カテゴリー: 本の話

《気になる》書店の棚 本の気配

神田神保町にある東京堂書店。昔水道橋にある専門学校に通っていた頃、授業が終わるとよく神保町をぶらぶらしていました。
古書店から専門書店、大型書店までいろいろ見ていましたが、一番好きだったのが東京堂書店でした。なんか落ち着く感じがする書店です。
先月上京した際ものぞいてきました。リニューアルして雰囲気は変わりましたが、店に漂う落ち着きはそのままでうれしくなりました。

この本の著者、佐野衛さんは、東京堂書店の店長をされていた方です。佐野さんが書店員時代、そして引退後に書かれた文章を集めたものです。
落ち着きある書店はどうやって作られたのか、店長は日々どう過ごしていたのか。本の話と合わせて楽しめそうです。

 

書店の棚 本の気配
書店の棚 本の気配

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佐野 衛
亜紀書房
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《気になる》今こそアーレントを読み直す

ハンナ=アーレントは読んでみたいと思いつつ、未読のままです。同様の状態にあるのがシモーヌ=ヴェイユ
どちらも女性である、というのが一番気になるところです。女性哲学者はそれだけで目立ちます。そしてただ目立つだけでなく、2人とも後世に残る仕事をしている。
読んでみたいと思いながら手を出していない理由は、何から読んだらいいかわからない、というのが一番大きい。あまり難しくなくて、著者の考えがよく見通せる本はどれか、というのはなかなかわかりません。
この本はアーレントの思想のガイドブックといえるでしょうが、思想を俯瞰して、そこから自分の興味が向いた本を読んでみる、というのもいいかもしれません。

文学でも哲学でもなんでも、「読みたいとは思ってるけど、未だに手を出していない」というものは、できるだけ減らしていきたいです。

 

今こそアーレントを読み直す (講談社現代新書)
仲正 昌樹
講談社
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《気になる》広告は私たちに微笑みかける死体

微笑みかける死体とは、かなり衝撃的なことばです。
この本の著者が撮影した、90年代のベネトン広告。広告写真としてはショッキングなもので、議論を呼んでいた記憶があります。それらの写真のうち、1点だけ覚えています。HIVをテーマにした写真です。
「広告は私たちに微笑みかける死体」の真意とは何か。商業写真を撮る写真家が、ここに思い至るまでには何があったのか。そして「死体」を映す写真家の内に葛藤があるのか否か。

写真や広告について不案内でも、なにか心がざわめく感じがします。

 

広告は私たちに微笑みかける死体
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紀伊國屋書店
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《気になる》ソーラー

京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。その話題を追いかける中で、この本を知りました。
ノーベル賞受賞後、その名声だけで生きている男性の話です。
ノーベル賞云々は別にして、単純に小説として面白そうだと思いました。この上ない名誉を手に入れた男性がどうなっていくのか。名誉だけで幸せになれるのか。自分は名誉とはまったく縁がありませんが、だからこういう物語に興味がわくのかもしれません。

海外文学で面白そうだなと思う本をチェックすると、新潮クレスト・ブックスの1冊であることが多いです。例えば「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」。これはむちゃくちゃ面白かった。もっと早く読めばよかったと思ったくらいです。

 

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《気になる》この甲斐性なし! と言われるとツラい 日本語は悪態・罵倒語が面白い

「悪態・罵倒語が面白い」って、確かに。悪態・罵倒にこそ人の本性が出るかもしれないし、ほめることばに対して、悪態・罵倒の方が変にリアルでわかりやすい。
いささか品がありませんが、「悪口の楽しみ」というのもあるし。
悪態・罵倒語はいくつも思い浮かぶけど、それらを系統立てて追いかけることで、改めて「ことばの力」を知ることになりそう。
単純に悪態・罵倒語を楽しむほかに、ことばの歴史を知る本として楽しそうです。

 

 

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《気になる》松浦弥太郎の仕事術

暮しの手帖」は、図書館に行ったときによく読んでいます。初めて読んだのは小学生の時。祖母か母が購読していたものを読んだ記憶があります。
「暮しの手帖」は全体的に疲れない雑誌だと思います。しっかりした読み物記事を読んでもそう思います。しっかりした内容を疲れずに読める、というのはなかなかないと思うのです。

