投稿者: sazanami

《気になる》本屋さんで本当にあった心温まる物語

「心温まる物語」と銘打たれている本には、普段食指は動きません。わたしは感動したいとか心を温めたいと思って読書しているのではないからです。ですがこの本は書店が舞台です。やはり気になります。
最近なかなか行けてませんが、書店は常に気になる場所です。大きくても小さくても、それぞれの店に表情があり、通りがかりであっても目が向いてしまいます。人と本が出会う場所では、訪れる人それぞれにドラマがあると思います。それをちょっとのぞいてみたい。

余談
通勤途中にある駅ビルの書店は、SF文庫のPOPがやたらと充実しています。結構な点数の定番が面陳され、それぞれに気合いの入ったPOPがついています。
店自体はよくある感じで、売れているビジネス書で何十冊も使って面陳している本が数点ありますが、これはただ冊数を並べて出版社が作成したPOPを置いてあるだけです。店内で一番力が入っているのがこのSF文庫コーナーかもしれません。

 

本屋さんで本当にあった心温まる物語 (心温まる物語シリーズ)
川上 徹也
あさ出版
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《気になる》13歳からの論理ノート

13歳当時、自分が何を考えていたかはもう思い出せませんが、今振り返ってみて、もっといろんな本を読んでおけばよかったと思います。当時読んでいたのは主にまんがとコバルト文庫でしたが、例え理解できなかったにしても、難しい本にも挑戦すべきだったと思います。「背伸びした読書」をすればよかったな、と。
まんがやコバルト文庫にしても、もっと気合い入れて読んでおけばよかった、とは思いますが。

この本は「論理的」の意味を完全に理解することを目的に書かれています。論理的という言葉は日常的に使われますが、それがどういうことか、を説明するのは意外に難しく感じます。
論理的であることの意味を理解すること、論理的であることは、年齢を問わず大切なことだと思います。論理的になるための第一歩として、この本は役立ちそうです。

 

13歳からの論理ノート
13歳からの論理ノート

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小野田 博一
PHP研究所
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《気になる》地球博物学大図鑑

「米国スミソニアン国立自然史博物館開館100周年記念」で出版された図鑑です。非常に仰々しいですが、内容もそれにふさわしい多彩さです。図鑑の決定版と言っていいのかも。
こういう地球上の生物等を1冊に閉じ込めた図鑑が手元にあると、それだけで毎日の彩りがちょっと変わってきそうです。寝る前に少しずつ見ていくと、極彩色の夢が見られそう。
子供の頃、図鑑を見るのが好きでした。親が買ってくれた図鑑は、どれもぼろぼろになるまで眺めました。この本を見つけて当時のことを思い出し、その頃以上のワクワクに出会えそうな気がしてきました。

 

地球博物学大図鑑
地球博物学大図鑑

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東京書籍
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おかしみあふれる未知の世界をのぞく〜不浄の血

タイトルと装丁から恐ろしい話が展開されるのかと思いましたが、全然違いました。
東欧のユダヤ人集落を中心にした、全体的におかしみあふれる物語集でした。
著者は1978年にノーベル文学賞を受賞しています。

ユダヤ教は自分にとって非常に「遠い」宗教です。知識はまったくと言っていいほどありません。
そのせいで状況を想像しにくい場面もあったのですが、全体としては楽しく読めました。
舞台が小さな町が多いせいか、閉じた世界で時代の流れに取り残されたような感じもしたり。
人々の生活だけでなく、悪魔が語る話もあったり。

わたしはこの本で初めてイディッシュ語の存在を知りました。もちろん直接イディッシュ語を読んだ訳ではありません。でも未知の言葉で書かれた小説によって、新しい世界に少しだけ触れることができたと思います。
その世界は未知の宗教や文化のある世界で、確かにわかりにくい部分は多いのですが、でも人の生活や悩みの本質はどこに行ってもそう変わらないこともわかります。

読む前は「怖すぎて途中で読めなくなったらどうしよう」みたいなことも考えましたが、そんなことは全くなく、楽しい小説集でした。

 

不浄の血 ---アイザック・バシェヴィス・シンガー傑作選
アイザック・バシェヴィス・シンガー
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《気になる》ゴドーは待たれながら

先日サミュエル=ベケット「ゴドーを待ちながら」を買いました。上演されたものを見たことはありません。もちろん舞台を見たいと思いますが、まずは1つの古典として読んでみたいと思っています。

「ゴドーを待ちながら」のゴドーの側から書かれたのが、いとうせいこうの戯曲「ゴドーは待たれながら」です。だいぶ前に出版されて、もう手に入れるのは難しいだろうと思っていたら、改めて出版されたんですね。
やはりここは「待たれながら」は「待ちながら」を読んでから取り組むべきでしょうかね。

 

