月: 2012年7月
《気になる》いつかは行きたい 一生に一度だけの旅 BEST500
わたしは出不精なくせに行きたいところは国内外問わずたくさんあります。
最近は寝る前に地図帳を眺めています。東西ドイツとかソビエトが載っている、高校の地理の教科書だったものです。
地図を眺めてぼんやりするのも楽しいけど、美しい写真を見てあれこれ想像するのも楽しい。
もちろん、実際に行くのが一番ですが。
この本は写真と文章で空想旅行を楽しむのにうってつけですね。ナショナルジオグラフィックだからいい写真が多いだろうし。
余談ですが、ぱっと思いついた行ってみたい場所は
日本
- 指宿 (川原泉の故郷だからね)
- 岡山・広島方面
- 軍艦島
- 小笠原諸島
日本以外
- アフリカの自然が多く残っているところ
- サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 (「巡礼コメディ旅日記」を読んだ影響)
- トリスタン・ダ・クーニャ (NHKで放送された、この島のドキュメンタリーを見た影響)
- 南極
- シベリアの果て (なぜか昔から地図帳を見て行ってみたいと思っていた)
- ウユニ塩原
日経ナショナルジオグラフィック社
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《気になる》本屋さんへ行こう
これまでに何度か引っ越しをしていますが、住んだ場所によって行きつけの書店がありました。行きつけは近所の書店に限りません。例えば学生時代は埼玉に住んでいたのですが、書店に行くために池袋まで遠征していました。
現在は乗換駅の駅ビルにある書店が行きつけに近いですが、残念ながら自分にとっては居心地がよくないのです。その書店には申し訳ありませんが「そこしかないから仕方なく行く」に近い感じです。
このムックは書店の紹介ページが気になります。
今度上京することがあったら書店のはしごをしようと思っています。本を買い込むためではなく、書店そのものの空気を味わいたいのです。その時の参考になりそうです。
身近にこういう本屋さんがあるとうれしい、というのあげてみると
- 明るすぎない、うるさくない
- 広すぎない (大型店は大型店でありがたいのですが)
- 旧刊書がたくさん置いてある
- 「売れている本」以外の本が充実している
こうやってみるとちくさ正文館が一番近い書店かもしれません。東山線か中央線沿線に引っ越したいかもw
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「会社」のあるべき姿とは〜挑む力
ICT企業として国内一になった富士通の、現場のリーダーたちの働きについての本です。レビュープラスさんから献本いただきました。ありがとうございます。
読んで感じたことが2つあります。それは
- 富士通も変わったのかな
- 『プロジェクトX』のような現場ばかりなのかな
これらについて書いてみます。
まず「富士通も変わったのかな」という点。
十数年前の富士通は下方修正が続いており、経済雑誌のインタビューで責任について言及された当時の社長が、逆ギレとも開き直りとも責任放棄ともとれる発言をして一部で話題になりました。
※そのときの社長が何を発言したかについては「東洋経済2001年10月13日号」で検索してください。
「富士通」と聞くと今でもその社長の発言を思い出すくらい、自分にとってはインパクトがありました。
なので、この本に書かれた富士通と、自分の中にある、あるいはかつて語られていた富士通の姿のギャップの大きさに、正直戸惑いを感じました。
かつて低迷していた富士通と今の富士通の一番大きな差は何か。
この本に登場している社員には、その時期にも富士通で働いていたて、その社長の発言を直接目にした人がいると思います。
低迷の時期から現在に至るまで、会社として、あるいは現場の社員が何を思い何を捨て何を残し何を新たに取り込んだのか。
個人的には、その部分をもっと知りたかった。そこがわからないと、現在の富士通の成功が必然なのか「不思議の勝ち」なのか判断がつかないと思ったので。
そして「『プロジェクトX』のような現場ばかりなのかな」という点。
