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《気になる》本屋さんで本当にあった心温まる物語
「心温まる物語」と銘打たれている本には、普段食指は動きません。わたしは感動したいとか心を温めたいと思って読書しているのではないからです。ですがこの本は書店が舞台です。やはり気になります。
最近なかなか行けてませんが、書店は常に気になる場所です。大きくても小さくても、それぞれの店に表情があり、通りがかりであっても目が向いてしまいます。人と本が出会う場所では、訪れる人それぞれにドラマがあると思います。それをちょっとのぞいてみたい。
余談
通勤途中にある駅ビルの書店は、SF文庫のPOPがやたらと充実しています。結構な点数の定番が面陳され、それぞれに気合いの入ったPOPがついています。
店自体はよくある感じで、売れているビジネス書で何十冊も使って面陳している本が数点ありますが、これはただ冊数を並べて出版社が作成したPOPを置いてあるだけです。店内で一番力が入っているのがこのSF文庫コーナーかもしれません。
あさ出版
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《気になる》大崎梢リクエスト! 本屋さんのアンソロジー
編者が今一番読みたい作家に「本屋さんを舞台に、魅力的な物語を」というリクエストを出し、書かれた物語を集めたアンソロジーです。非常に贅沢ですね。
書店を舞台にした小説は、あまり読んだ記憶がありません。書店で本を探す楽しみは、森に分け入ってきれいな植物を探すのに似たところがあると思います。この本を読むのは、玉手箱を開けるような感覚になりそう。いったいどんな物語が飛び出すのでしょう。
和菓子をテーマにした「坂木司リクエスト! 和菓子のアンソロジー」、ペットをテーマにした「近藤史恵リクエスト! ペットのアンソロジー」もあります。どちらもとても楽しい時間が過ごせそうです。
光文社
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《気になる》本屋さんで待ち合わせ
本屋さんで待ち合わせ、よくやっていました。
時間にルーズな人と待ち合わせするときには必ず本屋を集合場所にしていました。これだと待たされても、それほどイライラしないで過ごせたので。駅ビル内の書店など、あまり大きくない書店がちょうどいい。
このタイトルを見て「そういえば本屋さんでの待ち合わせって最近やってないなあ」と懐かしくなりました。
この本は書評集です。書評そのものの楽しみと、人に待たされぶつくさ言いながらも本の間を歩き回った楽しみ。2つの楽しみを同時に味わえそうな気がします。
《気になる》書店の棚 本の気配
神田神保町にある東京堂書店。昔水道橋にある専門学校に通っていた頃、授業が終わるとよく神保町をぶらぶらしていました。
古書店から専門書店、大型書店までいろいろ見ていましたが、一番好きだったのが東京堂書店でした。なんか落ち着く感じがする書店です。
先月上京した際ものぞいてきました。リニューアルして雰囲気は変わりましたが、店に漂う落ち着きはそのままでうれしくなりました。
この本の著者、佐野衛さんは、東京堂書店の店長をされていた方です。佐野さんが書店員時代、そして引退後に書かれた文章を集めたものです。
落ち着きある書店はどうやって作られたのか、店長は日々どう過ごしていたのか。本の話と合わせて楽しめそうです。
9/17〜9/19に上京しました・書店編
9/17〜9/19に上京してきました。
最初2日で書店をいくつか回り、最終日は友人に会って食事してきました。
回った書店の記録です。
松丸本舗
東京駅で新幹線を降りて、まず向かったのがここ。
閉店する前にどうしてももう一度行っておきたかったのです。
今回も「ここで本に埋もれたい」「棚の間に布団ひいて寝起きしたい」などと思いました。
閉店するなんて残念です。またどこかで再開されることを期待します。
往来堂書店
「『本屋』は死なない」に登場した書店です。千駄木にあります。
以前文京区に住んでいたことがありますが、このあたりはまったく来たことがありませんでした。
佇まいも規模も「街の本屋さん」そのもの。でも並んでいる本を目で追っているだけでも楽しい、居心地のいい空間だなと思いました。こういう小さいけど居心地のいい書店が近所にあると、結構幸せだと思う。
東京堂書店
水道橋にある専門学校に通っていた頃、よく来ていました。神保町の大型書店では、ここが一番好きでした。
最近リニューアルされたんですね。以前よりフロア減ってませんか? 気のせい? でも落ち着いた空間は相変わらずでうれしかった。
