月: 2014年5月

[share] 最相葉月 仕事の手帳

実は最相葉月さんの著書を読んだことがありません。「絶対音感」や「星新一」など、印象的なテーマを扱う緻密なノンフィクション作家だという印象があります。
そういうみっちりしたノンフィクションを書く人には、書くにしても調べるにして、特別なスキルがあるように感じます。「才能がある人だから、それだけの本を書けるんじゃないの」と。
確かにそうかもしれません。でも基本部分は特別なものではないはず。
この本は、彼女がライターとしての心得や仕事論をまとめたものです。
ライターと一般的な仕事では、重なる部分が少ないかもしれません。でも、いかに準備して仕事に取りかかるか、という点はどんな仕事にも共通しているでしょう。

まえがきに

追いつめられたり解放されたり、しがみついたり投げ出したり。どんな仕事でも同じだろうが、自分を苦しめるのも救ってくれるのも結局は仕事なのだ

とあります。確かにその通り。
彼女がいかに仕事に向き合い、書いているか。気になります。

 

最相葉月 仕事の手帳
最相葉月 仕事の手帳

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最相 葉月
日本経済新聞出版社
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「ルパン三世 カリオストロの城」デジタルリマスター版を見てきました

「ルパン三世 カリオストロの城」のデジタルリマスター版を見てきました。テレビ放映やDVDでは何度も見ていますが、映画館では初めてです。

映画『ルパン三世 カリオストロの城』デジタルリマスター版 公式サイト – 2014年5月9日(金)よりデジタルリマスター版上映決定!

 

ストーリーはわかっていても、やはり映画館で見るのはいいですね。
画面全体が明るくきれいになったのもよかったけど、一番違いを感じたのは音です。「こんなところにこんな音があったのか」と気づく場面がいくつか。特にカリオストロ大公の屋敷をルパンと次元が訪れるシーン。鳥のさえずりがあんなにあったなんて。
あとはラスト近くの時計塔のシーンの風の音。
細かい音まで聞き取れる状態で見られたのが、とてもよかった。

 

公開当時のチラシの復刻版をもらいました
公開当時のチラシの復刻版をもらいました
チラシ裏側
チラシ裏側

 

土曜日の21時からの回を見たのですが、観客は40人ほどいました。予想以上に多かった。

本編の前に実写版ルパン三世の予告編が流れましたが、思ったほどアニメとの乖離がなくて、ちょっと見てみたくなりました。

映画『ルパン三世』公式サイト

 

余談
本編前に「聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY」の予告編も流れましたが、原作の絵とあまりに違ってびっくり。まあ、フルCGアニメだと、こういうキャラクターデザインになってしまうんでしょうが、正直違和感がすごかった。

映画『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』

 

[share] トムは真夜中の庭で

だいぶ前に「岩波少年文庫 特装版 全30冊セット」なるものを購入しました。
わたしはかつて本を読まない子供だったので、児童文学の定番はほとんど読んでいません。それでせっかく見つけたから買って読んでみるか、と思ったのです。
結局全部読み切れず、オークションで全冊売却してしまいましたが。

そのことは長らく忘れていましたが、日経新聞の記事を読んで思い出しました。「トムは真夜中の庭で」は、読んでない本に入っていたのです。
本来は小学生くらいが対象読者だし、そのくらいの時期に読むのが一番いいと思います。純粋に楽しんで、それだけ強烈に印象に残るだろうから。
でもこうしてまた巡り会ったので、今度はちゃんと手に取ってみようと思います。

 

トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 (041))
フィリパ・ピアス
岩波書店
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岩波少年文庫 特装版 全30冊セット
岩波書店
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[share] トップ記事は、月に人類発見!—十九世紀、アメリカ新聞戦争

アメリカには、非常に多くの新聞が存在するそうです。19世紀の新聞黎明期には、記事の争奪戦でものすごいことになっていたとか。
記事を書くのは記者のはずですが、興行師や小説家なども入り乱れていたようです。その結果、この本のタイトルにあるような記事も掲載されていたらしいです。タイトルだけ見たら、東スポみたい。
人の求めるものって、昔も今も大して変わらないと言うことなのでしょう。

もちろん新聞には、事実をきちんと書いてほしい。しかしその一方で「だまされる楽しみ」というのもあると思うのです。
かつての新聞は、一体どうやって人を引きつけ、驚かせていたのか。気になります。

 

トップ記事は、月に人類発見!—十九世紀、アメリカ新聞戦争
マシュー グッドマン
柏書房
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[share] ペナンブラ氏の24時間書店

