NHK「ドキュメント72時間 世界最大 古書の迷宮へようこそ」を見た

12月4日に放送された、NHK「ドキュメント27時間 『世界最大 古書の迷宮へようこそ』」を見ました。

 

ドキュメント72時間「世界最大 古書の迷宮へようこそ」 – NHK
世界最大 古書の迷宮へようこそ …

 

神田の古書店街に3日間密着しています。本に関する場所に密着するのは、2013年放送の「巨大書店 活字の森の歩き方」以来でしょうか。

 

NHK「ドキュメント72時間 巨大書店・活字の森の歩き方」を見た | 書肆小波

 

20代に水道橋にある専門学校に通っていた時期があり、当時は毎日のようにこの辺をふらふらしていました。しかしいつもショウウインドーや店頭のワゴンを眺めるだけでした。この時期は非常にお金がなかったので、新刊にせよ古書にせよ、本はほとんど買っていません。環境はとてもよかったのに。惜しいことをした。

 

古書店街には平日休日問わず、多くの人がやってきます。
例えば出張で九州からやってきた不動産業の60代男性。古書5冊を選んでスタッフに「すごい生き生きとしてますね」と言われていました。画面からもうれしさが伝わってくる。

1984年の雑誌オリーブを購入した19歳の女子大学生。お母さんの青春時代の話を聞いて興味を持ったそうです。当時のファッションは「1周2周ぐらい 3周目ぐらい回って またかわいいなって思いますね」とのこと。
彼女のファッションも、確かに「オリーブ少女」のテイストです。着ていたセーターは、なんとお母さんのお下がりとか。

一番印象的だったのが、ガレージセールを見ていた元雑誌編集者の66歳女性。持病があり、医師に「命を削るようにして仕事をしてきたんだから もうやめて自分の好きなことをした方がいい」と言われたんだそうです。
そう言われて、古書店街にやってくる。心底本が好きな人なんですね。

現在彼女は人生のすべてを捧げてきた本の処分を考えているそう。

 

わからない人はみんなゴミにして出しちゃうでしょ

(略)

わたしは持っているだけですごくうれしかったから
それが欲しい人が持っていてくれてすごく うれしかったら
わたしも持って大事にしてきた時間が 無駄にならなかったような気がするから
やっぱり本があるといいなって思うから

 

この言葉、身にしみる。本は持っているだけでうれしいし、本がある生活はとてもいいと思うから。

古書店街には160店以上あり、びっくりするようなものも売られています。
例えば室町時代の書物が1,600万円で、1774年の「解体新書」が380万円、1618年にオランダ人から江戸幕府に献上された植物図鑑「草木誌」は216万円。
「見つからない物はない」と言われているのも納得できます。

神田古書センター内の書店も撮影されています。この8階にアダルト専門の「芳賀書店」があるのですが、さすがに行っていません。しかし、フロアガイドが写った時に、さりげなく店名が赤枠で強調されていましたww

オープニングに写った、路上にいた30代くらいの男性は「本が好きな人の魔法の国」と言い、60代くらいの男性は「お酒はやめられるけどこれ (古書) ばっかりはやめられない」と語っていました。強く頷くのみです。

古書店って、新刊書店より強い吸引力を持っていると思います。古書店の「おいでおいで」の方が強力に感じます。不思議です。

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