カテゴリー: 本の話

[share] あめだま 青蛙モノノケ語り

じわじわ怖くなりそうな掌篇が60作収録されています。長編の怖い話もいいけれど、ごく短い間に背中にじわっと汗が浮いてくるような掌編もいいですね。
タイトルにあるように、吸血鬼だの鬼だの河童だの妖怪だのが盛りだくさん。知らないうちに異界が目の前に現れ、引きずり込まれる恐怖と楽しみが味わえそうです。
田辺青蛙 (せいあ) は名前しか知りませんでしたが、これを機会に読んでみたいと思います。

 

あめだま 青蛙モノノケ語り
田辺青蛙
青土社
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[share] キッチンの歴史: 料理道具が変えた人類の食文化

わたしはそれほどこだわりはありませんが、台所には様々な料理道具があります。頻繁に使うもの、たまにしか使わないもの。どれもないと困ります。道具ひとつで料理が非常に楽になり、レパートリーも広がります。

しかし道具の歴史については、ほとんど何も知りません。例えば包丁とまな板の成り立ちもわからないし、様々な形の鍋がどうやってできてきたのかも。
道具は最初からそこにあるもの、と思いがちですが、それらの歴史を振り返ることで、料理に対する見方も変わってくるかもしれません。今まで知らなかった観点の本で、気になります。

 

キッチンの歴史: 料理道具が変えた人類の食文化
ビー・ウィルソン
河出書房新社
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[share] なぜ競馬学校には「茶道教室」があるのか: 勝利は綺麗なお辞儀から

騎手学校に茶道の授業があるとは知りませんでした。最初は競馬と茶道が頭の中で全然結びつきません。
しかしAmazonの内容紹介を読んで「ああ、なるほど」と思いました。

嘘をつかない。卑怯なことはしない。
季節を愛で、自分の内面と向き合い、本物を知ることで本物に近づく——。
一流の騎手になる前に、おもてなしの心を持った、潔く、責任ある行動のとれる大人になってほしい。

生徒たちは、中学卒業後に騎手学校にやってきます。
勝負の世界で生きていこうとするからこそ、潔さや責任ある行動をとれる心を養う必要があるのですね。
勝負師を養う学校で著者がどのように授業を行ってきたのか、生徒たちはそれをどう受け止めてきたのか、気になります。

余談ながら、騎手は厳しい減量をしますが、茶道の授業ではお菓子を食べるのでしょうか。

 

なぜ競馬学校には「茶道教室」があるのか: 勝利は綺麗なお辞儀から
原 千代江
小学館
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[share] バン、バン! はい死んだ: ミュリエル・スパーク傑作短篇集

とにかくタイトルが引っかかってしようがない本です。作者のミュリエル=スパークのことはまったく知りませんでしたが、Amazonで検索すると、結構日本でも出版されているのですね。
彼女は「イギリスのブラックユーモアの女王」だとか。とても意地の悪い作品が読めそうです。

ところでタイトルの「バン、バン! はい死んだ」ですが、似たような言い回しをどこかで聞いたか読んだ気がします。しかしどこでなのか、誰の言葉なのかがまったく思い出せません。そのことが非常に気になって困っています。

 

バン、バン! はい死んだ: ミュリエル・スパーク傑作短篇集
ミュリエル・スパーク
河出書房新社
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[share] シェアハウスで暮らす: シェア生活の良いところも悪いところもぜんぶ書きました!

