月別: 2014年12月

今年出会った印象的な言葉

今年出会った、印象的な言葉をご紹介します。

 

混乱しているのは頭だけ。疲弊しているのは身体だけ。不足しているのは資金だけ。枯渇しているのは才能だけ。大丈夫や。俺は絶対に大丈夫や。

町田 康

 

今年は大きな環境変化が同時にいくつもやってきて、しばらくメーターが振り切れそうなくらいストレスがたまっていました。
そのせいか、コーヒーの摂取量がかなり増えました。
その状況をなんとか乗り切れたのは、この言葉のおかげだと思っています。
しんどい時に「大丈夫や。俺は絶対に大丈夫や。」と、頭の中でずっと唱え続けました。

 

 

仕事も子育ても、真面目に考えすぎるより
“コント”だと思うほうがうまくいく

YOU
日経WOMAN 2013年8月号「リレーエッセイ 妹たちへ」

 

これもストレスフルな状況を乗り切るのに役立った言葉です。
考えてみれば、真剣にやったから物事がうまくいく、というものでもないし、真剣と滑稽は紙一重ってことも、ままありますしね。
ならば最初からコントだと思っちゃった方が、確かに余計なものは背負わなくて済むかも。

 

 

やあねえ、それじゃお守りじゃなくて呪いよ。私の言葉を呪いにしないで。

松田青子「英子の森」

 

日々生活する中で、色々な言葉に出会います。「これは忘れたくない」と思うものもあります。
でもそれが呪いになってしまったら、どんな名言でも災いになりかねない。
言葉はあくまでお守りとする、上手な距離の取り方をしていきたい。

 

 

 

英子の森
英子の森

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松田 青子
河出書房新社
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メディアマーカーの登録件数が6,000件を超えました

11月26日に、メディアマーカーの登録件数が6,000件になりました。6,000件目は、リデル=ハート「第一次世界大戦〈上〉」でした。

5,000件目を登録したのは2013年12月17日、永野裕之「根っからの文系のためのシンプル数学発想術」でした。
4,000件目を登録したのは2013年1月31日、いとうせいこう「想像ラジオ」でした。
3,000件目を登録したのは2012年3月30日、枡野浩一「歌—ロングロングショートソングロング」でした。
2,000件目に登録したのは2011年4月30日、「フランス名詩選」でした。
1,000件目を登録したのは2009年11月4日、夏目漱石「私の個人主義」でした。

今年は今日までで61冊の本を読了しました。意外と読んでますね。
来年も、読みたい本を読みたいペースでのんびり読んでいこうと思います。

 

第一次世界大戦〈上〉
第一次世界大戦〈上〉

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リデル ハート
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第一次世界大戦〈下〉
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リデル ハート
中央公論新社
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根っからの文系のためのシンプル数学発想術
永野 裕之
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想像ラジオ
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いとう せいこう
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歌—ロングロングショートソングロング
枡野 浩一
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フランス名詩選 (岩波文庫)
岩波書店
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私の個人主義 (講談社学術文庫)
夏目 漱石
講談社
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今年は珍しくたくさん映画を見たので

今年は新作旧作合わせて16本の映画を見に行きました。人生で最も多く映画を見た1年でした。

特に印象的だった映画をご紹介します。

 

少女は自転車に乗って

【公式サイト】『少女は自転車にのって』

サウジアラビア初の女性映画監督による作品です。サウジアラビアは法律で映画館の設置が禁じられており、この作品を国内で上映すべきか否か、が現地の新聞の1面で論じられたそうです。
女性が自転車に乗ることが許されない社会で、自転車がほしい少女ワジダがどう奮闘するか、がストーリーの核になっています。
イスラム社会で女性がどのように扱われているかは、この映画でも随所に出てきます。しかし、声高に何かが叫ばれることはありません。制作する側が、イスラム社会でも受け入れてもらえるように、かなり神経を使ったのではないかと思います。

映画を見たあとに見つけた記事ですが

マララパパ – RengeJibuの日記

もう一つ、私が思ったのは、どんな社会にもマララパパのような人がいる、ということ。例えばサウジアラビア初の女性映画監督は、両親から、女の子だから○○できない、と言われたことは一度もない、とインタビューで語っています(映画『少女は自転車にのって』を見た際に購入したパンフレット収録の記事)。

色々と難しい情勢が伝えられるイスラム社会にも、こういう人たちがいることを忘れてはいけないと思います。

知恵を絞って自転車のために闘ったワジダに幸多かれ、と思います。

 

悪童日記

悪童日記公式サイト|亡命作家アゴタ・クリストフの衝撃のベストセラー、遂に映画化!