現場の皆さんは、本当にがんばってらっしゃる。頭が下がる思いがします。それは間違いない。
でも、がむしゃらに仕事に取り組み、成果を上げることははもちろん大切だし必要なことだけど、社内に「がむしゃらにやるだけ」しか文化がないとしたら、それは危うさも孕んでいるのではないでしょうか。
がむしゃらにぶつかっていくことが文化の中心にあること自体はいいと思います。でもその一方で、例えば常に冷静に物事を見て進めていく人、何でも一歩引いて見る人がいて、そういう人たちも社内で許容されている方が「強い」んじゃないでしょうか。
様々な視点、姿勢を持つ社員がいることの強みを、富士通は持っているでしょうか。そこをもう少し知りたかったと思います。
「おわりに」に、東日本大震災で被災した福島の工場の話が出てきます。従業員は自宅が被災しているにもかかわらず、率先して工場復旧のためにがれきを片付けました。このことについて社長が
従業員の面々は、自宅が被災しているにもかかわらず、工場復旧のためにがれきを片付けた。製品をお客様に届けるために、自分たちが工場を守る。こういう考え方が徹底していたことが、ものすごくうれしい。これは富士通だけではなく、日本の現場力、日本人の道徳である。世界に対する我々の強みだ
(p201「おわりに」)
と話しています。
おっしゃることは確かにその通り。でもその一方で、被災してもなお会社を守ろうとした従業員、従業員と一緒に被災した家族に対して会社はどう対応したのか。それが少し気になりました。
自分の中にあったイメージと実際の姿、これらの差を通して、富士通に限らず会社のあり方について考えるきっかけになりました。
レビュープラスさん、ありがとうございました。
日経BP社
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《気になる》NHKカルチャーラジオ 文学の世界 文学の名表現を味わう—日本語のレトリックとユーモア
昨日書店店頭で発見しました。NHKラジオ第2「カルチャーラジオ」のテキストです。
この手のラジオ番組はほとんど聞いたことがありませんが、面白そうだと思って購入しました。表紙に内田百閒の写真があったのも決め手になりました。
文学作品の名表現について学ぶ全13回のシリーズですが、内容を見ると文学に限らず、文章を書くため・表現するために必要な表現やテクニックについて学べそうです。
普段実用的な文章しか書かない人にとっても、こういう口座には「表現の引き出しを増やす」効果があると思います。実用文にしろ文学作品にしろ「自分の考え・思いを誰かに伝える」という点は共通しているから。
残念ながら1回目の放送は聞き逃してしまいましたが、2回目以降は録音予約しました。静かにゆっくり聞いていきたいと思います。
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《気になる》それ行け!! 珍バイク
「珍バイク」などと聞くと、「デコバイク = デコトラのバイク版」か、と思ってしまいますがそうではない。
ベトナムで撮影された、あらゆる物を積んで、バイクとは思えなくなったバイクの写真集です。
表紙は家鴨?と鶏を満載したバイクです。家鴨は生きている気がする。鶏はどうだろう。
スーパーカブのようなバイクがほとんどみたいです。カブ自体かなりの積載物に耐える乗り物だと思いますが、それにしてもここまでくるとすごい。
重さもそうですが、これだけの物を積んでちゃんと走れるんですよね。おそらくスピードも結構出すのでしょう。それを考えると、ライダーたちの運転テクニックもまたすごい。
理屈抜きに、ただ見ているだけで楽しそうな写真集です。
余談
東南アジアで疾走するバイクはこんな感じのようです。舞台は約30年前のバンコク、バイクはカブではなくもっと大型のようですが、この写真集のベトナムも、雰囲気は同じかもしれません。
…少なくともここではオートバイを「青春」といい換えることはできない。「自由」または「逃走」という言葉を連想させない。かといって「狂気」も適当ではない。しいていうならば「生活」である。この街では疾走もまた生活である。ワイシャツをうしろまえに着て風をよけながら一家五人乗りのオートバイが時速八十キロメートルで走っていく。彼らは一家だんらんと暴走を同時に行う。熱帯の大都市で、実用と趣味は渾然として国境を失う。
