月: 2013年7月
《気になる》図書館に通う—— 当世「公立無料貸本屋」事情
今年前半に読んだ本の大部分は図書館で借りたものです。今読んでいる本もそう。結構な冊数のリクエストを出し、幸い大部分を入れてもらうことができました。
受験生の頃はエアコンのない実家を出て、図書館で勉強していました。特に夏休みは大盛況で、開館前に数十人が行列を作り、開館時はまず本の貸出・返却の人を中に入れ、それから勉強の人が入場。机の場所取りがすごかったものです。
図書館は確かに「公立無料貸本屋」かもしれません。よく行く図書館のカウンターに予約待ちの多い本の一覧が出ていて、かつて村上春樹「1Q84」に300件を超える予約が入っているのを見たとき複雑な気持ちになったことを思い出しました。300番目の人が「1Q84」を手にできるのは一体いつのことでしょう。その人は順番が回ってくるまで予約してことを覚えているんでしょうか。
いつもお世話になっている図書館ですが、内情はなかなか見えてきません。
この本の著者はかつて編集者・翻訳権エージェントとして活躍した人です。
彼の目には図書館がどう見えるのか、気になります。
みすず書房
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揚げ物鍋の油を手早く落とす
揚げ物をした後の鍋をきれいにするの難しい。頑張って拭いても、油はなかなか落ちません。その油をきれいに落とす方法をご紹介します。
もともと実家の母がやっていたのを見て、自分もまねしています。
やり方は至って簡単。油を出した後の鍋に、天ぷらの衣の残りやフライに使った小麦粉を水に溶いたものを入れて、かき混ぜながら加熱するだけです。小麦粉が油を吸ってくれます。
残った衣は、多少薄めても大丈夫です。今回はそのまま使いました。
かき混ぜながら加熱していくと、衣がだんだん糊状になってきます。底だけでなく、側面にも衣があたるようにします。
糊状の衣がひとかたまりになったら終了です。かたまりは捨てます。熱いので捨てるときは注意してください。
これで内部の油はほとんどなくなりました。鍋を洗うのが格段に楽になります。
《気になる》周期表-いまも進化中
周期表というと「水兵、リーベ、僕の船、七曲りシップス、クラークか?」を思い出す人も多いのではないでしょうか。
わたしが習った化学の先生は「『水兵リーベ』だとそこまでしか覚えられないから、周期表を縦に覚えなさい」と言っていました。
当時はその言葉に従い、族ごとに縦に元素名を覚えていました。今じゃきれいに忘れてますが。
これを書くために周期表を改めて見たのですが、自分が高校生の頃とは変わっていますね。
当時の教科書が手元にないので比較できませんが、掲載されている元素がだいぶ増えているし、族の分け方も変わっている気がします。
周期表には化学の発見の歴史が詰まっていると言えるでしょう。今後もきっと変化していくに違いありません。
周期表の並びも元素のあれこれも、ほとんど忘却の彼方ですが、この本を見つけて、改めて周期表のことを振り返ってみるのも良さそうだと思いました。
丸善出版
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この5冊に出会えたことは大きかった #headquake5
ブログ「R-style」さんで「頭をガツンとやられた5冊の本 #headquake5」というエントリを読みました。そして自分にとっての「頭をガツンとやられた5冊の本」とは何か考えてみました。
高橋悠治「カフカ / 夜の時間」
著者の言葉の感覚の鋭さにうならされる1冊。内容は詩集に近く、表現や思考の鋭さが随所に現れています。
特にガツンときた言葉をご紹介します。
…
平和という名詞には動詞がない。
たたかうことは行為なのに。平和は不在によって定義できるだけ。
人間にとっての平和は戦争の前と戦争の後でしかない。
いまが平和ならやがて戦争になるだろう。
…
(「レナード・バーンステインの『平和のためのミサ』によせて」)
「なぜ戦争がなくならないのか」といった言説はいろいろありますが、一番納得がいったのがこれです。
ことばをかきはじめた時、それによって世界がもっとよくみえるとおもったが、ことばはただ光であるだけではなかった。それは曇り空のように、ひとつひとつをあざやかにみせながら、その全体に影をなげかけるものでもあった。
自分のかいたことばにまようこともある。それが別な発見のはじまりとなることもある。ことばのとどかないあちら側に真実があるとはかぎらない。かかれてしまえば、ことばは真実ではつくせない意味をもつこともありうるだろう。
よみかえすことは、かきかえることだ。メモをかき、かきうつし、かきなおす。自分に必要なのはそれだけだ。本のかたちになった言葉は失われたメモ、他人にひろわれた紙片、もうかきなおすことはないが、どっちみち最終的なかたちにたどりつくことは決してない未完の断片なのだ。…
(あとがき)
書くこと、表現することの持つ意味を、これだけ鮮やかに切り取った言葉を知りません。
みすず書房
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内田百閒「サラサーテの盤」
今はもうない福武文庫の1冊。
内田百閒の小説の中でも特に好きな「梟林記」「東京日記」「サラサーテの盤」が収録されています。
特に「梟林記」。10ページほどの短い小説ですが、最後の最後、女の子の無邪気な行為がとても恐ろしく感じてしまう。
「梟林記」は現在ちくま文庫で読めます。
筑摩書房
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岡本かの子「食魔 岡本かの子食文学傑作選」
小説と随筆の2部構成で「食べること」の意味を考えさせられます。特に小説は「これはすごいものを読んだかもしれない」と思ってしまったほど鬼気迫るものがあります。
人間の業を真正面から受け止めることがどういうことなのか、がわかります。
講談社
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岡敦「強く生きるために読む古典」
著者の人生が非常に色濃く出たブックガイドです。本は生きのびる助けになるし、自由に読んでいい。難しく感じていた古典も、人生の強力な武器になる。
「本をどう読むか」「人生と本の関わり」について、今までない視点を得られます。
集英社 (2011-01-14)
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高山真「愛は毒か 毒が愛か」
よく「幸せになりたい」と言いますが、人生では幸せそのものが重荷になることもあるわけで。「当たり前の幸せ」ではなく「自分にとっての幸せ」を得るためにはどうしたらいいのか。そのためには何を考えるべきなのか。
この本を読んで、自分が世界とどう関わっていくか、が少し変わった気がします。
もともと女性向けに書かれたエッセイで内容はちょーっと下品ですが、男性でも女性でも、幸せについて考えてみたい人にお勧め。
わたしはR-styleさんのように「なぜこれがガツンときたのか」は明確に分析できません。でもこの5冊が本当にガツンときたことは確かです。