カテゴリー: 本の話
《気になる》感動
この写真集と齋藤陽道さんのことはWEB本の雑誌の紹介記事で知ったのですが、最初はあまりにストレートなタイトルに「えっ」と思ってしまいました (「感動」ということばがあまり好きではないのです)。普通なら「なんだかなぁ」と思ってそのまま通り過ぎたかもしれない。
通り過ぎなかったのは、記事にある齋藤さんの
何もかもが同じだということもなければ、決定的に違うということもないと思います
ということばが引っかかったからです。
何もかもが同じだということもなければ、決定的に違うということもない。存在するものが一列に並んでいる世界を表現しようとする写真。タイトルにはびっくりしたけど、写真はぜひ見てみたい。
上記のことばは障害に関して出てきた言葉ですが、それに限らず、世界とフラットに関わっていくために、絶対に必要な視点だと思います。
《気になる》鳥獣人物戯画のマスキングテープ
鳥獣人物戯画、大好きです。2007年にサントリー美術館で特別展が開催されたときは、愛知から会期前半後半の2回行きました。全4巻のすべてに加えて関連作品まで一堂に見られるなんて、それこそ一生に一度だと思ったので。
鳥獣人物戯画は定番デザインとして色々なグッズになっていますが、マスキングテープにまでなっているとは。
わたしはマスキングテープをほとんど使わないので、買ってもしようがないかなとは思うのですが。使わずに置いておいても問題ないですしね。
ちなみに鳥獣人物戯画グッズはほとんど持っていません。甲巻と乙巻の、ミニサイズのレプリカくらいしかありません。本当は実物大のレプリカが欲しいのですが、高くて手が出ない。
鳥獣人物戯画を所蔵する高山寺にも、京都旅行をすると必ず立ち寄ります。京都駅からバスで約1時間、石水院でぼんやりして帰ってくるだけなんですが、とても気持ちのいいところです。
今度は紅葉の時期と雪の時期に行きたいのですが、お寺の人が「春夏冬に1日100人くるとすると、秋には1日3,000人がくる」と言っているのを聞いたことがあり、秋はやっぱり避けようと思ってしまいます。
余談ですが高山寺所蔵の重要文化財「木彫りの狗児」の陶器製レプリカ持っています。わたしは猫派ですが、これは欲しいと思いました。玄関に置いてあって、朝晩対面しています。
《気になる》戦後SF事件史—日本的想像力の70年
これまでSFはほとんど読んだことがなく (よく「意外だ」と言われる)、最近ちょっと興味が出てきました。それで去年から少しずつ読んでいます。
しかし日本のSFというと、小説は星新一と伊藤計劃くらいしか読んだことがありません。まんがなら星野架名くらい。
SFってなんとなく特別なものに感じるけど、実際には小説やまんがに限らず、様々な表現手法に影響があるのでしょう。「想像力の産物の最たるもの」といえるかもしれません。SFというジャンルとその周辺の歴史を見ることで、個々の作品を追いかけるのがより楽しくなりそうです。
河出書房新社
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《気になる》無人駅探訪
実家の最寄駅が無人駅のsazanamiです。そこにはベンチと時刻表 (止まる列車が少ないから字は大きい) と隣の有人駅につながる内線電話?があるだけ。田舎町の外れに、ただぽつねんとある駅です。
無人駅はおおむね普段人が少ないところにあるわけですが、それでもそこにある、というのがいいのかもしれない。何もないけど無人駅はある。そのありように惹かれるのでしょうか。
この本では多くの無人駅が特徴別に紹介されています。無人駅をたどる旅って、ぜいたくでいいですね。
Amazonで目次をざっと見たら、1カ所だけ行ったことがある駅の写真が掲載されていました。JR鶴見線の海芝浦駅です。
横浜に住んでいたとき、時々この駅に行っていました。仕事が行き詰まってきた時とか、ばーっと開けたところに行きたい、でも遠出する気力がない、なんて時によく出かけたものです。鶴見線は乗っていて結構楽しい路線です。
文芸社
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《気になる》もういちど読む数研の高校数学
高校の数学の教科書、そして物理・化学の教科書が数研出版のものでした。そして家ではチャート式の参考書を使うという、数研出版の本にはお世話になりっぱなしの高校時代を過ごしました。
これらの教科書は全部保管しておいたのですが、あるとき親が他の本とまとめて捨ててしまいましたorz 大学の教科書も捨てられてしまったorz
それはともかく、現在の生活は数学などとはかなり縁遠いものですが、それでもたまに、高校の教科書くらいから基本的な勉強をやり直したいな、と思うことがあるのです。
この本は教科書そのままではないけれど、基礎を勉強し直すのによさそうですね。
数研出版
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《気になる》20歳の自分に受けさせたい文章講義