アゴタ=クリストフのベストセラー小説が映画になりました。「あの世界をどうやって映像化するんだ?」と思いましたが、かなりよかった。
まず主人公の双子が、作品のイメージにぴったりでした。原作の持つ残酷さは、映画になって薄くなったなとは思いましたが、これは仕方のないことだと思います。
双子がノートに書いたことと現実世界のリンクがうまいと思った。

 

TOKYO TRIBE

映画『TOKYO TRIBE』公式サイト

新作邦画で唯一見た作品です。原作は最初の部分 (テラが死んだあたりまで) しか読んでないのですが、気になって見に行きました。
「世界初のバトルラップミュージカル」です。
表現手法には賛否両論あるでしょうが、変にリアルに再現しようとするよりか、このスタイルが良かったんじゃないかと思います。
ンコイ役の窪塚洋介が、原作のキャラにかなり近かったのが驚き。

 

 

次の2本は、映画館で見たわけではないので、16本の中には入れていません。

不思議惑星キン・ザ・ザ
これはもうなんと表現したらいいのか。非常に衝撃的でした。終わらない、繰り返す悪夢を見ているような気分になりましたw

 

巨神兵東京に現わる
名古屋市科学館で1/12まで開催中の「館長 庵野秀明 特撮博物館」で見ました。
まずなにより、特撮でこの映像を作り出したのがすごい。CGを使えば、もっと簡単に、もっとすごい映像はいくらでも作れるはずです。それをとてつもない手間をかけて、このクオリティの映像を生み出したことに脱帽。
しかし、巨神兵がエヴァンゲリオンに見えたのはわたしだけでしょうか…。

 

来年も、見たいと思った映画はできるだけ見に行こうと思います。

 

少女は自転車にのって [DVD]
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悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
アゴタ クリストフ
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TOKYO TRIBE2  第1巻
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サンタスティック・エンタテインメント (2014-06-27)

 

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今年もいい本に出会えた〜2014年・印象に残った本 #mybooks2014

気がつけば12月も中旬です。今年も色々な本に出会いました。
特に印象に残ったものをご紹介します。

 

ティムール=ヴェルメシュ「帰ってきたヒトラー」
間違いなく「今年もっとも衝撃的だった本」です。
ヒトラーが現代ドイツに突如蘇り、強烈な毒舌を吐く芸人として人気者になっていく…というストーリーなんですが、読んでいて困った気分になってしまいました。
なぜなら、冒頭にあった「本書について」に書いてある

最初は彼を笑っていたはずなのに、ふと気がつけば彼と一緒に笑っているからだ。

と、まさにそういう状態になったから。で、最後の最後で「んなバカな」となってしまう。

この本はドイツでベストセラーになり、映画化も決まっています。
ヒトラーに関する本の出版が禁じられているドイツで出版できたのは、これがあくまで「風刺小説」だからですね。風刺の対象は様々あると思うけど、おかしいと思っていたのに、いつの間にか彼と一緒に笑っている、その変化自体も含まれているでしょう。

 

ジェイムズ=カー・アルチャナ=クマール「総統はヒップスター」
これもヒトラー関連本です。ヒトラーがもし「ヒップでロハスな草食系メガネ男子」だったら、を描いたまんがです。
健康志向の源流がヒトラーやナチスにあることは、以前から指摘されています。だからこういうキャラクター化が突飛だとは思えないし「確かにこういう若者は少なくないかもしれん」と感じたのです。
ヒップスターたるヒトラーが着ているTシャツのロゴに、いちいち捻りと風刺が効いているのですが、自分が歴史をきちんと知らないせいで、ピンとこない部分があったのは残念。

 

ヒトラーは確かに怪物かもしれないけど、2度と現れない存在ではないのかもしれない、怪物は知らない間に、するりと自分のそばに来てしまうかもしれない。同じことは「アイアン・スカイ」を見た時にも感じましたが、このことは忘れてはいけませんね。
ヒトラーをネタにした本を続けて読んだのは偶然ですが、そう思いました。

 

 

田中兆子「甘いお菓子は食べません」
女の性について書かれた本はいろいろあるけど、40代の女 (まさに自分がそうだ) たちの持つ欲望そのものがテーマで、その根源的なものを書き出そうとする本に初めて出会いました。
登場人物が抱える困難は、現在の自分と重なるとは限らないけど、でも彼女たちの気持ちもわかるので、かなり心がえぐられていく感じがありました。

 

「サラエボ旅行案内—史上初の戦場都市ガイド」
NHKBSプレミアムで放送された「街は毎日が銃撃戦〜角田光代 ボスニア〜」で、彼女がサラエボを旅の目的地として選んだきっかけとして紹介したガイドです。古本は結構高値が付いていますが、市立図書館にあったのでそれを借りました。
旅行ガイドの体裁で、ボスニア戦争下でサラエボ市民がいかに生き抜いたかを紹介しています。
冷静さと乾いたユーモアで、却って悲惨さが浮かび上がる。

 

李龍徳「死にたくなったら電話して」
強い負のエネルギーを発している作品です。だからこそ、ページをめくる手が止まらなかった。
この小説に対して「不気味」だとか「救いがない」とか「毒々しい」とか、色々言葉は浮かびますが、でもそのどれもが違う気がします。
巷にあふれるポジティブでキラキラした言葉に対する反撃は、小気味いいくらいでした。圧倒的な負のエネルギーの前で、ありきたりのポジティブさが、いかに薄っぺらく感じるか。

著者がインタビュー

自分の経験に照らせば、死にたいようなつらい夜に、希望のある明るい話なんか読みたくない。暗い気持ちに寄り添うほうが届くはず

と語っていますが、これは本当にそう思う。
ネガティブはしんどいけど、ポジティブも同じくらいしんどいしね。

 

今年は色々な意味で濃い本たちに当たったと思います。
来年も、いい本に出会えるといいな。

 

帰ってきたヒトラー 上
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帰ってきたヒトラー 下
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総統はヒップスター
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甘いお菓子は食べません
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サラエボ旅行案内—史上初の戦場都市ガイド
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死にたくなったら電話して
李龍徳
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