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《書評》自分の見せ方について少し考える〜ネットがあれば履歴書はいらない

自分がインターネットを使い出して15年弱。
ごく単純なWebから始まり、メーリングリスト、IRC、日記、掲示板、SMS、ブログそしてTwitterと、使うサービスはどんどん変わってきてるけど、自分の世界がネットでものすごく広がっていることはずっと変わらない。
ネットを使い出した最初期に出会って、今も友人であり続けている人も多いし、ネットがなければ絶対に出会わなかったであろう人も多い。

自分はこれまでブランディングについてはほとんど意識してこなかったけど、興味はあったので読んでみた。
ツールの使い方がまとまっていてよかった。Twitterは使い始めて間もないけれど、Twitterと他のサービスのからめ方が具体的に書かれていたので、自分に合いそうなものを試してみたい。

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全体的にはいい本だと思うのだけど、個人的に「?」がつく箇所がいくつかあった。

ひとつめ。ネット婚活の話の中で、これまでとの結婚との比較で

いままでの出会いというのは、合コンや会社で出会った人と結婚する事例が多かったが、それは出会い頭の結婚のようなもの。結婚してみてから食い違いが出たりすることも多く、離婚も増加中だ

とあるんだけど、「合コンや会社で出会った人と結婚する」ことと「離婚も増加中」であることの因果がわたしには分からなかった。
あと、出会い頭の結婚だろうと、あらかじめ相手を知ってからの結婚だろうと、実際に結婚してから食い違いが出るという点は変わらないと思う。ここで言う「食い違い」が何を指しているか具体的に書かれていないけど、結婚生活も人間関係の1つである以上、食い違いが出ないなんて事はないと思うけどなぁ。

あともうひとつ。ブランディングの例で、犯罪者と同姓同名のケースを出すのはどうなのか。同姓同名の犯罪者が出るかどうかは自分ではどうしようもできないことのはず。今日は同姓同名の犯罪者がいなくても、明日史上まれに見る凶悪犯罪が起きて、その犯人が自分と同姓同名であった、というケースもあり得るはず。そういうコントロールの効かないものを例に出すのは適切ではないのでは。

あと、誤植と思われる箇所を2箇所発見しました (わたしが購入したのは第1版です)。
まず53ページ。

ツイッターで自分の病気の内容を公開すると、その情報を見たツイッターユーザーが、医者よりも多くの情報を他の教えてくれる

「他の」はトルツメかと。

次に212ページ。

…たとえば、ブロガーによる口コミの宣伝効果を狙い、清涼飲料水が有名ブロガーに送るというようなことも行われる。

「清涼飲料水が有名ブロガーに送る」は「清涼飲料水を有名ブロガーに送る」ではないでしょうか

個人的には、著者の考えには賛成できないところもあるけど、ブランディングのテクニックの本としてはよかったと思います。

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