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《気になる》認めて励ます人生案内

わたしは増田明美さんについて、女子マラソンの第一人者であることと、現在は解説者として活躍していること程度しか知りません。

増田さんは読売新聞「人生案内」で回答者をしています。今はオンラインでは会員登録しないと読めなくなってしまいましたが、以前はちょこちょこ読んでいました。
その中で彼女の回答をいくつも読みましたが、非常に的確で伝え方もうまいと思いました。説教でもなく、哀れむのでもなく、その人を受け止めて、きちんと返答する。これはなかなかできることではないと思います。人に何か相談を受けたとき、つい相手を責めるようなことを言ってしまったりしますからね。
彼女がマラソンの名解説者であると言われるのが分かる気がしました。分析が的確で、返答も相手を追い詰めるようなことは書かない。

オンラインの「人生案内」は読めなくなってしまいましたが、本で読み返すのもいいかもしれません。「人からの相談にいかに向かい合うか」の見本だと思います。

余談
かつて読んだ「人生案内」の相談で一番印象に残っているのが

部活の後輩に恋をし、毎日苦しむ高3男子の「僕はどうしたらいいのでしょう」という相談

です。
回答は作家の高橋秀実さんだったのですが、「とにかく今はしっかり勉強してください。」から始まって、色々な学問がなぜ生まれてきたか、勉強を頑張ることが「できる男」「モテる男」につながる、という内容で、「なぜ勉強しなくちゃいけないの」という問いに対する非常に明快な答えだと思いました。思わずスクラップしてしまった位です。

 

認めて励ます人生案内
認めて励ます人生案内

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増田 明美
日本評論社
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《気になる》堕落部屋

堕落部屋。なんとも蠱惑的な言葉です。表紙の部屋は服に埋もれています。住んでいるのはコスプレイヤーでしょうか、それっぽい服が見えますね。
わたしは一人暮らし歴約15年ですが、片付いていない部屋での生活はあっても、趣味のものに埋まった生活はほとんどしたことがありません。貧乏とてつもなく暇なし、という生活が長かったのが主な理由です。
好きなものに押しつぶされそうな堕落部屋での生活、ちょっとあこがれます。実際押しつぶされるまで好きなものに囲まれる生活を送るには、それなりの覚悟がいると思いますが。

 

堕落部屋
堕落部屋

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川本史織
グラフィック社
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「今年これはやめよう」と思ったこと

昨年末に「来年これをやめよう」と思ったことがあるのでメモします。

エレベーターの閉ボタンを押すのをやめる・エスカレーターで歩くのをやめる
エレベーターの閉ボタンを押して短縮できる時間は数秒、エスカレーターで歩いて短縮できる時間も、せいぜい数十秒。このわずかな時間を惜しむような心持ちでいるのはよくないな、と思ったので。惜しんでも、その時間を超えるものは手に入らない気がするのです。
数秒・数十秒を惜しまずにいられるスケジュールで動くようにしたいです。

寝る前にPC・スマートフォンを使うのをやめる
現在の就寝前の行動パターンは
入浴 → web見たりゲームしたりしながらぼんやり → 就寝
という感じです。このweb見たりゲームの時間をなくして、少し早く寝るようにしたいと思っています。

どちらも小さなことですが、焦りを減らしゆったり生活するためにやってみようと思います。

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《気になる》この年齢だった!

生きていれば転機はいくらでもやってきます。その一つ一つはとても小さなものだったとしても、人生の方向をちょっとずつ変えていきます。
しかし、本当に人生を決定してしまうような大きな転機は、そうはないでしょう。
自分の人生を振り返ってみると、小さな転機、やや大きな転機はいくつもありましたが、幸か不幸か「あれで人生が大きく変わった」という転機には遭遇していません。
これからそんな転機がくるかどうかわからないけど、もしやってきたら、自分の意志でそこを乗り越えていきたい、乗り越えていける自分でありたいと思います。

この本に取り上げられているのは全員女性で、それぞれ何歳の時にどんな転機があったかを追いかけています。その年齢だからこその転機、その年齢だからこそ乗り越えられた転機は確かにあるでしょう。
それぞれの女性が何に遭遇し、どうやってそこを超えていったか、興味があります。

 

この年齢だった!
この年齢だった!

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酒井 順子
集英社
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《気になる》ピーことば—ピーコの言葉

わたしはピーコは特別好きではありませんが、表紙の

 

ハッピーなオバさんになりたければ、お読みなさいっ!

