月: 2012年8月

《気になる》TOKYO研究所紀行

企業や独立行政法人に研究者として勤めている友人が何人かいます。全員違う分野の研究をしています。当然ながら実際に働いているところは見たことがありません。
大学の授業の一環で、化粧品メーカーの研究所を見学に行ったことがあります。研究所内部に入ったことはこの1度だけです。
研究所で働く人の写真は、「公僕—The Japanese civil servant」という、現場で働く国家公務員を被写体にした写真集で見たことがあります。酒類総合研究所とか水産総合研究センター増養殖研究所日光庁舎が取り上げられていたと思います。
「公僕—The Japanese civil servant」は所有していたのですが、水害でページが全部くっついてしまい、泣く泣く処分しました。

研究所というのは、生活からは遠いものです。例え家族に研究者がいたとしても、やっぱり遠い場所には変わりない気がします。
でもだからこそ、研究所はのぞいてみたい場所のひとつなのです。このムックで取り上げられているのは、かなり表面の部分だけの気はしますが、知らない世界に触れる楽しみにあふれていそうです。

余談
昔某生活用品メーカーの研究所所長の講演を聴いたことがあります。その講演で「所長の仕事は、まずは予算を取ってくること、そして何かあったときに謝りに行くことだ」という趣旨のことを語っておられました。聞いたのは学生時代のことなので、その方はもう所長を退いてらっしゃると思います。

 

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《気になる》随筆 辞書を育てて

中学校の入学祝いに、伯父から岩波国語辞典第三版をもらいました。最新は第七版でしょうか。以来ずっと、この辞書を使っています。高校時代はこれと英和辞典を鞄に詰めて通学していたという。
最近はiPhoneアプリの大辞林を使うことが増えて、紙の辞書を引くことは減りました。しかしやはり自分にとって一番なじみのある国語辞典はこの岩波国語辞典であることには変わりありません。
「適当にページを開いて、そこにある項目を読む」という楽しみは、電子版辞書ではなかなか味わえないと思うのです。「適当にページを開く」のと「ランダムに項目を表示する」は、個人的に似て非なるものだと思うのです。
この本の著者は、岩波国語辞典の編者です。自分には一番なじみ深い辞書編者ですね。辞書を作る人はどのようにして言葉と向き合ってきたのか。楽しい話が読めそうです。

 

随筆 辞書を育てて
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《気になる》ブックビジネス2.0 – ウェブ時代の新しい本の生態系

電子書籍についての話が何度目かの盛り上がりを見せてだいぶ経ちます。
わたしは電子書籍が主流になっても紙の本を読み続けるでしょう。
なぜなら、まず単純に読みにくいからです。iPadにせよ電子ペーパーにせよ、どうも「本のページ」として目になじまない。そして端末が全く変形できないし固すぎて持ちにくいから。
もちろん感じ方は人によって色々だと思います。自分はこれらの点になじめなくて、電子書籍は避けたいと思っています。

本の未来を語るとき、電子書籍の存在は絶対無視できないだろうし、電子書籍とは関係なく本自体も変わっていくでしょう。現在の本そのものが、歴史を経て変化した末にあるように。
今の紙の本、そして書店はこのままであってほしい。でもよりよい形があるのなら、その可能性も探ってほしい。そういう可能性を確認するテキストとして面白そうです。

 

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《気になる》THE BOOKS 365人の本屋さんがどうしても届けたい「この一冊」

最近は書籍の広告に、書店員のコメントが採用されることが多くなりました。特に増えたのはここ数年、本屋大賞が盛り上がってきてからの気がしますがどうなんでしょう。
今の自分には「個人的に話ができる書店員」がいません。書店員と話す機会は探している本が店のどこにあるかわからない場合くらいです。
本当は本について色々教えてくれる書店員がいると、すごく楽しいんですけどね。
この本は全国365書店の書店員さん一押しの本を集めたブックガイドです。
個人的に手書きのキャッチコピーにあまり興味はありませんが、どんな本が取り上げられているか、そしてその本が選ばれるに至ったエピソードをじっくり読んでみたいです。

 

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《気になる》とにかくうちに帰ります

津村記久子は「ワーカーズ・ダイジェスト」しか読んだことがありません。「ワーカーズ・ダイジェスト」は読んでじわっと共感でき、でもただ「わかるわかる」では終わらない小説でした。熱すぎず冷静すぎず、でもちゃんと芯があって、働く人の姿をきちんと書きながら「ビジネス小説」になっていないところに好感を持ちました。
「とにかくうちに帰ります」。仕事にまつわる諸々をうっちゃって、この台詞を吐いて帰宅したい日はあります。大変なことがあった日だけでなく、ちょっとしたつまづきや、うまくいかないことがあった日にも。
「帰ります」と勇ましくなくても、「(○○が終われば) 帰れる」という弱気でも、家に帰ることは安心感や落ち着きを伴うものだと思います。仕事上のあれこれをリセットする働きもあるでしょう。
「とにかくうちに帰ります」。この言葉のもとでどんな小さな事件が起きるのか、気になります。

 

