えるのかも。

この本は哲学をビジュアルに難しくなく伝えているのが興味深い。子供向けかもしれませんが、大人でもゆっくり向き合ってみたい本です。

 

よいこと わるいこと (はじめての哲学)
オスカー・ブルニフィエ
世界文化社
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[share] カラー版 日本の路面電車

路面電車は、都電と江ノ電しか乗ったことがありません。もしかしたら仙台市電も乗ったことがあるかもしれませんが、記憶にありません。
都電はぼんやりしたいときに乗って、ひたすら車窓から外を眺めていました。電車でもない、バスでもない、独特の佇まいが気持ちよかったのです。

現在動いている路面電車が20路線もあるとは知りませんでした。しかも新旧車両が混在しているところが多いとか。
この本で「全国の眺めて楽しく乗って楽しい路面電車」を堪能したいです。

 

カラー版 日本の路面電車 (宝島社新書)
遠森 慶
宝島社
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[share] 壁の本

タイトル通り、ひたすら壁を撮り続けた写真集です。
建物の外壁は、時間を経て姿を変えていきます。最初はまっさらで美しくても、いずれひびが入り、汚れが取れなくなり、あるいは落書きされたり。そうやって一つ一つ違った姿になっていきます。
古い壁は、それが過ごしてきた時間の経過が形になっている、と言えるかもしれません。

壁を鑑賞の対象にするとは考えたことがありませんでしたが、確かに壁はすべて違った姿をしていて、それを観察する楽しさってあるかもしれません。
わたしの普段の生活では、なかなか味のある壁には遭遇しないので、この本でまずは楽しんでみたいです。

 

壁の本
壁の本

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杉浦 貴美子
洋泉社
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[share] かないくん

「詩人、谷川俊太郎が、一夜で綴り、漫画家、松本大洋が、二年かけて描いた絵本。」です。
一夜と二年。インスピレーションで生まれる言葉と一筆ずつ描かれる絵。

ストーリーもそうですが、絵をじっくり楽しみたいです。松本大洋の原画の再現のために、日本初と言われる特殊な印刷が用いられているそうです。
平面的な印刷では原画の再現はかなり難しいことですが、一体どんな風になっているのか。もし可能なら、原画とこの本を見比べてみたい。

松本大洋のまんがで死をテーマにしたものだと「何も始まらなかった一日の終わりに{ハルオの巻}」がいいです。

 

かないくん
かないくん

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谷川俊太郎
東京糸井重里事務所
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日本の兄弟 新装版
日本の兄弟 新装版

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松本 大洋
マガジンハウス
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[share] 生者と死者—酩探偵ヨギガンジーの透視術

非常に変わった構造の本です。
袋とじの状態で売られています。その状態で読むと短編小説、袋とじをすべて開くと、今度は長編小説になります。短編小説が長編小説に取り込まれて、それでちゃんとひとつのストーリーとして成り立ちます。
まず思ったのが「なんでそんなものが書けるの」。ただ短編・長編小説を書くのではなく、短編が長編に溶け込んで、なおかつ破綻せずに存在するなんて。
これはもう、読んで驚くしかないのでしょう。一度やってしまうと、短編を読み返すのは難しそうですが。

 

生者と死者—酩探偵ヨギガンジーの透視術 (新潮文庫)
泡坂 妻夫
新潮社
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[share] クロワッサン特別編集 なんだかんだの病気自慢

雑誌クロワッサンに「なんだかんだの病気自慢」という連載コラムがありました。数年間にわたり、毎回様々な人が自身が抱える病気について書いたものです。
クロワッサンを定期購読しているわけではないので、わたしは連載のごく一部しか読んでいません。でもこの雑誌を手に取ったときに、最初に読むのがこれでした。

病気自慢は一歩間違えると、ただうっとうしいだけで終わってしまいます。しかしこの連載は書き手たちの力もあって、どことなくユーモラスだったり、しみじみした話が多いのです。

生きていれば、病気と無縁ではいられません。時には理不尽に近い、重い病気になることもあるでしょう。それでもなんとか折り合いをつけて行くしかありません。
病にどう向き合っていくか、雑誌連載をまとめたこの本をきっかけに考えられたらいいなと思います。

 

クロワッサン特別編集 なんだかんだの病気自慢
マガジンハウス
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[share] 一〇〇年目の書体づくり—「秀英体 平成の大改刻」の記録