 

を見て「この本はチェックせねば」と思いました。
「ハッピーなオバさん」って、まさに自分が目指したいところだからです。

先日30年来の友人と電話で話したのですが、その時「これから横じわをいっぱい刻んで生きていきたいね」と言いあいました。
自分はこれまで、縦じわが残りそうな表情ばかりしていました。しんどいこともたくさんありましたが、どうも自分は「悩みすぎる」面があるようです。
ここ数年で「深刻に悩んでもそれほど悩まなくても、物事の結果には大して差が出ない」ということがだんだんわかってきて、以前よりはあらゆる面でのこわばりがとれてきた気がします。まあ、未だにうじうじした悩みとは完全には縁が切れてませんが。
悩みの深さと物事の結果の関係に気づくのに時間がかかってしまいましたが、それでもこれからはできるだけ横じわが多くなるようにしたい。この本はいいヒント集になりそうです。

 

ピーことば—ピーコの言葉
ピーコ
主婦の友社
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《気になる》未亡人読本: いつか来る日のために

「未亡人」かぁ。確かにいつか「その日」がくるかもしれない。
人が死ぬとかなり忙しい、と言いますね。わたし自身は祖父を看取ったことがあるだけで、その忙しさの当事者になったことはありませんが。
人が死んだ直後からばたばたと忙しくなり、それが終わって相続のごたごたがあり (「遺産を巡る遺族の骨肉の争い」は、既にわたしの周囲でも数件起きています)。これらをしっかり乗り越えていくには、確かに心構えが必要かも。心構えだけじゃなく、お金などの面でも。
連れ合いが亡くなったときのための備えなんて、縁起でもないと思われるかもしれないけど、男も女も、心の隅に備えをしておくことは必要かもしれませんね。

 

未亡人読本: いつか来る日のために (新潮文庫)
河治 和香
新潮社 (2012-08-27)
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いつ訪れるかわからない悲しみにどう向かうか〜ものすごくうるさくて、ありえないほど近い

この本を知った直接のきっかけは読売新聞の書評にでていたこと。内容もさることながら、タイトルと表紙の絵?が強く印象に残りました。「手」と「書き文字」から、ベン=シャーンを連想してしまいました。だいぶ雰囲気は違うのですが。

主人公の少年オスカーが9.11同時多発テロで父親を亡くしていることもあってか、東日本大震災にからめて語られる (この書評もそうですし訳者あとがきにも言及がありました) のですが、できるだけそういうことは意識しないで読むようにしました。登場人物達が様々な形で悲しみ、その悲しみが癒える過程にただ寄り添う感じ。
フィクションとはいえ悲しみに向き合うことはしんどいことであり、ボリュームもあるし読みやすい本とは言えません。しかしなんとも表現しようのない心の揺れが残る小説でした。
その揺れがどこから来ているかというと、登場人物達が発する言葉です。生きること、考えること、そういう根源的な活動に対する問いが複数の人物からいくつも発せられます。そしてふるえ、泣いたり惑いながら、最後に悲しみが癒えていく。その生々しさに揺さぶられたのだと思う。

物語の最後に9.11同時多発テロ後に何度もテレビや新聞に映し出された「世界貿易センタービルから落ちる人」の連続写真が出てきます。その直前で、主人公のオスカーがもともと持っていた連続写真を並べ替えるシーンがあり、並べ替えられたあとの連続写真が載っているのです。その連続写真を見て、わたしは言いようのない衝撃を受けました。「あり得ない」順序に並べられた連続写真を見て、なぜ自分はそんなに衝撃を受けたのか。

自分が普段読むスピードだと、通勤時間に読んでへたすると2週間で終わらないボリュームですが、時間をかけて少しずつ読むより一気に読む方が向いている小説だと感じました。年末年始休みに時間を取って読んでそう感じました。もし1ヶ月早く読んでいたら間違いなく「2011年の10冊」に入れていたと思いますが、結果的に読むタイミングがすごくよかったかも。

訳者あとがきで知ったのですが、映画の公開が近いのですね。見てみたくなりました。普段はそんなこと思わないのですが。
愛知ではミッドランドスクエアシネマで上映のようです。

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
ジョナサン・サフラン・フォア
NHK出版
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今年もいい本に出会えた〜2011年の10冊 #10book2011

 

昨年に引き続き、@stiloさんの企画「#10book2011」に参加します。

 

2011年に読んだ本から10冊選んでブログで発表しよう! #10book2011 – stiloの25時間目

 

 

 

 

読むのが遅いので1年で読んだ冊数は多くありませんが。
2010年と同様、順位はつけません。

書肆小波の「2010年の10冊」はこちら
2010年の10冊 #10books2010 – 書肆小波

 

 

 

 

 