ブックカフェもありますが、寄ってきませんでした。お昼を食べ過ぎたせいで、飲食する気になれなかったからですorz
余談ですが約20年前の東京堂書店1階レジには、中森明夫が雑誌で「日本で3番目にショートヘアが似合う」と書いた書店員さんがいました (ちなみに1番は小宮悦子、2番目は深津絵里だったと思う)。
かつてふくろう店だった場所にあるChez moi (シェ・モワ) ものぞいてきました。女性向けの本+雑貨類のお店です。
代官山蔦屋書店
今回の上京では、松丸本舗とともにここは必ず行こうと思っていました。
背の高い棚に囲まれ「本に酔いそうだ」と思うような空間。1度に見ようとせず、足繁く通ってじっくり棚と向き合っていった方が良さそうです。
特に圧倒されたのが2階のラウンジ。古い雑誌や外国の雑誌がたくさんあって、おしゃれでゆったりした空間。雑誌はその場で読むことができるようです。古い雑誌を読むためだけに通う価値はあると思った。
今回音楽と映画のフロアはほとんど見ていませんが、書店・ラウンジ・文具と、とにかく隅々までこだわりが満ちています。
「すごいなー」とため息が出ました。
パルコブックセンター渋谷店
学生時代、ここもよく利用していました。当時好きだった書店のひとつです。
だいぶ前にリブロに変わって、そして今年夏にパルコブックセンターに戻ったんですね。
当時の日比野克彦デザインのブックカバーが家に1枚あります。店名とともにこのブックカバーも復活していました。ちょっとうれしかった。
[ここは写真なし]
onlyfreepaper
パルコのファッションフロアの一角にある、フリーペーパー専門店 (雑貨の販売もあり)。日本全国から集められた、バラエティに富んだフリーペーパーの数々。コピー用紙に印刷して綴じたものから「ほんとにこれフリーなのか」という立派なものまで。
フリーペーパーがこれだけ集まったのは初めて見たので、眺めているだけでも非常に楽しかった。
せっかくなので何種類かもらってきました。
有隣堂書店横浜駅西口ザ・ダイヤモンド店
横浜で働いていた時によく利用していました。当時は宅配便が来る時間に家にいることがほとんどなかったので、HonyaClubで本を注文して、昼休みにここに取りに来ていました。
今回は有隣堂以外で本を買ってきました。普段は本にカバーは掛けてもらわないのですが、今回は全部かけてあります。
有隣堂は友人との待ち合わせ前にのぞいただけなので、何も買っていませんが、「円城塔『屍者の帝国』刊行を前に」をもらってきました。
だいぶ駆け足でしたが、楽しい書店巡りができました。
東京で行ってみたい書店はまだまだあるので、また別のコースでまわってみたいものです。
東京創元社
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早川書房
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河出書房新社
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新潮社
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《気になる》本屋さんへ行こう
これまでに何度か引っ越しをしていますが、住んだ場所によって行きつけの書店がありました。行きつけは近所の書店に限りません。例えば学生時代は埼玉に住んでいたのですが、書店に行くために池袋まで遠征していました。
現在は乗換駅の駅ビルにある書店が行きつけに近いですが、残念ながら自分にとっては居心地がよくないのです。その書店には申し訳ありませんが「そこしかないから仕方なく行く」に近い感じです。
このムックは書店の紹介ページが気になります。
今度上京することがあったら書店のはしごをしようと思っています。本を買い込むためではなく、書店そのものの空気を味わいたいのです。その時の参考になりそうです。
身近にこういう本屋さんがあるとうれしい、というのあげてみると
- 明るすぎない、うるさくない
- 広すぎない (大型店は大型店でありがたいのですが)
- 旧刊書がたくさん置いてある
- 「売れている本」以外の本が充実している
こうやってみるとちくさ正文館が一番近い書店かもしれません。東山線か中央線沿線に引っ越したいかもw
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1999年発行の雑誌「東京人」を読む
ちくさこしょこしょ市で、約12年前に発行された雑誌「東京人」を買いました。
特集は「本はなんでも知っている。」。
「私流本の探し方」では、各分野について見開き2〜3ページのエッセイが掲載されています。その中から気になった言葉を引用します。