かなり昔の話ですが、印刷の専門家にこんな話を聞いたことがあります。
ある時、某所から「日本で一番使われているフォントは何か」と問い合わせがきたそうです。返答にに困ったらしいですが、結局「読売新聞のフォント」と答えたようです。

確かに「日本で一番使われている」だと漠然としすぎていますね。用途や分野でも変わってくるでしょうし。
この話を聞いたのはネットが普及するずっと前のことです。もし今印刷媒体だけでなく、ネット媒体まで含めて同じ問いを考えるとと、どういう答えになるんでしょうね。

この本に取り上げられている秀英体は、かなり使われているフォントだと思います。作られて100年も経っていたんですね。

 

秀英明朝 | フォント製品 | 株式会社モリサワ

 

秀英角ゴシック金 | フォント製品 | 株式会社モリサワ

 

秀英角ゴシック銀 | フォント製品 | 株式会社モリサワ

 

秀英丸ゴシック | フォント製品 | 株式会社モリサワ

 

秀英体は、2005年からなんと7年の歳月をかけて改刻されました。この本には書体開発に関わる話が、企画・作り手・使い手それぞれのインタビューでまとめられています。
普段の生活に欠かせないフォントがどう作られているのか、興味があります。

 

一〇〇年目の書体づくり—「秀英体 平成の大改刻」の記録
大日本印刷株式会社
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[share] 人間と動物の病気を一緒にみる : 医療を変える汎動物学の発想

昨年10月に、飼っていたうさぎの月光が死にました。11歳2ヶ月でした。最後の数ヶ月はほぼ寝たきりでしたが、よく生きたと思います。
わたしはうさぎを2匹飼っていました。月光と、3年前に死んだ はな です。
彼らのために、何度も動物病院に通いました。その間に思ったことは「人間も動物も、治療方法自体はあまり変わらないのかも」。
うさぎに処方された薬に、明らかに人間用のものがいくつかありました。骨折すれば固定してくっつけ、脱水症状があれば点滴する。
もちろん人間固有、その他動物ならではの病気はありますが、人間も動物である以上、基本は同じなのかもしれません。

「汎動物学」という言葉は初めて聞きました。しかし動物病院で感じたことから「確かにその考え方は有効かも」と思いました。
動物用の薬が人間に使えるとは思いませんが、動物の病気治療の成果から、人間の治療のためのヒントが得られる可能性は大いにあると思います。
人間と動物の病気治療最前線で何が起きているのか、気になります。

 

人間と動物の病気を一緒にみる : 医療を変える汎動物学の発想
バーバラ・N・ホロウィッツ キャスリン・バウアーズ
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[share] 冬の本

昨日は大寒。12月も冷えた日が多かったけど、やはりこの時期はぐっと寒くなりますね。
日本海側から太平洋側に引っ越してきて20年以上たちますが、太平洋側の冬は明るくていいですね。風が強くてかなり乾燥するけど。

さて、冬には冬の楽しみがあります。読書もその一つ。年末年始に家にこもって読書に明け暮れる、というのはこの季節ならではです。そして冬に似合う本、冬になると読みたくなる本もあるでしょう。

この本は、冬と1冊の本にまつわる話を集めています。書き手は84人。それぞれの冬の読書のエピソードは、どれだけ楽しいものでしょうか。冬がちょっと暖かく感じられそうですね。

 

冬の本
冬の本

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天野祐吉 佐伯一麦 柴田元幸 山田太一 武田花 友部正人 町田康 安西水丸 穂村弘 堀込高樹 ホンマタカシ 万城目学 又吉直樹 いがらしみきお 池内 紀 伊藤比呂美 角田光代 片岡義男 北村薫 久住昌之
夏葉社
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[share] 雑誌の人格

不思議なことに、雑誌そのものも面白いのだけど、雑誌レビューも負けず劣らず面白い。
それぞれの雑誌が持つ特色やスタンスは、当然作り手が意識して形にしたものです。雑誌は書籍や辞典とは違った「ごちゃ混ぜの魅力」を持っています。雑誌レビューはそのごちゃ混ぜをツッコミ等で引っかき回すから、さらに面白くなるのかも。

この本は、著者が面白いと思った雑誌をピックアップし、独自の視点で紹介しています。
雑誌ごとに人格が与えられているようです。あの雑誌やこの雑誌は、一体どんな人物として分析されているのか。興味をそそられます。

 

雑誌の人格
雑誌の人格

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能町 みね子
文化出版局
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