関川夏央「貧民夜想會」収録「バンコクの三悪人」
《気になる》素晴らしき数学世界
数学は面白い学問です。かつては典型的「数学のできない数学科の学生」でしたが、かなり苦労はしたけれど、数学は嫌いになりませんでした。
数学自体も面白いけど、数学に生きた人の話も面白い。高校生の頃、矢野健太郎先生の書いた数学者の本を何度も読み返していました。
この本は数学者だけでなく、計算やパズルマニアまで取り上げていて楽しそうです。数学者ではない数学好きな人が取り上げられる機会は少ないと思います。計算マニアは円周率の計算の新記録が出たときに取り上げられるくらい、パズル好きはよほどのことがないと取り上げられないでしょう。いわゆる数学者じゃない数学好きの話に特に興味があります。
余談
わたしの祖父は若い頃、東京物理学校に通っていました。そこでの数学の授業について話を聞いたことがあります。
最初の授業のとき、先生が教室に入るなり、黒板に横線を一本引きました。
そして「この線の長さは有限だが、この線の中には無限の数がある。その数について追求するのが数学だ」という趣旨のことを言ったそうです。
そして自分が数学を勉強するようになって、この言葉を実感しました。
《気になる》文学少女図鑑
7月17日発売の本です。
文学(美)少女の写真集。「読書する美少女」が1冊の写真集になる力まで持っているとは想像だにしませんでした。
自分の周囲には、美少女も文学少女もいなかった。必然的に文学美少女に出会ったことはありません。
中森明夫特別寄稿というのが、いかにもですね。これはちょっと読んでみたい。
ところで最近「読書芸人」なる言葉があることを知りました。「読書好きな芸人」のことでしょうか。読書すること自体が芸になるんでしょうか。
いったいどういう経緯で「読書芸人」という言葉ができたのかわかりません。そもそも芸人って、昔から結構本を読んでいる人というイメージがありましたが、そうでもないのでしょうか。
「文学少女図鑑」と「読書芸人」から思ったこと。
「読書」って、そんなに特別なことなんだろうか?
NHK番組たまご「私のリュックひとつ分」を見て自分の「私のリュックひとつ分」をやってみた
先日NHKで「私のリュックひとつ分」という番組が放映されました。2回放送で、出演は矢野顕子と田中要次。
たまたま新聞のテレビ欄で見つけた番組ですが、どちらも好きな人なので、録画して見ました。
番組は
もし 二度と戻れない旅に出るとして
荷物はリュックひとつ分しか持てないとしたら
あなたは何を選びますか?
という問いかけから始まり、手渡されたリュックに実際に物を詰めてもらう、というもの。
何を入れて何を入れないか、なぜそれを選んだ / 選ばなかったかから、その人が見えてきます。
どちらもとても面白かった。これはぜひレギュラー番組にしてほしい。
そして番組を見た後、なぜか自分もやってみようと思い立ちました。
使ったのはこのリュック。
詰めるにあたって、以下のルールを設定しました。
- 現時点で自宅にある物を詰める。新規に購入しない
- 今あるそのままの状態で詰める。詰め替え・小分け等はしない
※番組では詰める物のルールは明示されませんでしたが、このようなルールで詰める物が決められているように感じたので、それにあわせました。
そして詰めた物がこれだけ。
powderのくじらシャツ
バックルがないタイプのベルト
紺のチノパン
5本指靴下
モレスキンラージサイズは抜き書き用ノートです。文庫本サイズはジークエンス360ノート。
骨は昨年死んだ「はな」の骨。火葬後お寺の供養塔に納骨したのですが、一部分だけキーホルダ付きカプセルに入れて持っています。毛は今も家にいる「月光」のもの。ブラッシングで抜けた毛を集めたものです。
指輪は夫がプレゼントしてくれたもの。ビーズネックレスは30年来の友人が作ってくれたものです。
とりあえずこれがあれば大丈夫だろう、と。お守りみたいなものですね。
鳥獣人物戯画の甲巻と乙巻のレプリカ。実物大レプリカは高いので持っていません。
本は最初小説1冊・エッセイ評論等1冊・その他1冊にしようと思ったのですが、絞りきれませんでした。