そう、本に限らず、何事も徹していれば、開いては寄ってくるものと、今さらながら会得する。
私流本の探し方[食]本は寄ってくるもの。 (矢吹申彦)
…だから、漫画を探すというより、自分が探している世界を用意してくれている、そんな街や書店なら、まだどこかに潜んでいるはずである。
私流本の探し方[漫画]あちこちの棚に身を隠している。 (植田実)
つまり、古本に関しては、理工学系の本となると、こころもとない状況だといわざるをえない。
コンピュータ関連というジャンルは「犬の一年」(普通の業界よりも七〜八倍のスピードで変化していく) といわれるくらいだから、古書という流通システムとなじまないのは、やむをえないのかもしれない。
私流本の探し方[サイバー]理工学系の本の命ははかなくて。 (遠藤諭)
本は出会いです。もちろん、これは本に限ったことだけではなくて、人だったり、場所だったり、物だったり、何にせよ御縁というやつだと私は思うのです。
とどのつまり、ブラブラ探し歩く時間とみつける眼力、もちろん体力。それが物欲道へのポイントのような気がします。おっと、それと御縁、出会いや勘もお忘れなく……。
私流本の探し方[絵本]御縁は大切にしよう。(土橋とし子)
国会議事堂の参院側別棟にある書店「五車堂」の店長、幡場益 (はたば・すすむ) さんのインタビューに、当時の五車堂の売れ筋本が掲載されていました。
取材は1999年初頭と思われますが、ラインナップは次の通り。
- 内藤克人「同時代への発言」
- 吉冨勝「日本経済の真実」
- リチャード=クー「日本経済回復への青写真」
- 三浦朱門「日本人をダメにした教育」
- マークス寿子「とんでもない母親と情ない男の国日本」
国会内に書店があることは、この記事で初めて知りました。「国会で在位三十五年 (当時) の『五車堂のおやじ』を知らないのはもぐり」とのこと。取材時も自民党の衆院議員が新人を連れて五車堂にあいさつに訪れていたそうです。
そして大宅壮一に関するルポ、これが一番面白かった。「質草の値付け」のエピソードと「歩きながら文章を書く」エピソードで、彼のすごさがわかります。
彼は若い頃大阪の質屋で商売見習いをしていたのですが、そこでは店の主人や筆頭の番頭が、衣類や時計などの質草を使って番頭や小僧に値付けの練習をさせていたそうです。ここでいう値付けは「担保としての価値に半年分の利息をつけ、質流れになってから売っても損をしないような値段を付ける」ことです。
かれはほんの見習いのうちから番頭や先輩を差し置いて、しばしば主人とぴたり同じ価格を付け、質屋として前途有望の折り紙を付けられたそう。
ルポを書いた鹿島茂によれば、この質草のエピソードが彼の仕事すべてに通じてくるとのこと。
そしてとにかくすごいと思ったのが、「歩きながら文章を書く」エピソード。彼は歩きながら頭の中に原稿用紙をイメージしてそこを一字一字埋めていったそうです。そして帰宅してから本物の原稿用紙にそれを移していた。年に五枚と書き損じしなかったそうです。歩きながら文章を考える人はよくいるでしょうが、原稿用紙をイメージして埋めていき、帰宅したらそれを移すだけ、という技ができる人がいるとは、そして年に五枚も書き損じをしない人がいるとは思わなかった。
他にも「総合翻訳集団」の話、モンテ・クリスト伯の翻訳エピソード、古地図を巡る井上靖とのバトルなど。とにかくエピソードひとつひとつが「規格外」で、目利きとして想像以上の人でした。
大宅壮一文庫は実際に行ったことがありませんが、文庫の目録が学生時代に通っていた県立図書館にあり、社会学のレポートを書くときにお世話になりました。
巻末の連載に「ふるほん探偵団」という、都内の古書店を紹介する連載コラムがあります。この号では葛飾区にある親子二代の古書店が紹介されています。そのうちの次男が経営する古書店は自動車・オートバイ関係に非常に強く、四十年代の名車のカタログ、社史、自動車雑誌を多く扱っている店です。
その店主の言葉
でもたまに悪いお客さんもいて、復刻版のカタログをオーブンに入れて、古く見せかけて持ってくる人もいるんですよ(笑)
には思わず笑ってしまいました。オーブンを使うと古びさせることができるとは発見でした。やりませんがw
特集は時代に左右されない内容ですが、小特集やコラム・広告は時代を感じます。ヨーロッパのミレニアム祝祭記やNTTドコモ・東京電力の広告が特にそう。
発行された年代にかかわらず、新しい発見もあって楽しかったです。
大阪の極小&巨大書店に行ってきました
先日大阪に出かけたついでに、気になる書店に寄ってきました。
まず「本は人生のおやつです!!」。
本は人生のおやつです!!
