《気になる》評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
ナンシー関が亡くなって今年で10年。生前からずっと「なんとなく気になる人」であります。
わたしはテレビをほとんど見ないので番組とか芸能人のことは知りませんが、それでも雑誌コラムを読んで彼女の鋭さは感じ取れました。
あの観察眼・批評眼、文才はすごい。
「心に一人のナンシーを」とは、非常にうまいと思いました。自分を保つ、あるいは近づくにせよ遠ざかるにせよ世界との距離をうまく取るために、彼女のような存在を心の中においておきたいと思う。心の中にナンシー関をおいておくこと、ナンシー関をナンシー関のまま保ち続けることはとても難しそうだけど。
彼女が死んだ直後、新聞に追悼コラムが載りました (書き手失念)。切り取って持っていましたが、何度かの引っ越しを経て紛れてしまい、今はもうありません。
評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
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横田 増生
朝日新聞出版 (2012-06-07)
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余談
一度だけ、彼女を間近で見たことがあります。
1996年6月2日、日比谷野外音楽堂で開催されたムーンライダーズの20周年記念ライブ。わたしは立見だったのですが。柵に寄りかかって開演を待つわたしの横を、指定席に向かって足早に通り過ぎたナンシー関。自画像そのままの人でした。彼女が手に座布団を持っていたのを、なぜかはっきり覚えいています。
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