24時間やっていて、存在しないはずの本が置いてある書店。これほど魅力的な場所はちょっと思いつきません。どんなにしんどい時でも、そこに行けば気持ちがなごみそう。
さらにそこを舞台にした「贈る冒険と友情、その他もろもろ盛りだくさんの物語」だなんて、これを読まずにいられるか、という気持ちになります。

かつて住んでいた街に終電くらいまでやっている書店がありました。小さくありふれた店ではあったのですが、遅くなった時に寄り道して、ぼんやり棚を眺めてから帰宅することがよくありました。
24時間営業というとコンビニが大部分でしょうが、自分の生活圏内に1件でいいから書店があると嬉しいな、と思ったりします。

 

ペナンブラ氏の24時間書店
ロビン・スローン
東京創元社
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[share] 銀座Hanako物語——バブルを駆けた雑誌の2000日

Hanakoを買ったことは、多分1度しかありません。学生時代に一人暮らし特集のようなものがあって、その号だけだと思います。
そのときの自分も、そしてこの雑誌が想定する「首都圏在住の27歳女性」という読者像にドンピシャの時も、Hanako的なものとは全く無縁な生活を送っていたこともあり、ついぞ読む機会がありませんでした。

自分にとってはそんな存在でしたが、Hanakoが創刊されたときの衝撃はかなりのものだったことは覚えています。本当に、それまでにない雑誌が出てきたんだと思います。
そんな衝撃を送り出した側は何を考え、雑誌をどう作り上げていったのか。とても気になります。

 

銀座Hanako物語——バブルを駆けた雑誌の2000日
椎根和
紀伊國屋書店
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[share] 水の歴史

日本に住んでいると、普段水の存在を意識することはありません。
水は生きるために絶対必要なものですが、それと同時に非常に怖いものでもあります。ひとたび水害が起きれば、すべてのものが飲み込まれてしまうし、涸れればあらゆる生き物が危険にさらされる。今後は水の確保が大きな課題となる、という意見もあります。

「あって当たり前」という感じの水ですが、これまで人間とどう関わってきたか、今後その関わりがどうなっていくのか、この本をきっかけとして考えてみるのもいいかもしれません。

 

水の歴史 (「知の再発見」双書163)
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[share] 違和感から始まる社会学 日常性のフィールドワークへの招待

日常の中で、何かに違和感を覚えることは珍しいことではありません。しかしそれを感じても、流してしまって終わることが大部分のように感じます。「違和感を感じる方がおかしいのでは」と思ってしまうこともあるかもしれません。
でも本当は「ん?」と感じたら、その先の思索につなげていかないと、いつまで経っても自分が広がらないままかもしれません。この本にあるように、違和感に向き合うことで、自分がとらわれているものがわかり、社会との関わりが変わってくるかもしれません。

この本は、自分と向き合い、自分以外のものとの関わりを考え直すきっかけになりそうです。

 

違和感から始まる社会学 日常性のフィールドワークへの招待 (光文社新書)
好井 裕明
光文社 (2014-04-17)
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起き抜けのちょっとした行動で、日中のぼんやりがかなり解消することを発見

居眠りするまで行かなくても、日中頭がぼんやりしてしまうことは、誰にでもあると思います。
わたしは毎日7時間弱寝ていますが、それでも午後にぼんやりして仕事の効率が落ちてしまうことがあります。
目覚めが悪いのがいかんのかも、と思って、起きた直後にしっかり光を浴びるようにしました。
ただし、自宅は朝方日差しが入りにくいので、明るい読書灯を使います。

行動パターンはこんな感じです

 

  1. 目覚ましが鳴ったらスヌーズボタンを押す
  2. 読書灯をつける
  3. 読書灯の光が目に届く位置でじっとする (光源は見ないようにする)
  4. 2度目の目覚ましが鳴ったら起きる

 

たったこれだけなのですが、日中のぼんやりがかなり減りました。

冬に気分が沈みがちになったりしたときも、日光にできるだけあたるのがよい、と聞きます。
ちゃんと光を浴びるのって大切なんですね。

 

[share] ひとを“嫌う”ということ

「嫌う」という言葉からは、一種の負のエネルギーを感じます。
誰だって人からは嫌われたくないでしょうし、人を嫌うことも避けたいでしょう。
でもその一方で、おそらく人生で一度も嫌われた / 嫌いになった経験がない人は、いないと思います。
いい印象がないのに逃れられない、厄介な感情です。

わたし自身、この感情に少し距離を置けるようになったのは、つい最近です。自分が誰かに向けてしまうことも、誰かからこちらに向かってしまうことも、ある程度は仕方がないことなのでしょう。それでも心は乱れてしまいますが。

この本を読むことで、「嫌い」ということと上手に距離をとれるようになれるといいな、と思います。

 

ひとを“嫌う”ということ (角川文庫)
中島 義道
角川書店
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