11月23日に行った「ちくさこしょこしょ市」で開催された、「「本屋」は死なない」著者の石橋毅史さんと、雑司ヶ谷「ひぐらし文庫」店主原田真弓さんのトークショーで紹介された書店です。店名がものすごく気になったので行ってみました。
かつて個人商店だったと思われる、かなり古い日本家屋の中にお店がありました。広さは3坪くらいだと思います。その中に、新刊と古書と雑貨がたくさん。本も思想系から実用書まで。文学系も時代小説あり星新一あり。
店内に3人入ると動くのも大変かもしれませんが、時々店をのぞいて書棚をながめ、店主に色々教えてもらう。そうやってゆっくり過ごしたい書店でした。
今回星新一の文庫(古本)を購入したのですが、精算のときに店主が「以前にいらっしゃったことがありますよね」とおっしゃっていましたが、人違いです。初めてなんです。でも、また大阪に来る機会があったら立ち寄ります。
お店発行のフリーペーパーもいただきました。
そして次に、日本一広いらしいMARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店へ。「本は人生のおやつです!!」から徒歩数分でした。
こちらはもう広すぎてくらくらする。あまりに広すぎて、それだけで疲れてしまいました。
「ない本はない」と言われているようですし、どうしても自分の周囲で見つけられない本を探しに行くのにはいいと思います。
池澤夏樹個人編集の世界文学全集全30巻 (段ボール箱入り)とかFootbridges—構造・デザイン・歴史のような高額本が置いてあるのはさすがです。
大阪にも個性的な書店は多くあると思います。機会があれば他の書店にも行ってみたいです。
余談
今回は気になる書店の他にも訪れた店があります。
まず御堂筋線本町駅近くのパン屋「パンデュース」。
ここがプロデュースした「しあわせをはこぶパン」はよく利用しています。
1泊だったので、2日目の朝食をここにしました。
イートインで「ほうれん草のフォカッチャ」と、小さいサイズの「クルミのリュスティック」。しみじみおいしかった。
ちなみに自分にとって「しあわせをはこぶパン」と岡崎の「プース」が、西三河2大パン屋です。どちらも近くに行ったら極力立ち寄ります。
そして大阪駅前第3ビル地下にある「ノードカフェ」(写真なし)。いつもお世話になっている、関西在住のライフハッカーさん達おすすめのカフェです。
ビルの商店街でここだけ雰囲気が違ってましたが(笑)、静かで落ち着いていていいですね。「これで電源があれば」というのがすごくわかります。
普段おしゃれカフェって行かないのですが、ここは気に入りました。
ちくさ正文館に行ってきました
ブックマークナゴヤのイベント「ちくさこしょこしょ市」に行ってきました。
そしてちくさ正文館に初めて足を踏み入れました。千種駅で降りたのは、たぶん初めてです。
こういう書店員が近くにいれば〜盛岡さわや書店奮戦記
カリスマ書店員も最近だいぶ多くなりましたが、この方こそ「真のカリスマ書店員」でしょう。盛岡のさわや書店店長だった伊藤清彦さん。
今でこそ当たり前になった書店員自身によるPOPや本の帯を始めた人です。