《書評》書け、書け、書け、己に出会うために〜「魂の文章術—書くことから始めよう」

この本はタイトルに「文章術」とあるけれど、書かれているのは具体的なテクニックやハウツーではありません。紙 (やコンピュータ) に向かってひたすら文章を書くことで、自分自身に向かい合い、自分を知る方法が書かれています。
よく「自分を知るためのテスト」といったものがありますが、どうもわたしにはぴんと来ないものが多いのです。でも自分を知るために書く、ということはしっくりきました。
おそらく、テストは最終的になんらかのタイプに自分を当てはめることになり、タイプがいくらあろうとも、結局「すでにある形」にはまるからだろうか。それに対して書くことはそれこそ不定形だから、「よくわからないもの」は、そのまま「よくわからないもの」として認識できる (はず) なので、その違いによるのかもしれない。

本の中に「第一の思考」という章があります。

  • 手を動かし続け、書いたものは消さない
  • 文章のレイアウトや句読点の誤りは気にしない
  • コントロールをゆるめ、考えない、論理的にならない
  • 書いている最中にむき出しの何か怖いものが心に浮かんできたら、それに飛びつく

というルールのもとに、時間を区切って心に浮かんだことをひたすら書き付けていく「文章修行」について書かれています。これは「
今からでも間に合う大人のための才能開花術
」にあった「モーニング・ページ」に通じるものですね。これは今度やってみようと思っています。

魂の文章術—書くことから始めよう
ナタリー ゴールドバーグ
春秋社
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余談

この本は友人あめいちゃんに借りました。以前「今からでも間に合う大人のための才能開花術」を借りたあと、「次はこっちを貸してあげるね」と薦められた本です。先約の数人の間を回ってやってきました
読了後、結局自分で購入しました

実は前出の文章修行およびモーニング・ページを見て、連想したものが2つあります。
1つは大島弓子ロングロングケーキ」に出てくる「宇さん」。主人公の頭の中に埋もれている何億という物語をすくい上げ、小説にしていった宇宙人。
もう一つは高橋悠治カフカ・夜の時間—メモ・ランダム」に出てきた一節

…自分用のノートがある。本からの抜き書き、音やリズムの思いつきにそえたメモ、演奏のしかたについての走り書きなど。
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このノートは方法論のためだと、ずっと思っていた。だが、目標や方法を信じなくなったあとでも、やはりノートはつづく。そこで、気がついた。これは、音楽の前の、朝の祈りのようなものだった。

なぜこの2つが出てきたのかは自分でもよくわからない。どちらも「書く」「表現する」ことに関わる内容ではあるけれど、「魂の文章術」と直接結びつく内容でもないのに。

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