映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を見てきました

公開中の映画「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を見てきました。

原作の小説は昨年末に、映画になることを全く知らずに読みました (訳者あとがきで映画のことを知った)。小説を読むだけで映画は見たいと思わないことがほとんどなのですが、今回は「映画も見てみたいな」と思ったのです。

映画自体はよくできていると思いました。映像にならなかったエピソードが結構ありましたが、それ自体は仕方ないと思います。しかしエピソードの削り方がうまいのか、そんなにおかしな感じにはなっていなかった。

自分にとってポイント高かったのは2点。
まず主人公オスカーが原作のイメージにかなり近かった。確かにオスカーはこんな感じだ、って見て思った。それは見た目もそうだし、彼のエキセントリックさがうまく表現されていたのもそう。
オスカーだけでなく、登場人物みんなが小説のイメージにかなり近い感じだったのです。父親のトム=ハンクスも母親のサンドラ=ブロックも「目立ちすぎず、でも印象に残る」という感じ。
もちろん原作小説を読んでいなくても、それぞれの登場人物が浮くことなく自然に見られると思います。

そして原作小説の最後が「世界貿易センタービルから落ちる人」の連続写真 (ただし実際に落ちていく順序では並んでいない) だったのですが、これが映画でどう表現されるか興味がありました。省略されるのか、原作に忠実に再現するのか、あるいは別の手法で表現するのか。
実際には原作小説とは別の表現方法がとられました。なかなかうまい方法だったと思います。

そして小説をもう一度読んでみたくなりました。やはり「映像から受ける印象」と「文字から受ける印象」は違うので。特に原作小説はかなり視覚を意識した文字組や写真を使っていたので、この物語の「文字での印象」を再度体験してみたくなったのです。
映画では文字組が効果的に使われていたエピソードはかなり省略された

原作小説もよかったし映画もよかった、という作品は珍しいように感じます。見に行って正解でした。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
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余談
映画の中で、話すことができない登場人物 (オスカーのおばあちゃんの間借人) が筆談に使っているノート、そして彼が部屋の中に何冊も積んでいるノートがモレスキンでした。
この積んであるノートに関するエピソードは原作にはありますが、映画では省略されていました

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