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《気になる》評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」

ナンシー関が亡くなって今年で10年。生前からずっと「なんとなく気になる人」であります。
わたしはテレビをほとんど見ないので番組とか芸能人のことは知りませんが、それでも雑誌コラムを読んで彼女の鋭さは感じ取れました。
あの観察眼・批評眼、文才はすごい。
「心に一人のナンシーを」とは、非常にうまいと思いました。自分を保つ、あるいは近づくにせよ遠ざかるにせよ世界との距離をうまく取るために、彼女のような存在を心の中においておきたいと思う。心の中にナンシー関をおいておくこと、ナンシー関をナンシー関のまま保ち続けることはとても難しそうだけど。

彼女が死んだ直後、新聞に追悼コラムが載りました (書き手失念)。切り取って持っていましたが、何度かの引っ越しを経て紛れてしまい、今はもうありません。

 

評伝 ナンシー関 「心に一人のナンシーを」
横田 増生
朝日新聞出版 (2012-06-07)
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余談
一度だけ、彼女を間近で見たことがあります。
1996年6月2日、日比谷野外音楽堂で開催されたムーンライダーズの20周年記念ライブ。わたしは立見だったのですが。柵に寄りかかって開演を待つわたしの横を、指定席に向かって足早に通り過ぎたナンシー関。自画像そのままの人でした。彼女が手に座布団を持っていたのを、なぜかはっきり覚えいています。

 

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《気になる》72歳はとバス名物ガイドが教える 使える!通じる! おやじギャグ英語術

このタイトルを見たとき「どう反応したらいいのだろう」などと思ってしまいました。
そもそもおやじギャグは日本人以外にも通じるのか、とか。
バスガイドに男性 (しかも年配の) がいるとは知りませんでした。バスガイドの男女比は、飛行機の客室乗務員と似たようなものなのでしょうか。
英語にせよ日本語にせよ通常のビジネスシーンでギャグを言うのは難しそうだけど、それ以外ではお互いが会話とコミュニケーションを楽しむために、ギャグは確かに武器になる。別に難しいことを言う必要はないし。
笑いを生み出すことは、それだけでコミュニケーションの武器になりますしね。これは日本人同士でも外国人相手でも同じでしょう。笑えるポイントは、外国人との間にも意外と多くあるのかもしれません。

英語で話そうとする時「正確に」「きちんと」話したいと思ってガチガチになってしまいがちなのですが、気にせず笑っていくのもいいかもしれませんね。

 

 

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《気になる》音楽物語「ぞうのババール」

定番の絵本「ぞうのババール」。20年ほど前に忌野清志郎朗読・高橋アキピアノのCDが発売されました。わたしはそれを友人の清志郎ファンから借りて聞きました。
最初「清志郎が朗読? どんなんだ?」などと思ったのですが、落ち着いた語り口で意外と物語にはまっていたのが印象的でした。朗読もピアノ演奏も、どちらも物語にぴったりでよかった。
だいぶ前に絶版になりましたが、復刻されたのですね。もう一度聞いてみたいです。

「ぞうのババール」は友人から借りて聞きましたが、同じような朗読+音楽という形式のCDで「星の王子さま (森本レオ・中嶋朋子・岸田今日子朗読)」「雪のひとひら (矢野顕子・ピーター=ゲイブリエル朗読。日英2枚組)」を購入して聞いています。ただ、どちらもすでに手元にはありません。

 

ぞうのババール
ぞうのババール

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忌野清志郎(語り)
Disc Classica (2012-05-02)
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音楽物語 星の王子さま
音楽物語 星の王子さま

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朗読 薬師丸ひろ子 森本レオ 中嶋朋子 岸田今日子 服部隆之
EMIミュージック・ジャパン (1998-11-06)
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雪のひとひら
雪のひとひら

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朗読 矢野顕子 ピーター・ガブリエル
EMIミュージック・ジャパン (1998-11-06)
売り上げランキング: 264320

 

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《 気になる》〈狐〉が選んだ入門書

〈狐〉は匿名書評家です。80年代の日刊ゲンダイに週1回掲載されていた匿名書評コラム「狐の書評」の書き手で、取り上げられる本もさることながら文章自体がおもしろい、という評判になりました。「狐の書評」の存在は、当時の本の雑誌で知りました。
書評は800字程度で、読んでいてとても楽しい文章ばかりです。単純に読んで楽しく、その本の持つ良さが短い言葉で的確に語られ、「読みどころ」のようなものがストレートに伝わってくるのです。
その匿名書評家〈狐〉が選んだ入門書ガイド。取り上げられている分野は言葉・古典文芸・歴史・思想史・美術。自分が興味ある分野ばかり。平易で読みやすく、自分の視界を開いてくれる本に出会えそうです。