選んだ本は
関川夏央「貧民夜想會」
内田百閒「冥途・旅順入場式」「サラサーテの盤」「御馳走帖」
ちくま日本文学「江戸川乱歩」
現代詩文庫「藤富保男詩集」
高橋悠治「カフカ 夜の時間」
川原泉「フロイト1/2」
ショーン=タン「遠い町から来た話」
「高校生のための文章読本」「高校生のための批評入門」「高校生のための小説案内」
国語辞典は中学の入学祝いに伯父から贈られた「岩波国語辞典第三版」
あと、撮影に使ったため写ってませんが、OLYMPUS PEN LITE。
実際詰めてみて感じたこと。
本以外の物は、案外すっと決まりました。思ったほど迷わなかったのが我ながら意外だった。
本は何度か入れ替えて12冊になりました。もっともっと持って行きたかったですけどね。別の機会に同じことをしたら、国語辞典以外のラインナップは変わるかも。
CDはあえて入れませんでした。好きな曲はたくさんあるのですが、アルバムで「これさえあれば」というのが意外と少ないことがわかりました。
「あの曲とこの曲と…」とやっていると収拾がつかなくなり、リュックからあふれること確実だったので、いっそのこと持たないで行こう、と。
むりやり詰め込めば、もう少し物は入ったかもしれない。でも、そこまでやりませんでした。
普段生活するためには、もちろんリュックひとつ分の荷物では足りません。しかし、本当に持って行きたい物は意外と少ない、いざとなったらばさっと捨てることはできるのかもしれない、と思いました。
今回の出演者は、どちらも猫を飼っています。詰める物を選ぶ課程で「猫は連れていけない」と結論づけました。
うちにはうさぎがいます。二度と戻れない旅なら、可能なら連れてきたいとも思う。でも、やっぱり連れていくことはできませんね。
連れていけない代わりに、毛や骨を持って行くことにしました。
余談
矢野顕子の回でリュックに詰めた物の中に「解剖学的見地に基づいて作られた、リアルな猫のぬいぐるみ」がありました。非常に気になる。ちょっとほしくなりました。
《気になる》柔らかな犀の角—山﨑努の読書日記
山﨑努が週刊文春で読書日記の連載をしていることは知っていました。しかしちゃんと読んだことはありません。
彼に限らず、俳優で読書家の人は多いのでしょうか。新聞雑誌に定期的に書評を書く俳優、単発で本を紹介する俳優も結構いますしね。
名優が読む本、名優が書く読書日記。そこには自分が知らない世界や視点がありそうで、とても気になります。
読むことと演じること。演じることは身体だけでなく言葉とも深い関わりがあるから、言葉の鍛錬として読書は生きてくるのかもしれない。それに身体と言葉は切り離されたでもないから、言葉によって身体の動きにも影響があるのでしょう。
俳優のようにとまでいかなくても、人は様々な場面で様々な役割を演じます。その時々で与えられた役割を果たすとき、自分がもつ言葉に影響される場面もあるかもしれない。
そう考えると、自分がどういう言葉に触れるか、どういう言葉を忘れないでいるか、は結構重要なことかもしれません。
読書日記から始まって、そんなことをつらつら考えました。
《気になる》21世紀の世界文学30冊を読む
昨年あたりから海外文学に興味が出てきました。今は目についた作品を少しずつ読んでいる段階です。
しかし日本だけでも広いのに、世界となると途方もない。
日本に限定しても、自分が読んでいる範囲なんて、文学のごくごくごく一部でしょう。自分が知らない場所に、すごいものがあるかもしれない。
海外文学もそう。こちらは最近興味を持ちだした分野なので、興味はあるものの、どこをどう行けばいいのか見当もつかない。まして広さは日本の比ではないし。
なのでこういう海外文学のガイドブックに惹かれます。新しい作品が多そうなのがいい。古典的作品はもちろんですが、新しい作品もいろいろ読んでみたいので。
この本の著者は、第2回twitter文学賞で海外部門1位になった「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」の翻訳者です。この本も「読みたいリスト」に入れました。
新潮社
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