自分の考えを書いて人に伝えるのは非常に難しい。話して人に伝えることも難しいけれど、書くことには話すこととはまた別の大変さがあるのは確か。
この本は「話せるのに書けない」人向けに書かれているようです。
「話せるのに書けない」って、どういう状態なんでしょう。話すのがあまり得意ではないので、正直ぴんとこない。では書いた方が自分の考えたことをきちんと表現できるか、というとそうでもありませんが。
でも「書く」と「話す」という、表現として似て非なるものをつなぐ技術の本というのは初めて見たので、どんな内容なのか気になります。「話す→書く」だけでなく「書く→話す」にも役立つことが書かれているとうれしいのですが。
講談社
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《気になる》イントロデューシング
向田邦子の愛聴盤として知られたアルバムです。
女声と男声だと、自分の耳には女声が合うのかもしれない、と最近思うようになりました。
ただ静かに音楽を聴きたいとき、シンプルに歌を聴きたいと思うとき、女声の方が落ち着いて聴ける気がします。
波多野睦美・高橋悠治「猫の歌」を購入後、特にそう思うようになりました。
もちろん男声で好きな曲もたくさんありますし、普段よく聴く曲は男声の方が多いくらいかもしれない。
でも「ただ音楽に洗われる」には、女声の方が向いている気がするのです。
ジャズはあまり聴いたことがありませんが、こういうところからだと、気負わずに入っていけそうです。
このアルバムは、NHK「グレーテルのかまど」の「向田邦子の水ようかん」のエピソードで紹介されていました。この「グレーテルのかまど」、意外と楽しい番組です。
ミューザック (2007-03-07)
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《気になる》明日は遠すぎて
今年春に「半分のぼった黄色い太陽」という小説を読みました。チママンダ=ンゴズィ=アディーチェという、ナイジェリア出身の女性作家による長編小説です。
この本の存在を知ったきっかけは、新聞の書評欄の「今年の3冊」という年末特集です。一昨年の特集で取り上げられていました。タイトルが印象的でずっと引っかかっていました。アフリカ出身作家の小説は読んだことがなかったので、その点でも惹かれました。
2段組で厚さ3cm超あり、読むのに1ヶ月かかるかと思いましたが結局1週間で読了。悲惨な描写も多かったけれど、なにより物語として非常によかった。「読まされてしまう力」のある小説だと思います。この小説で、ビアフラ戦争について初めて知りました。
「半分のぼった黄色い太陽」はあくまでフィクションで、ビアフラ戦争に関しても史実と違う箇所はいくつかあるようです。
「明日は遠すぎて」は、今年発売された短編集です。長大な物語「半分のぼった黄色い太陽」の対極にある作品はどんなものなのか、読むのが楽しみです。
河出書房新社
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《気になる》ソングライン
モレスキン愛用者として名高いブルース=チャトウィン。
この作品は、オーストラリア放浪をもとに書かれているようです。
ソングライン。アボリジニが歩いた道。読了したばかりの池澤夏樹「氷山の南」にもアボリジニの話が出てきます。オーストラリアの大地を移動し続けるアボリジニ。
人はなぜ旅をするのか。
新しいものを見たいから、自分がいる世界・自分の中をかき回したいから、記憶を増やしたいから、新しいステージに立ちたいから…。
理由はいろいろあるでしょう。
自分の中に「流れ」「動き」を作ったり保つために、旅は最適なのかもしれない。
放浪ではありませんが、旅の本では「巡礼コメディ旅日記——僕のサンティアゴ巡礼の道」という楽しい本もあります。
英治出版
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《気になる》エレガントな問題解決 —柔軟な発想を引き出すセンスと技
内容的には「いかにして問題をとくか (未読)」と同じような感じでしょうか。
最近数学の本がたくさん出ていますが、全然追いついていません。読むんだったらしばらく数学にどっぷり浸ろう、そのために時間を取ってから、なんて考えるから、いつまでも手がつかないのかもしれない。
目次を見ると「グラフ理論」の項があります。学生時代、グラフ理論が好きでした。卒業研究で取り組みたかったのですが、諸般の事情でできませんでした。機会があったらもう一度勉強したいです。
あと好きだったのはトポロジーとか数理計画とか。もう全部忘れましたがorz
あとは第8章の「アメリカ人向けの幾何学」が気になります。何がどう「アメリカ人向け」なんでしょう。
オライリージャパン
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