かつて書かれた書評は「水曜日は狐の書評 (読書記録はこちら)」や「もっと、狐の書評」などで読むことができます。

 

〈狐〉が選んだ入門書 (ちくま文庫)
山村 修
筑摩書房
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水曜日は狐の書評 —日刊ゲンダイ匿名コラム (ちくま文庫)

筑摩書房
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もっと、狐の書評 (ちくま文庫)
山村 修
筑摩書房
売り上げランキング: 465914

 

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《気になる》中高年のための文章読本

タイトルだけ見て、「高校生のための文章読本」が文庫になったかと早とちりしました。
「高校生のための」と「中高年のための」だと、何が違うだろう。
高校生が「手つかずの未来をたくさん抱えた存在」だとすれば、中高年は「たくさんのものに手をつけて何かを手に入れたor失った存在」といえるでしょうか。
文章を書くことについて年代で区切ることにあまり意味はないかもしれませんが、根本は同じでもそれぞれにとってよりよいアプローチは違ってくるかもしれませんね。
今の自分・これからの自分がどう考え、どう表現するかについてのヒントがありそうです。

高校生のための3部作「高校生のための文章読本」「高校生のための批評入門 (これは文庫になっている)」「高校生のための小説案内」は、すべて「超絶おすすめ」です。高校生が読むだけなんてもったいない。「読む」「感じる」「考える」「表現する」の基本に立ち返れる本だと思います。

 

中高年のための文章読本 (ちくま学芸文庫)
梅田 卓夫
筑摩書房
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高校生のための文章読本
筑摩書房
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高校生のための批評入門 (ちくま学芸文庫)
筑摩書房
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高校生のための小説案内
筑摩書房
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《気になる》秘密基地の作り方

子供の頃に作ったことがある「秘密基地」。今考えるとそこは近所のちょっとした隙間でしかないのですが、その隙間に見出した秘密基地遊びはとても楽しかった。
この本はそういう秘密基地の作り方をまじめに考察した本のようです。秘密基地で1冊成り立つというのがすごい。秘密基地は子供の遊びではあるのだけど、真剣に考えれば大人でも十分通用する教訓とかテクニックが見つかるのかも。
役に立つとか立たないとか、そんな些末なことはどうでもいい、なんだか妙にわくわくを感じる本です。

Amazonの内容紹介に

「秘密基地的な想像力」

という言葉が出てきます。こういう想像力は生きる上で大切かも。
実際の秘密基地を作らなくても、自分が生きている時間・生きている社会に隙間を見つけ秘密基地を見出すことは、自分をすり減らさないためにも、あるいは新たなチャンスを見つけるためにも絶対必要だと思う。

日本キチ学会なんてのもあるんですね。大まじめにこういうことを考える人、好きです。

 

秘密基地の作り方
秘密基地の作り方

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尾方孝弘
飛鳥新社
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《気になる》花のズボラ飯

ズボラ飯…なんと魅惑的な言葉。
わたしは結構ずぼらな性格なんで、ものすごい親近感を抱いてしまいました。
一人暮らし歴だった頃は毎日終電近くまで残業、休日出勤も当たり前という生活だったので、平日の帰宅後はもちろん、休みの日も何かする気力はほとんどありませんでした。あらゆることに対してひたすらずぼらでした。
食事もほとんど外食、休みの日は作ってもひたすら簡単なもの。まさにズボラ飯ばかりでした。
現在は当時よりずっと時間に余裕のある生活をしていますが、特に忙しかったり疲れがたまったときは、いかに手を抜くかを結構考えます。
もちろん、食事の準備に限らず毎日家事をきちんとやるのが理想だし、そうできるようにいろいろ工夫したりしています。
でもたまにはズボラになってもいいじゃないですか。毎日続くことを全部しっかりやってたら疲れますよ (と、言い訳じみたことを書く)。特に食事の準備は3度もあるし。

