22年ぶりの大ニュース〜カフカ / 夜の時間
1ヶ月半ほど前にtwitterで復刊情報を知ってから、発売をずっと待っていた「カフカ / 夜の時間」、そして新刊「カフカノート」。今週始めにAmazonから届きました。
「カフカ / 夜の時間」の初版は1989年に出版されています。発売直後に購入し、これまで何度読み返したか。
できれば保存用にもう1冊欲しいと思ってはいたのですが、古本がえらく高いのですよ。復刊後の値動きは不明ですが、Amazonマーケットプレイスで見ると新刊時の定価1,600円に対して古本は5,000円から10,000円程度、ごくたまに2,000円くらいのものが出る (おそらくかなりぼろぼろと思われる) けどすぐ売れてしまう感じ。
なので復刊すると知って、すぐ買おうと思いました。
もし「人生における本のベストワンは何か」と問われたら、迷わずこの本を挙げます。具体的に何がどういいか、というのは言えません。しかしやはりこの本はすごいと思う。読むたびに立ち止まるページは違うのですが、読むたびに高橋悠治のことばに対する感覚の鋭さはすごいと思う。
わたしはいわゆる現代音楽は聴かないので、音楽家・ピアニストとしての高橋悠治のことはほとんど知りません。
高橋悠治を知ったきっかけは坂本龍一「千のナイフ」で、初めてことばを目にしたのは「長電話 (現在も所有)」です。
そもそも22年前に「カフカ / 夜の時間」を手に取ったのも「『長電話』の人の本が出たんだ、読んでみようかな」くらいだった気がします。その本とのつきあいがここまで続くとは考えもしませんでした。本との出会いはわからないものです。
これをきっかけにカフカもまとめて読んでみたいと思っています。
あとがき
復刊本の裏表紙に掲載されている
夜のこわさ。夜でないこわさ。
ひとことでいい。もとめるだけ。空気のうごきだけ。きみがまだ生きている、待っているというしるしだけ。いや、もとめなくていい。一息だけ。一息もいらない。かまえだけ。かまえもいらない。おもうだけで。おもうこともない。しずかな眠りだけでいい。
というカフカのことば。「病気・カフカ・音楽」という章で引用されていることばです。
よく「明けない夜はない」と言いますが、それを聞くたびに「夜でないこわさ」について考えてしまうのです。
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