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《気になる》堕落部屋

堕落部屋。なんとも蠱惑的な言葉です。表紙の部屋は服に埋もれています。住んでいるのはコスプレイヤーでしょうか、それっぽい服が見えますね。
わたしは一人暮らし歴約15年ですが、片付いていない部屋での生活はあっても、趣味のものに埋まった生活はほとんどしたことがありません。貧乏とてつもなく暇なし、という生活が長かったのが主な理由です。
好きなものに押しつぶされそうな堕落部屋での生活、ちょっとあこがれます。実際押しつぶされるまで好きなものに囲まれる生活を送るには、それなりの覚悟がいると思いますが。

 

堕落部屋
堕落部屋

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《気になる》吉本隆明

吉本隆明の写真集です。存在を知ったときの素直な感想は「吉本隆明の写真集が出るのかぁ」でした。
確かに彼ならば、写真集が作れるくらい撮られているでしょう。買うのはやはり彼の熟読者の皆さんでしょうか。

吉本隆明の写真と言えば、雑誌ananに掲載されたコム・デ・ギャルソンを着た写真は掲載されているのでしょうか。
わたしはこの写真に端を発した「吉本隆明と埴谷雄高の論争」を読んだ人の感想について書かれたコラムは読んだことがありますが、その写真も論争も直には見ていません。
件の写真が掲載されているならぜひみてみたい。本当に単純にどんな写真なのか、どんな服を着ていたのか見たい、というだけなんですが。

 

吉本隆明
吉本隆明

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《気になる》広告は私たちに微笑みかける死体

微笑みかける死体とは、かなり衝撃的なことばです。
この本の著者が撮影した、90年代のベネトン広告。広告写真としてはショッキングなもので、議論を呼んでいた記憶があります。それらの写真のうち、1点だけ覚えています。HIVをテーマにした写真です。
「広告は私たちに微笑みかける死体」の真意とは何か。商業写真を撮る写真家が、ここに思い至るまでには何があったのか。そして「死体」を映す写真家の内に葛藤があるのか否か。

写真や広告について不案内でも、なにか心がざわめく感じがします。

 

広告は私たちに微笑みかける死体
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《気になる》東京右半分

ここでいう東京の右半分とは、台東区から東のことだと思われます。過去15年ほど東京とその近郊に住んでいましたが、東京の右半分とはほとんど縁がありませんでした。東京の右半分は「通過する場所」です (千葉は親戚が住んでいるので縁がある)。
そういう自分にとっての空白地帯、東京の右半分。いったいどんな世界なのか。

都築響一さんの本は「TOKYO STYLE」「夜露死苦現代詩」を読んだことがあります。「夜露死苦現代詩」はすごく面白かった。悪趣味一歩手前の、問答無用の面白さ。「TOKYO STYLE」にしてもリアルライフの稠密さがとてもよかった。「東京右半分」も、妖しさいかがわしさ面白さが詰まっていて、問答無用に面白そう。

 

東京右半分
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TOKYO STYLE (ちくま文庫)
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《気になる》TOKYO研究所紀行

企業や独立行政法人に研究者として勤めている友人が何人かいます。全員違う分野の研究をしています。当然ながら実際に働いているところは見たことがありません。
大学の授業の一環で、化粧品メーカーの研究所を見学に行ったことがあります。研究所内部に入ったことはこの1度だけです。
研究所で働く人の写真は、「公僕—The Japanese civil servant」という、現場で働く国家公務員を被写体にした写真集で見たことがあります。酒類総合研究所とか水産総合研究センター増養殖研究所日光庁舎が取り上げられていたと思います。
「公僕—The Japanese civil servant」は所有していたのですが、水害でページが全部くっついてしまい、泣く泣く処分しました。

研究所というのは、生活からは遠いものです。例え家族に研究者がいたとしても、やっぱり遠い場所には変わりない気がします。
でもだからこそ、研究所はのぞいてみたい場所のひとつなのです。このムックで取り上げられているのは、かなり表面の部分だけの気はしますが、知らない世界に触れる楽しみにあふれていそうです。

余談
昔某生活用品メーカーの研究所所長の講演を聴いたことがあります。その講演で「所長の仕事は、まずは予算を取ってくること、そして何かあったときに謝りに行くことだ」という趣旨のことを語っておられました。聞いたのは学生時代のことなので、その方はもう所長を退いてらっしゃると思います。

 

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《気になる》感動

この写真集と齋藤陽道さんのことはWEB本の雑誌の紹介記事で知ったのですが、最初はあまりにストレートなタイトルに「えっ」と思ってしまいました (「感動」ということばがあまり好きではないのです)。普通なら「なんだかなぁ」と思ってそのまま通り過ぎたかもしれない。
通り過ぎなかったのは、記事にある齋藤さんの