料理を題材にしたまんがって、これまで興味がありませんでした。しかしこの作品にはすごく惹かれた。他の料理まんがにありがちな、作る方も食べる方も完璧を求め、その完璧さに疲れるところがなさそうだから。

 

花のズボラ飯
花のズボラ飯

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久住 昌之 水沢 悦子
秋田書店 (2010-12-20)

 

花のズボラ飯(2)
花のズボラ飯(2)

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久住昌之 水沢悦子
秋田書店

 

レシピ集まであるんですね。

 

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《気になる》さよなら僕の夏

先日、レイ=ブラッドベリが亡くなりました。彼の本で読んだことがあるのは、今年5月に読了した「たんぽぽのお酒」だけです。
この本は10年ほど前に参加していた、出身大学の倫理学教授を囲んだ読書会の課題になっていたのですが、この時は残念ながら都合が悪くて参加できず、その後も未読のままでした。
そして読了後に、「たんぽぽのお酒」に続編があること、しかもそれがかなり最近になって書かれたことを知りました。「たんぽぽのお酒」はとても美しい物語で、読み終わってしまうのが惜しいくらいでした。そしてもっと早くに読めばよかった、と思ったのです。
この物語に続編があったとは。

この記事

 

「名前は聞いたことあるけどまだ読んだことはない」人は幸せだと間違いなく言える作家です。

 

とありますが、最近SFに興味が出てきているので、他のブラッドベリもいろいろ読んでみたいと思います。

 

さよなら僕の夏
さよなら僕の夏

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レイ・ブラッドベリ
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たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)
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《気になる》センセイの書斎—イラストルポ「本」のある仕事場

《気になる》冷蔵庫

 

人の家の冷蔵庫はまた、のぞいてみたいもののひとつ

 

と書きましたが、書棚もまた冷蔵庫と同じ位のぞいてみたいもののひとつです。
冷蔵庫が生活そのものだとすれば、書棚は思考・感性そのもの。「その人の頭脳」の一部が形になって現れた場所。
まれにtwitter上で人の書棚の写真を見つけると、じっと見てしまいます。
この手の本は写真で構成されることが常ですが、これは絵と文章によるルポルタージュ。内澤旬子さんの本は気になりつつも読んだことはありません。読まないで言うのもなんですが、この人のルポなら面白いかも、という気がします。
特に興味がある書棚は南伸坊津野海太郎。他の作家とはひと味違う書棚が見られそうです。

この本に取り上げられていない人で、今自分が一番見たい「センセイの書棚」は川原泉高橋悠治
川原泉の書棚は10年ほど前に雑誌で取り上げられているのですが、実際の記事は見ることができませんでした。なので「今の川原泉の書棚」をぜひ見てみたい。

 

センセイの書斎---イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫)
内澤 旬子
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余談
わたしが今使っている本棚は90cm*180c*40cmくらいのものですが、本とCD、少しの雑貨が入り乱れて、とうの昔に破綻、たまに雪崩を打ちますorz そしてさらに混迷が深まる。いい加減本棚自体を買い換えたいのですが、下手すると引っ越しと同じくらい労力がかかりそうで実現していません。

 

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《気になる》居心地の悪い部屋

最近気になりだした翻訳家、岸本佐知子さん。
彼女の本はエッセイ「ねにもつタイプ」と翻訳書「遠い町から来た話」「中二階」しか読んだことがありません。でもこの3冊で「この人の翻訳した本はそれだけで読む価値があるかも」と感じました。
海外文学を読み始めたのがつい最近のことなので、「ニッポンの書評」を読むまで岸本さんのことは全く知りませんでしたが、今ではなんと惜しいことをしていたのかと思います。

わたしは翻訳の技術について何も知りませんが、「ねにもつタイプ」を読んだあとに「遠い町から来た話」を読んで、こういう発想ができる人だからこういう翻訳・こういう文章ができるんだ、と納得しました。
その岸本さんが訳した本。「居心地の悪い」というのがいい。「楽しさ」「面白さ」だけでなく「ぞわっとくる感じ」「奇妙な感じ」を求めるのも小説の醍醐味でしょう。
取り上げられた作家は全く知らない人ばかりです。でもきっと、いい感じでぞわっとくる小説ぞろいな気がします。

 

居心地の悪い部屋
居心地の悪い部屋

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角川書店(角川グループパブリッシング)
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ねにもつタイプ (ちくま文庫)
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遠い町から来た話
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