ゴドーは待たれながら ([バラエティ])
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余談
「ゴドーは待たれながら」は今年4月にナイロン100℃が上演し、さらに名古屋公演まであったんですねorz
最近、演劇の情報から遠ざかっていたので、非常に惜しいことをしました。

 

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《気になる》江戸時代の科学

江戸時代の科学というと、和算くらいしか思い浮かびません。あとは科学というより医学ですが、華岡青洲や杉田玄白あたりでしょうか。
和算の発達は目を見張るものがありましたが、実際にはそれ以外にも様々な科学の発展があったのでしょう。近代化されていない生活でも、科学が生活を下支えするものであることには変わりないから。
いわゆる「おばあちゃんの知恵」とか「○○な時には**を食べろ」といった言い伝えにも、調べると科学的にちゃんと説明がつくものが多いといいます。
「江戸時代の科学=和算」という狭い見識を破る世界に出会えそうです。

 

江戸時代の科学
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東京科学博物館
名著刊行会
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《気になる》シスターズ・ブラザーズ

タイトルを見て「なんじゃこりゃ」と思ってしまいました。シスターズという姓の兄弟が主人公の小説です。
実際英語圏にこの姓の人がいるかどうかはわかりません。
殺し屋が主人公の小説は読んだことがないのと、Amazonの紹介文にある

名高き殺し屋シスターズ兄弟の、目も当てられないダメな旅路。

という一文に惹かれました。どんな風に目も当てられず、ダメなのか。
ただ人がばたばた死んでいくだけの小説ではないはずです。とても気になります。

 

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《気になる》モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事

絵の修復は、自分にとって未知の世界です。知っていることといえば、ボッティチェリの「春」が修復によって描かれた草花の種類まではっきりわかるようになったことや、「ギャラリーフェイク」で修復にまつわるエピソードを読んだ (気がする。うろ覚えです) 程度です。
でも実際どんなことが行われているか分からなくても、修復によって蘇った絵を鑑賞する幸運には恵まれているはずです。
この本は修復の技法そのものと、「絵を修復すること」にまつわる様々な思いについて知ることができそうで、興味があります。

 

モネ、ゴッホ、ピカソも治療した絵のお医者さん 修復家・岩井希久子の仕事
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ギャラリーフェイク (Number.001) (小学館文庫)
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新しい数学の表現に出会う〜数学はあなたのなかにある

表紙だけ見たら、数学の本だとは思えません。内容は絵本とまんがの中間みたいな感じ。
計算や論理、図形などなどが人間関係に置き換えられて表現されています。
例えば四則演算は、男女が出会い、子供が生まれるまで過程になぞらえられます。
そして「直角三角形の外心円の中心は斜辺上にある」という「直角三角形の外接円の定理」。これも驚きのストーリーで語られます。
どちらも「こんな表現方法があったのか」という驚きました。「確かにこういうとらえ方もできるかも」の連続です。

ここで思い浮かんだのが「数学ガール」。
「数学ガール」が問題を考え解く楽しさを教えてくれるとしたら、この本は数学が自分とはかけ離れたものではないことを教えてくれます。
「数学ガール」は小説とはいえしっかりした数学の本で、2冊の雰囲気はかなり違いますが、学校の授業ではわからない数学の一面を教えてくれる点は同じだと思います。

この本の中に

もし数学を複雑だというなら、それは人が複雑にできているからこそ。

ということばがあります。
こういう視点を持てると、数学がただ面倒なだけのものではなくなるはずです。
著者は舞台美術が専門です。数学が専門の人ではないからこそこういう本が生まれたのだと思います。

この本を読んだらすぐに数学がわかるようなるとか、テストの点数が上がるということにはならないでしょう。でも、数学に対する敷居をすごく低くする効果があると思います。
数学が苦手な人、数学なんて意味がないと思っている人にこそお勧めしたい本です。
まさに「数学はあなたのなかにある」ことが実感できます。

 

数学はあなたのなかにある
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数学ガール (数学ガールシリーズ 1)
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《気になる》こんなことは誰でも知っている!会社のオキテ

会社という場所でそれなりに長く働いていると、どうにも理不尽な目や、「なんだかなぁ」と思うことに色々遭遇します。
新人時代は、そういったことにいちいち怒っていた気がしますが、そんなことも減ってきました。もちろん明らかにおかしいことには怒りますが、大小すべての理不尽に怒っていたら身が持たない、と思うようになりました。
会社を一歩引いた目で見られるようになったのでしょう。悪く言えば慣れてしまったのかも。

会社という場所で働く以上、ある程度の理不尽からは逃げられないんですよね。ではフリーになったらそういうことと無縁になるかといったら、それもないでしょうけど。働いている以上、結局理不尽ともつきあっていかねばならないのでしょう。

この本は新人社会人向けだと思いますが、中堅の人間にとっても改めて会社のオキテを振り返り、処世術を見直すきっかけになりそうです。

 

こんなことは誰でも知っている!会社のオキテ
サカタ カツミ
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