これは確かに賛否両論だと思うけれど〜エゴイスト

浅田マコトさんのデビュー作。一気に読んでしまいました。
恋愛も親子愛も出てくる。しかしここに書かれているのは、そんな手垢の付いた言葉ではなかなか表現しづらい愛です。

この本、オビに「この愛に、賛否両論!」と書いてあります。確かにこれは賛否両論あると思う。中学生で母に死に別れた主人公が母親との物語を買い戻すために、自分自身のために恋人ととその母を救おうとし、結果として恋人を追い詰めてしまったのだから。

その一方でこうも思う。確かに主人公のしたことはエゴ以外の何物でもないし、「浅ましい」と言ってしまえばそれまでだと思う。しかし最初はエゴや浅ましさのみだったとしても、最終的に恋人の母親と「本当の親子」になったとすれば、そのことを頭から否定することはできるのだろうか。そういうエゴや浅ましさや血縁を振り落としたところに存在する愛もあるのだ、ということが、この話からは伝わってくる。
最初は主人公のエゴに反発する気持もあったけど、最後にはなんだか泣けてきました。賛否両論あるだろうけど、わたしはこういう関係は「あり」だと思った。

ちなみに主人公はゲイであり、恋人は若い男性なのですが、主人公がゲイでなければこういう物語は成り立たなかったのではないかと思う。
これが「彼女と彼と彼の(両)親」あるいは「彼と彼女と彼女の(両)親」という関係だとしたら、一歩間違うとただ陳腐なドロドロした愛憎物語になった気がする。
それはともかく、これまで考えたことのない、ある愛情の形をここで読むことができました。その点でこの本はよかった。

 

エゴイスト
エゴイスト

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浅田 マコト
小学館
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