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《気になる》エリック
わたしの一押し絵本「遠い町から来た話」に、「エリック」という短編が載っています。ホームステイにやってきた交換留学生の話です。
迎えた家族はエリックが喜ぶだろう、と思うことをやるものの、本当に喜んでもらえてるのかわからない。そしてある日、エリックは帰国して…という話です。この話は見開きの絵で終わっているのですが、この絵がとても美しく、涙が出ました。
そのエリックが主人公の本です。「遠い町から来た話」掲載以外のエピソードも楽しみです。
ショーン=タンが描く世界はとても優しい。その優しさに触れて、じわっときてしまうのです。そして圧倒的な絵のうまさ。「アライバル」の雲の描写なんか息をのむくらいすごい。
彼の作品は、色々な人に見てもらいたいと思います。
《気になる》今を生きるための「哲学的思考」
「ものを考えるための基礎」は本当に大切だ、と思います。しかし「ものを考えるための基礎」はそうそう身につくものでもなく、「今目の前に起きていることを、自分はどうとらえてどう考えればいいのか」と戸惑うことも少なくありません。
これは別に世界を揺るがすような事件事象に限ったことではなく、日々の生活で出会う物事に対してもそう感じます。
色々考えている気にはなっているけど、実際には「下手の考え休むに似たり」だったりしますしね。
「哲学的思考」と書くと難しそうだけど、物事の本質をつかみ、そこで自分がどうするべきかを見出すためには絶対必要なことですよね。この本はその「哲学的思考」を身近な例からたどって、今をつかむ方法を身につけられそうです。
余談ですが哲学って、定期的に流行していませんか。わたしの印象ではおよそ十年に一度の割合でブームが起きている感じがします。
《気になる》臆病者のための裁判入門
訴えるにせよ訴えられるにせよ、裁判の当事者になったことはありません。傍聴に行ったことは1度あります。
友人の友人が、元勤務先の会社を訴えました。友人から「傍聴に行くけど、一緒に来る?」と誘われたのでついて行ったのです。
初めて傍聴した裁判の印象は「揚げ足取りの応酬」。終わったときには恐ろしく疲れました。
生きていれば、どこからトラブルが降ってくるかわからない。自分が誰かを訴えることになる可能性も0ではない。もちろん、訴えられる可能性も。
どちらにしてもそんな事態は避けたいですが、裁判がどういうものなのか、裁判の渦中ではどういうことが起こるのか、それはちょっと知りたい。役に立つ知識かどうかはわかりませんが。
《気になる》未亡人読本: いつか来る日のために
「未亡人」かぁ。確かにいつか「その日」がくるかもしれない。
人が死ぬとかなり忙しい、と言いますね。わたし自身は祖父を看取ったことがあるだけで、その忙しさの当事者になったことはありませんが。
人が死んだ直後からばたばたと忙しくなり、それが終わって相続のごたごたがあり (「遺産を巡る遺族の骨肉の争い」は、既にわたしの周囲でも数件起きています)。これらをしっかり乗り越えていくには、確かに心構えが必要かも。心構えだけじゃなく、お金などの面でも。
連れ合いが亡くなったときのための備えなんて、縁起でもないと思われるかもしれないけど、男も女も、心の隅に備えをしておくことは必要かもしれませんね。
新潮社 (2012-08-27)
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《気になる》文士料理入門
作家の好きだった食べ物、住んでいた家、あるいは飼っていた猫など。作家の身の回りのものを取り上げた本は読んでいて楽しい。それぞれの人に強いこだわりがあって、そのこだわりに触れるのが楽しいのかもしれません。
特に食べ物は、作家やその作品と直接結びつくものでしょう。食べ物が人を作り、その人が作品を作り出す。その人が好き / 嫌いだった食べ物、その人が書いた食べ物から、その人自身が立ち上ってくる気がします。
この本は料理の再現があるんですね。作品を読んでいるときは自分で想像するしかないのですが、写真があるとそれを見てるだけでも楽しそうですね。名文も一緒に楽しめればなおよし。
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《気になる》書店の棚 本の気配
神田神保町にある東京堂書店。昔水道橋にある専門学校に通っていた頃、授業が終わるとよく神保町をぶらぶらしていました。
古書店から専門書店、大型書店までいろいろ見ていましたが、一番好きだったのが東京堂書店でした。なんか落ち着く感じがする書店です。
先月上京した際ものぞいてきました。リニューアルして雰囲気は変わりましたが、店に漂う落ち着きはそのままでうれしくなりました。
この本の著者、佐野衛さんは、東京堂書店の店長をされていた方です。佐野さんが書店員時代、そして引退後に書かれた文章を集めたものです。
落ち着きある書店はどうやって作られたのか、店長は日々どう過ごしていたのか。本の話と合わせて楽しめそうです。
《気になる》今こそアーレントを読み直す
ハンナ=アーレントは読んでみたいと思いつつ、未読のままです。同様の状態にあるのがシモーヌ=ヴェイユ。
どちらも女性である、というのが一番気になるところです。女性哲学者はそれだけで目立ちます。そしてただ目立つだけでなく、2人とも後世に残る仕事をしている。
読んでみたいと思いながら手を出していない理由は、何から読んだらいいかわからない、というのが一番大きい。あまり難しくなくて、著者の考えがよく見通せる本はどれか、というのはなかなかわかりません。
この本はアーレントの思想のガイドブックといえるでしょうが、思想を俯瞰して、そこから自分の興味が向いた本を読んでみる、というのもいいかもしれません。
文学でも哲学でもなんでも、「読みたいとは思ってるけど、未だに手を出していない」というものは、できるだけ減らしていきたいです。
講談社
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《気になる》広告は私たちに微笑みかける死体
微笑みかける死体とは、かなり衝撃的なことばです。
この本の著者が撮影した、90年代のベネトン広告。広告写真としてはショッキングなもので、議論を呼んでいた記憶があります。それらの写真のうち、1点だけ覚えています。HIVをテーマにした写真です。
「広告は私たちに微笑みかける死体」の真意とは何か。商業写真を撮る写真家が、ここに思い至るまでには何があったのか。そして「死体」を映す写真家の内に葛藤があるのか否か。
写真や広告について不案内でも、なにか心がざわめく感じがします。
紀伊國屋書店
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《気になる》ソーラー
京都大学の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。その話題を追いかける中で、この本を知りました。
ノーベル賞受賞後、その名声だけで生きている男性の話です。
ノーベル賞云々は別にして、単純に小説として面白そうだと思いました。この上ない名誉を手に入れた男性がどうなっていくのか。名誉だけで幸せになれるのか。自分は名誉とはまったく縁がありませんが、だからこういう物語に興味がわくのかもしれません。
海外文学で面白そうだなと思う本をチェックすると、新潮クレスト・ブックスの1冊であることが多いです。例えば「オスカー・ワオの短く凄まじい人生」。これはむちゃくちゃ面白かった。もっと早く読めばよかったと思ったくらいです。
新潮社
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《気になる》この甲斐性なし! と言われるとツラい 日本語は悪態・罵倒語が面白い
「悪態・罵倒語が面白い」って、確かに。悪態・罵倒にこそ人の本性が出るかもしれないし、ほめることばに対して、悪態・罵倒の方が変にリアルでわかりやすい。
いささか品がありませんが、「悪口の楽しみ」というのもあるし。
悪態・罵倒語はいくつも思い浮かぶけど、それらを系統立てて追いかけることで、改めて「ことばの力」を知ることになりそう。
単純に悪態・罵倒語を楽しむほかに、ことばの歴史を知る本として楽しそうです。
光文社 (2012-08-17)
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