強く生きるために読む古典
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生きるための古典 〜No classics, No life!」は、日経ビジネスオンラインの連載の中でも一番好きです。
本の力だけでなく、言葉の力についても気づかされた1冊。
この本(と連載)に取り上げられた本は、まだ少ししか読めていませんが、来年も引き続き挑戦していきます。

強く生きるために読む古典 (集英社新書)
岡 敦
集英社 (2011-01-14)
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論理哲学論考
読書記録はこちら

「生きるための古典 〜No classics, No life!」を見て挑戦した本からはこれを選択。
正直言えば内容はわからなかったけど、それでも思考を紡ぐ言葉の力強さ、ひりひりする緊張感がすごかった。

論理哲学論考 (岩波文庫)
ウィトゲンシュタイン
岩波書店
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生きるチカラ
読書記録なし

第7回西三河朝会の課題として取り上げた本ですが、これは読んでよかった。よくある自己啓発書とは違った視点で、自分のやるべきことについてヒントを得られました。

生きるチカラ (集英社新書)
植島 啓司
集英社 (2010-07-16)
売り上げランキング: 77450

 


悪童日記
一九八四年
ハーモニー

「悪童日記」読書記録はこちら
「一九八四年」読書記録はこちら
「ハーモニー」読書記録はこちら

「ぞわっときた」小説3点。「悪童日記」「一九八四年」は定番中の定番ですが、もっと早くに読めばよかった。
伊藤計劃は「虐殺器官」も「ハーモニー」もどちらも衝撃的でしたが、最初に読んだ「ハーモニー」を選択。

悪童日記 (ハヤカワepi文庫)
アゴタ クリストフ
早川書房
売り上げランキング: 14550

 

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)
ジョージ・オーウェル
早川書房
売り上げランキング: 1161

 

ハーモニー (ハヤカワ文庫JA)
伊藤 計劃
早川書房
売り上げランキング: 4983

 

四十路越え!
読書記録はこちら

実にいいタイミングでこの本に出会ったと思います。自分がしていることは間違っていない、という励みになりました。この先の人生を乗り切るためのカンフル剤になったと思います。

四十路越え!
四十路越え!

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湯山 玲子
ワニブックス
売り上げランキング: 59787

 

巡礼コメディ旅日記—僕のサンティアゴ巡礼の道
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旅のよさを再認識。紀行文学としても自己啓発書としても非常によかった。
ここに書かれたような旅と出会いを、自分もできればいいな。

巡礼コメディ旅日記——僕のサンティアゴ巡礼の道
ハーペイ・カーケリング
みすず書房
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ねにもつタイプ
読書記録なし

「しなやかな頭」「しなやかな言葉」とはどういうものか、この本を読めばわかります。
直接役に立つことは何も書いてないけれど、読んで笑いながら頭を軟らかくできる本です。

ねにもつタイプ (ちくま文庫)
岸本 佐知子
筑摩書房
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遠い町から来た話
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「大切にしたい何か」にあふれている、涙が出るくらい美しい本。これは読んで本当によかった。心の中に「大切にしたい何か」をいつもしっかり抱いている人間になりたい。

遠い町から来た話
遠い町から来た話

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ショーン タン
河出書房新社
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これらからベスト3を挙げると「強く生きるために読む古典」「巡礼コメディ旅日記—僕のサンティアゴ巡礼の道」「遠い町から来た話」の3点。今年はいい本に出会えたと思う。

 

 

次点
東京トンガリキッズ
東京トンガリキッズ2011

読書記録はこちら

「東京トンガリキッズ2011」は東日本大震災のチャリティで書かれた短編小説で、「東京トンガリキッズ」は再読なので次点としました。
友人に借りて「東京トンガリキッズ」を読んだのは約20年前。
「東京トンガリキッズ」にしても「東京トンガリキッズ2011」にしても、「世界が終わる日」が非常に重く響きます。

やはりこの言葉は心に響いた。


NO FUTURE、 NO CRY
(未来はないけど、泣いちゃだめだ)
(「東京トンガリキッズ」p219 一九八九年一月七日のパンクロック)

東京トンガリキッズ (角川文庫)
中森 明夫
角川書店
売り上げランキング: 130044

 

「東京トンガリキッズ2011」は期間限定 (2012年3月まで) コピーフリーです。フリー期間は当サイトで読めるようにしてあります。
本文はこちら (リンク先pdf)。
また、奥付に「当サイトでの販売金額 (500円) もしくは任意の金額の、義援金としての日本赤十字社あて送金をお願いしたい」旨の注記があります。

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「良い無理」を重ねていこう〜四十路越え!

年代別の「今これをやるべき」といった本は普段は手に取らないのですが、この本には呼ばれました。

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