シェアハウスが注目されるようになって、だいぶ経ちます。東京蒲田には、なんと260人のシェアハウスがあるらしいです。NHK「ドキュメント72時間」で知りました。
でも番組を見ただけでは、シェアハウスでの生活がどんなものか、今ひとつつかめませんでした。やはりテレビに生活を映し出すのには限界があるのかもしれません。
この本はシェアハウスに興味がある人向けに、物件探しから暮し方まで、実際の生活をイメージできるガイドブックです。
実際に住む予定のないわたしでも、そこでの生活がどんなものか、より具体的にイメージできそうで、興味を持ちました。

 

 

[share] 美しき九州—「大正広重」吉田初三郎の世界

3月4日のGoogleロゴが、吉田初三郎誕生日を記念したものでした。わたしはこの人のことをまったく知らず、最初地図の作製者かと思いました。実際には商業画家で、鳥瞰図を多く描き「大正広重」と呼ばれた人だったのですね。

わたしは地図を眺めるのが好きで、枕元には高校の地理の授業で使った地図帳が常備してあります。ソビエト連邦とか東西ドイツが載っているような代物です。
それはともかく、鳥瞰図には地図とはまた違った視点と楽しみがあります。真上から見た地図の等高線とは違った高さを感じることができるからです。
一体彼が九州をどんな風に描いたのか、気になります。

 

美しき九州—「大正広重」吉田初三郎の世界
益田 啓一郎
海鳥社
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[share] 医学探偵の歴史事件簿

人と病気との関係は、切っても切れないものです。一生のうちに一度もかからない人はいないでしょうし、病気とのつきあいは、時に理不尽ですらあります。
歴史上の人物も、同じように病気に悩んでいたことでしょう。しかし「権力者の病気」というと、ナポレオンの胃痛くらいしか知らないのです。実際には多くの権力者の病気が、歴史に影響した場面ももっとあるに違いありません。

病気から歴史を眺めてみるのも、面白そうですね。

 

医学探偵の歴史事件簿 (岩波新書)
小長谷 正明
岩波書店
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[share] 盆栽/木々の私生活

チリの作家が書いた小説のタイトルが、なんで盆栽なんだろう? と思いましたが、盆栽は今や世界に広がるものだったのですね。
盆栽愛好家や研究者が一堂に会する「世界盆栽大会」というものもあります。

この本のオビに

ものを書くことは盆栽の世話をすることに似ている

とあります。
わたしは盆栽の世話をしたこともないし、周囲に愛好者がいません。なので盆栽と書くことのつながりが想像できません。
庭が趣味という人は知っていますが、参考にはならないでしょう。

オビの言葉の意味、そして小説にそれがどんな風に表現されているのか、気になります。

 

盆栽/木々の私生活 (EXLIBRIS)
アレハンドロ サンブラ
白水社
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[share] 「うつ」の捨て方—考え方を変えるために考える

「うつ」とまでは行かなくても、不満だったりなどの嫌な気持ちが、自分の内側にたまってしまうことがあります。
個人的な感想ですが「悩んだ次の瞬間に答えが出なかったら、ほとんどの場合は悩んでも無駄である」「『何かを解決したいから悩む』のではなく『悩みたいから悩む』」ことが意外と多いのではないかと思います。

どうやったって悩みから解放されることはないのかもしれません。であれば、この本が提唱するように「悩みの本当の原因を考えて、正しく楽しく悩」む方が、自分を追い込まなくていいのかもしれません。
悩みにとらわれすぎずにうまくつきあっていくために、この本は役立ちそうです。

 

「うつ」の捨て方—考え方を変えるために考える
深間内 文彦 山下 悠毅
弘文堂
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[share] 巨大重機の世界

巨大な重機は、普段お目にかかることはほとんどありません。せいぜい高層ビル建設現場のクレーン程度でしょうか。
最近テレビで見た重機だと、NHK「探検バクモン」で釧路の炭鉱が取り上げられた時に出てきた掘削機械「ドラムカッター」。これは近くで見たら本当にすごいと思います。

巨大重機は鉱山のような所に行かないと見られないものなのでしょう。日常とは縁遠い、でも見えないところで私たちの生活を支えている巨大重機。
一体どんなものがあって、どれだけの迫力で迫ってくるのか。それが実感できそうなこの本、気になります。

 

巨大重機の世界
巨大重機の世界

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高石 賢一
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