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《気になる》考える鉛筆

仕事中はシャープペンシルを使っていますが、個人的な書き物は鉛筆を使っています。
「筆記具で何が一番好きか」と聞かれたら、迷わず「鉛筆」と答えます。一番手になじむ筆記具だから。
六角形で濃さはB。筆圧が強いわたしには、Bがちょうどいい。これより固いと手首が疲れてしまうし、柔らかいとすぐにちびてしまう。鉛筆がちびるのも味のうちではあるんですが、あまり早いと削るのが大変になるので。

Amazonの内容紹介に

思考のジャマをしない唯一の筆記用具

とありますが、わたしもそう思います。形が単純で、書く機能しかない。手になじむ。
鉛筆について、役に立たない話をひたすらに語る本なんて、とても楽しそう。

以下、鉛筆にまつわるくだらない話

  • 以前仕事中にカッターで鉛筆を削っていたら、自分より年上の女性社員から「器用なのね」を言われました。手動の鉛筆削りも持ってますが、カッターで削るのが基本でしょう。そんなにきれいに削れるわけじゃあありませんが
  • 眠くなったときなど、鉛筆を鼻の下に挟んで鼻から空気を吸うと、木の香りのせいか、多少頭がすっきりします
  • 六角形の鉛筆を親指と人差し指で挟んで転がすと、指先が刺激されるせいか、多少頭がすっきりします

 

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《気になる》男子にオススメの少女マンガ大百科

ちくさ正文館の店頭で発見しました。

少女まんが好きな男性って、どれくらいの割合でいるのでしょうか。
わたしはまんが雑誌はずっと「花とゆめ」ばかり読んでいました。なので紡木たくなんかは全く読んでいません。古典的作品も読んでいないものが多い。結構狭い範囲しか知りません。
大島弓子は、つい最近知人から選集をまとめて借りて読みました。次は三原順を読みたい。最晩年の作品しか読んだことがないのです (余談ですが三原順のことは訃報に接するまで男だと思っていました)。
このガイドは男性向け・男性目線で選ばれているようですが、意外と女性目線で選ばれたものより面白いものに出会えそう。

「花とゆめ」ばかり読んでいた、と書きましたが、最近杉山志保子と秋月由利を無性に読み返したくなっています。しかし杉山志保子は古本を探せばあるでしょうが、秋月由利は今となっては読むのは難しいでしょうね。

 

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《気になる》なぜヤギは、車好きなのか? 鳥取環境大学のヤギの動物行動学

年に何度か、ひとりで東山動物園に出かけます。わたしはいい年して動物園が好きです。
園内をぶらぶらして、こども動物園にも必ず行きます。ここで50円でえさを買って、山羊にあげるのです。
山羊はえさを買っているところをめざとく見つけ、山羊の柵に向かって歩いて行くと一斉に寄ってきます。でもって取り合いになる。他の山羊を足蹴にするなんてしょっちゅうです。
わたしにとって山羊はあまり身近な存在ではありません。動物園以外で見たことがないからです。実家の周辺は農家が多く、牛や豚はいたのですが山羊はいなかったのです。
最近では河原などの除草に山羊を使ったりするケースもあるので、動物園以外でも会える機会ができるかも。山羊はなじみは薄いけど、近くにいたらちょっとうれしい動物かも。

さて、山羊は車が好きらしいです。車を見ると寄っていくのでしょうか。インコは鏡を見ると、鏡に映った自分をくちばしでつついていましたが、山羊はどうするのでしょう。気になります。

 

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余談
東山動物園のこども動物園では、天気がいいと山羊が2頭ほど柵の外に出ていることがあります。そうすると「山羊が手にえさを持った小さな子供を追いかけ、子供がおびえて逃げる」ということが起こったりします。

 

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《気になる》僕の描き文字

グラフィックデザイナー・装丁家の平野甲賀さん。非常に特徴のある描き文字で知られています。
リンク先にあるようなスタイルの描き文字を、書店などで見かけた人も多いでしょう。

高橋悠治「カフカ / 夜の時間」表紙
カフカ/夜の時間:みすず書房

 

 

 

 

同じく高橋悠治「カフカノート」表紙
カフカノート:みすず書房

 

 

 

 

平野さんの著書はこれまで何冊か出ていますが、読んだことはありません。文字を描いている人が書いた文字 (の集積たる文章)。
いったいどんな文章を書かれるのでしょう。
あの描き文字がどうやって生み出されるのか、その過程が知りたい。

 

僕の描き文字
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カフカノート
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《気になる》感動

この写真集と齋藤陽道さんのことはWEB本の雑誌の紹介記事で知ったのですが、最初はあまりにストレートなタイトルに「えっ」と思ってしまいました (「感動」ということばがあまり好きではないのです)。普通なら「なんだかなぁ」と思ってそのまま通り過ぎたかもしれない。
通り過ぎなかったのは、記事にある齋藤さんの

何もかもが同じだということもなければ、決定的に違うということもないと思います

ということばが引っかかったからです。
何もかもが同じだということもなければ、決定的に違うということもない。存在するものが一列に並んでいる世界を表現しようとする写真。タイトルにはびっくりしたけど、写真はぜひ見てみたい。

上記のことばは障害に関して出てきた言葉ですが、それに限らず、世界とフラットに関わっていくために、絶対に必要な視点だと思います。

 

感動
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