松浦弥太郎さんは「暮しの手帖」編集長です。最近仕事術などに対する興味はほとんどなくなっていましたが、この人の仕事術の本なら読んでみたいと思います。仕事だけでなく、生活そのものに変化をもたらすことばに出会えそうです。

 

松浦弥太郎の仕事術 (朝日文庫)
松浦弥太郎
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《気になる》人類が知っていることすべての短い歴史

こういう科学史の本は、大学教授やサイエンスライターなど、科学の専門家が執筆することがほとんどです。しかしこの本の著者ビル=ブライソンは、科学の専門家ではありません。そこにまず惹かれました。
おそらく「専門家ではないからこそ書けた」「専門家でないから書けなかった」の両方が含まれているでしょう。どんなことが書かれ、どんなことが書かれなかったのか。
「短い歴史」とはいっても、実際にはこれまでに膨大な出来事、多くの科学者が存在してきました。それを反映して、本の厚さは5cm (Amazonの「商品の寸法」から)。この中に歴史がどんな風に凝縮されているのか、気になります。厚みを忘れさせるような楽しい本だといいな。

 

人類が知っていることすべての短い歴史
ビル ブライソン
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《気になる》終電ごはん

終電族の男女と、終電族の妻のためのレシピ集。
「終電族」とは、深夜まで働いて、毎日のように終電で帰ってくる人のこと。かつてわたしも終電族でした。
当時夕飯はどうしていたかというと、夕方の休憩時間に買ってくるなり食べに行くなりして、帰宅後は何も食べていませんでした。
どんなに疲れて帰ってきても、そのまま布団になだれ込んで寝る、というのもできませんでした。なので食事は省略していましたが、どんなに遅くても、どんなに疲れていても、「入浴+しばらくぼんやり」は欠かしませんでした。そうしないと眠れなかった。
当時の自分には、食べられないこと以上に眠れないことの方が問題だったのですね。

今はさすがに終電まで働くことはありません。でもやはり遅くなってしまうときはあるし、自分は早く帰ってきても家族が遅くなる、ということもあります。遅い時間の食事をどうするか、というのは悩みどころでもあるので、こういう本が手元にあるとうれしいですね。

 

終電ごはん
終電ごはん

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梅津 有希子 高谷 亜由
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《気になる》タイムスリップ・コンビナート

先日上京した際、海芝浦駅に行きました。
残念ながら雨がひどく、ホームではなく発車待ちの電車内から景色を眺めてきました。
海と高速道路に橋、そして工場。外には出られないけど、ひらけていて好きな場所です。
横浜に住んでいた頃には、仕事が忙しくなって疲れがたまったときなどによく来ていました。
ここに来ると行き詰まりが消えていく感じがします。

今回海芝浦駅で思い出したのが、この駅が出てくる小説「タイムスリップ・コンビナート」。第111回芥川賞受賞作です。
笙野頼子はこれまで読んだことがなく、そして読む人を選ぶ作家な気はするのですが、こんな妙な場所を取り上げている点はひかれます。

「タイムスリップ・コンビナート」は現在「笙野頼子三冠小説集」に収録されています。

 

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《気になる》自由に遊ぶDIYの本づくり リトルプレス! Zine! フリーペーパー!

リトルプレスや個人によるフリーペーパーは増えてるんでしょうか。
かなり昔、何ヶ月間かワープロ書き+コピーの冊子を作って数人に郵送していたことがあります。
自分がやった出版らしきことはこれだけです。
いまわたしはこうしてブログを書いていますが、「本」を出そうとは考えていません。でも、本を作る楽しさはよくわかる。
道具の面でもかなり進化して、ひとりでも十分な作りの本が出せるようになったと思います。
リトルプレスが増えているとしたら、そういう技術の進化が影響している面もあるのでしょう。
そういう技術的な面を知るだけでも、この本は面白いかも。

今個人が「出版」するとなると、電子書籍で、というのが多いかもしれません。でももし自分が何か出版するとしたら、リトルプレスで出したいです。電子書籍は流通の面で非常にアドバンテージがあるけれど、やっぱり自分は紙の本や雑誌が好きだからです。

 

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