モレスキンで抜き書き

10代の終わりから20代にかけて、抜き書きノートというものを作っていました。
主に書籍からの抜き書きを書き連ねていたのですが、雑誌や新聞記事のコピーを貼ってあったり、好きな歌の歌詞を書いたりもしていました。
このノートは数冊ありましたが今手元にありません。30歳になって最初の燃えるごみの日に、10年間続けた日記とともに捨ててしまいました。

そして今、また抜き書きをしようかと思っています。特に理由はなく、なんとなく又やってみようかなぁと思っていた時に松岡正剛さんの「多読術」を読み、それに背中を押されて再開することにしました。
抜き書きノート以外に「読書ノート」も作ります。これはそのとき読んでいる本の登場人物やストーリーを書き留め、読んだ範囲をまとめて行く予定です。
これはスタンダールの「パルムの僧院」を読んだときに、登場人物の名前を追い切れなくなって途中で混乱したことが直接のきっかけです(^^; 特に自分は古典名作を読んでいこうと思ったら、色々ノートに書いて整理しながら読んだ方がよさそうです。こちらは無印良品の滑らかな書き味のノートのA5版を使います。

さて抜き書きにどういうノートを使うかですが、希望は

  • 紙がしっかりしていて書きやすい。ハードカバーなら尚可
  • A5サイズ程度
  • 方眼

の3つ。なぜ方眼かというと、縦書きしたいからです。
横罫に縦書きはそもそもやりにくいし、無地だとまっすぐ書けない。
自分が読む本はほとんど縦書きなので、抜き書きも縦書きを基本としたい。

結局モレスキンのラージサイズを買いました。縦書きなので、ポケット側から書いていきます。

最初のページには、小波の落款スタンプと書き始めた日の日付を

最初の見開き (通常の使い方なら最後の見開き) には、大好きな本・何度読み返したかわからない本、高橋悠治「カフカ/夜の時間」の言葉を。

 

…自分用のノートがある。本からの抜き書き、音やリズムの思いつきにそえたメモ、演奏のしかたについての走り書きなど。
 ノートは最後のページまで使うことはなく、途中で放棄する。何年かたつと、別なノートにまた、おなじようなことを書く。ここには蓄積がない。わずかな思いつきの変奏があるばかりだ。本からとった他人のことばも、姿を変え、意味を変えて、別なものになっていく。
 このノートは方法論のためだと、ずっと思っていた。だが、目標や方法を信じなくなったあとでも、やはりノートはつづく。そこで、気がついた。これは、音楽の前の、朝の祈りのようなものだった。
(p134「音に向って」)

 

そしてもうひとつ。

 

 ことばをかきはじめた時、それによって世界がもっとよくみえるとおもったが、ことばはただ光であるだけではなかった。それは曇り空のように、ひとつひとつをあざやかにみせながら、その全体に影をなげかけるものでもあった。

 自分のかいたことばにまようこともある。それが別な発見のはじまりとなることもある。ことばのとどかないあちら側に真実があるとはかぎらない。かかれてしまえば、ことばは真実ではつくせない意味をもつこともありうるだろう。

 よみかえすことは、かきかえることだ。メモをかき、かきうつし、かきなおす。自分に必要なのはそれだけだ。本のかたちになった言葉は失われたメモ、他人にひろわれた紙片、もうかきなおすことはないが、どっちみち最終的なかたちにたどりつくことは決してない未完の断片なのだ。…
(あとがき)

 

字はかなり汚いですw

以降、自分の心に留まっている言葉をちょっとずつ書き足していく予定です。しばらくは新しい言葉ではなく、かつての抜き書きノートにもあった言葉ばかりになりそうです。

「カフカ/夜の時間」は1989年に出版され、すぐに購入した本ですが、もうかなり汚くぼろぼろになっています。読み返すたびに、この人の言葉に対する感覚のすごさに驚かされる。

高橋悠治は「作品はノートの仮の姿」という趣旨のことも言っています。
勝手な考えですが、「作品」を「人生」に置き換えると、なんとなくユビキタスキャプチャーに重なってくる気がしてなりません。

 

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2011年1月15日 12:46 追記
このエントリが、モレスキナリーさんに掲載されました!
モレスキナリーさんへの掲載は、「モレスキンに直接ペンをぶら下げるハック」に続き2回目です。
モレスキナリーさん、ありがとうございました!

 

2011年2月16日 12:43 追記
ここに掲載した抜き書きノートが、日経ビジネスアソシエ2011年3月1日号に掲載されました!!
モレスキン特集ページで、他のモレスキンユーザ8名の方とともに掲載されています。
日経ビジネスアソシエ編集部のみなさん、モレスキナリー主宰のYOKOさん、ありがとうございました!!

 

2011年9月10日 20:33 追記
ここに掲載した抜き書きノートが、2011年9月9日に発売された「モレスキン 人生を入れる61の使い方」に掲載されました!!
Lifehacking.jpの堀さんに、すばらしい文章を書いていただきました。
著者の堀さん、中牟田さん、高谷さん、そして編集担当の市川さん、ありがとうございました!!

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“モレスキンで抜き書き” への3件のフィードバック

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