「変える必要のないものを変える」ことのすごさ〜爆速経営

※レビュープラスさんから献本いただいた本について書いています。

「ヤフー? ああ、小学校のパソコンで使ったことがある」

スマートフォンでLINEを使う女子高生の言葉です。スマートフォン世代にとってのヤフーがどんな存在か、を象徴する言葉です。
自分にとってのヤフーは、さすがにここまでではありません。それでもいつの間にか疎遠になっていました。

ネット企業として揺るぎない存在であるヤフー。2012年に社長が交代し、その後現在に至るまでにヤフー内で行われた改革の内容を追いかけたのが「爆速経営」です。
ヤフーはサービス開始以来16期連続の増収増益を続けていて、現在も更新中です。さらに売上営業利益率54%を誇ります。文句ない優良企業です。しかし証券業界では「業績は安定しているが、動きのない会社」だとして「ネット界のNHK」などど揶揄されていたそうです。

そんな風に言われていたとはいえ、経営危機に瀕しているわけではない会社で、なぜ社長交代が行われ、組織が変わりだしたのか。
きっかけは2012年にソフトバンクアカデミアです。
ある受講生が「ヤフーは実にMOTTAINAI」と、経営体制に対して問題を提起するプレゼンテーションを行いました。
それを聞いた孫正義が情報収集を始め、経営陣の交代を決断します。
社長は、数人で創業したヤフーをここまでに育て上げた井上雅博氏から、宮坂学氏に交代しました。
カリスマ経営者の次に社長になり、しかも会社の業績自体はとてもよく、必ずしも変わる必要はない中で組織を変えるというのは、どれだけ大変なことか。
この本は社長就任を打診された宮坂氏が何を考え、どのように組織を変えていったかを中心に追っています。
最先端の会社で若き社長が改革を行う。どんなあっと驚く方法が出てくるかと思いきや、手法自体はびっくりするほどオーソドックスなのです。経営書の名著と呼ばれる本で、くり返し書かれてきた方法が実践されていると言っていい。
宮坂氏が自分の資質を冷静に見つめ、奇をてらわずオーソドックスな手法を使っているからこそ、ヤフーはさらに業績を伸ばすことができたのかもしれません。

ヤフーは「ネット界のNHK」と揶揄されていました。
確かにNHKは固い。しかしその一方で「サラリーマンNEO」のような、NHKだからこそ作れるような素晴らしい番組もあるわけです。
ヤフーは今「201x年までに (新体制発足時の) 営業利益を2倍にする」という目標に向かって動いています。
これからヤフーがどう変わっていくのか、注目していきたくなりました。

レビュープラスさん、ありがとうございました。

 

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