何もかもが同じだということもなければ、決定的に違うということもないと思います

ということばが引っかかったからです。
何もかもが同じだということもなければ、決定的に違うということもない。存在するものが一列に並んでいる世界を表現しようとする写真。タイトルにはびっくりしたけど、写真はぜひ見てみたい。

上記のことばは障害に関して出てきた言葉ですが、それに限らず、世界とフラットに関わっていくために、絶対に必要な視点だと思います。

 

感動
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《気になる》それ行け!! 珍バイク

「珍バイク」などと聞くと、「デコバイク = デコトラのバイク版」か、と思ってしまいますがそうではない。
ベトナムで撮影された、あらゆる物を積んで、バイクとは思えなくなったバイクの写真集です。
表紙は家鴨?と鶏を満載したバイクです。家鴨は生きている気がする。鶏はどうだろう。
スーパーカブのようなバイクがほとんどみたいです。カブ自体かなりの積載物に耐える乗り物だと思いますが、それにしてもここまでくるとすごい。
重さもそうですが、これだけの物を積んでちゃんと走れるんですよね。おそらくスピードも結構出すのでしょう。それを考えると、ライダーたちの運転テクニックもまたすごい。
理屈抜きに、ただ見ているだけで楽しそうな写真集です。

 

それ行け!! 珍バイク
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余談
東南アジアで疾走するバイクはこんな感じのようです。舞台は約30年前のバンコク、バイクはカブではなくもっと大型のようですが、この写真集のベトナムも、雰囲気は同じかもしれません。

…少なくともここではオートバイを「青春」といい換えることはできない。「自由」または「逃走」という言葉を連想させない。かといって「狂気」も適当ではない。しいていうならば「生活」である。この街では疾走もまた生活である。ワイシャツをうしろまえに着て風をよけながら一家五人乗りのオートバイが時速八十キロメートルで走っていく。彼らは一家だんらんと暴走を同時に行う。熱帯の大都市で、実用と趣味は渾然として国境を失う。

関川夏央「貧民夜想會」収録「バンコクの三悪人」

 

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《気になる》文学少女図鑑

7月17日発売の本です。
文学(美)少女の写真集。「読書する美少女」が1冊の写真集になる力まで持っているとは想像だにしませんでした。
自分の周囲には、美少女も文学少女もいなかった。必然的に文学美少女に出会ったことはありません。
中森明夫特別寄稿というのが、いかにもですね。これはちょっと読んでみたい。

ところで最近「読書芸人」なる言葉があることを知りました。「読書好きな芸人」のことでしょうか。読書すること自体が芸になるんでしょうか。
いったいどういう経緯で「読書芸人」という言葉ができたのかわかりません。そもそも芸人って、昔から結構本を読んでいる人というイメージがありましたが、そうでもないのでしょうか。

「文学少女図鑑」と「読書芸人」から思ったこと。
「読書」って、そんなに特別なことなんだろうか?

 

文学少女図鑑
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「わたし」って? 〜 これ、わたし

たくさんのふしぎ」の1冊、さわだともこ「これ、わたし」。「たくさんのふしぎ」を読んだのは初めてです。澤田知子さんの作品を見るのも、これが初めて。

「これ、わたし」には34枚のセルフポートレートが掲載されています。服装はすべて青いタートルネックで、メイクと髪型、アクセサリーなどで変身しています。
人の印象は髪型とメイクでかなり変わるものだ、ということはもちろん知っているし、実際に変わった場面にだってたくさん出会ってきました。これは大人なら誰だってそうでしょう。
メイクは女性ですが、男性だって髪型で印象が変わる。めがねまで含めたアクセサリーで変わるのも男女同じ。
それでもそれを34枚連続で見たら、とても妙な気分になりました。「同じ人には見えない」写真がたくさんあります。しかしわたしはそこに映っている人は1人しかいないことを知っている。それはセルフポートレートという手法があることを知っているからだろうし、ある人がまるで違ったイメージに変わる場面を実際に知っているからでしょう。
「たくさんのふしぎ」は小学3年生以上対象の雑誌ですが、例えばセルフポートレートなんて知らない、人のイメージが髪型やメイクで変わる場面を知らない小学生がこれを見た時にどんな風に思うのだろう。
これだけの「同じ人に見えない同一人物の写真」を見て、その人が「その人だ」と思うのは結局何が決め手なんだろう、という素朴な疑問が残りました。

澤田さんの作品ではOMIAIが気になります。お見合い写真という、あの独特の写真をどう表現しているのか。

 

月刊 たくさんのふしぎ 2011年 12月号 [雑誌]
さわだともこ
福音館書店 (2011-11-02)

 

OMIAI
OMIAI

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澤田 知子
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余談
写真の内容からはそれますが、ぱっと見で「男性に見える女性」「女性に見える男性」は、何が「決め手」でそう見えるのか、これがわからない。髪型やメイクの有無、さらには服装でもない気がするのです。

 

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